音質の完成度に注目! Sonos新スマートスピーカー「Era」は大迫力だった
スタイリッシュなデザインと、音楽ファンの好奇心を刺激するサウンドチューニングが脚光を浴びるアメリカのスピーカーブランド、Sonos(ソノス)から最新のスマートスピーカー「Sonos Era 300」と「Sonos Era 100」が発売されます。
今回発売される2機種がSonosの新しい「Era(時代)」シリーズのファミリー製品群です。
3月28日から日本を含む世界各地で同時発売。価格は上位の空間オーディオ再生に対応するEra 300が6万9800円(税込)、スタンダードモデルのEra 100が3万9800円(税込)です。どちらのモデルもカラーバリエーションはブラックとホワイトから選べます。
Sonosの「新時代」をつくる2つのスマートスピーカーが誕生
Era 300はコンパクトな本体に6基のスピーカーユニットを内蔵。ユニットは左右にウーファーとドーム型トゥイーターを計4基、同じドーム型トゥイーターを正面と天面に向けて1基ずつ搭載しました。さらに、トゥイーターの中高音域に広がりを持たせるため、ユニットの先端にホーン構造のウェーブガイドを設けています。
空間オーディオ再生は、Amazon Music Unlimitedが配信するドルビーアトモス対応の3Dオーディオコンテンツで楽しめます。また発売後に、Apple Musicの空間オーディオコンテンツの再生にも、ソフトウェアアップデートで対応を予定。
一方のEra 100は、日本で2018年夏に発売された「Sonos One」という、Amazon Alexa対応スマートスピーカーの後継機。「シンプルにいい音が楽しめるスピーカー」としてのコンセプトを継承しています。
Era 300のエンクロージャ(筐体)はHourglass=砂時計をイメージしたという、横向きのオーバルデザインを特徴としています。かたやEra 100は縦長の筒型デザイン。Sonos Oneに比べるとサイズは少しだけ大きくなりました。
Era 300とEra 100はともにWi-Fi経由でホームネットワークに接続して、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービスを楽しめます。またBluetooth経由でスマホやPCに接続して、ワイヤレスで音楽を聴くことも可能。サポートするコーデックはAACとSBCで、aptXは非対応です。このほかワイヤレス再生でいうと、アップルのデバイスと連携してAirPlay 2にも対応します。
外部オーディオ入力は背面のUSB-C端子経由。別売りの純正変換アダプター「Sonos Line-In Adapter」とオーディオケーブルを介してプレーヤーと接続すれば、レコードやCDの音も楽しめます。
7.1.4チャンネル相当の立体音響システムに拡張できる
Sonosはグラミー賞を受賞した音楽プロデューサーのManny Marroquin氏や、アカデミー賞を獲得したレコーディングエンジニアのChris Jenkins氏といった、音楽クリエイターたちを「Sonos Soundboard」と呼ばれるチームに招聘。同社オーディオ製品のサウンドチューニングを深めてきました。新しいEraシリーズも同様です。
そのEra 300は2台をペアリングして、より分離感の高いステレオ再生環境を構築できます。また、Sonosのサウンドバー「Arc」「Beam(Gen 2)」やサブウーファー「Sonos Sub Mini」と組み合わせると、映画やドラマのドルビーアトモス音声をホームシアターでリアルに再現可能です。
ホームシアターのように再生システムを拡張する場合、2台のEra 300をペアリングしてからリアスピーカーとして視聴環境の後方にレイアウト。その際、SonosのサウンドバーはHDMI eARC接続でテレビと繋ぐ必要があります。なお、それぞれのスピーカーのセッティングはiOS/Android対応の「Sonos」アプリを使います。
単体はステージのような臨場感で、組み合わせるとまさしく「映画館の迫力」
単体でも使用できて拡張性もあるEra 300ですが、実力はどの程度のものなのか。単体、そしてSonosのサウンドバーなどと組み合わせたシアター環境の両方で試聴しました。
Era 300は少しドライで歯切れが良く、華やかなサウンドが魅力的なスピーカーです。ボーカルやメロディを演奏する楽器の旋律は明るく、音色も鮮やか。さまざまな音楽を楽しく聴けます。低音はスピーディーで切れ味鋭く、タイトで躍動感が充実。スケールの大きな音場を描きます。Era 300を置いた部屋が、たちまちコンサートホールやライブステージに変わるような臨場感がとても魅力的です。
サウンドバーのArcとサブウーファーのSonos Sub Mini、そして2本のEra 300によるサウンドも迫力満点でした。Amazon Music Unlimitedのドルビーアトモスによる3Dオーディオの楽曲を聴くと、歌っていたボーカルが高いステージに立ったように、音像の位置がグンと持ち上がり、高さ方向への空間の広がりがとても生々しく伝わってきます。
低音もさらに肉付きが良くなります。堂々とした鳴りっぷりが魅力的。加えて2台のEra 300が横方向の音の広がりも鮮やかに再現します。アクション映画の音は息を吞むほど豊かな切れ味。ドルビーアトモス対応の映画館をわが家に再現できる、Eraシリーズのシステムの拡張性にも注目です。
自動音場チューニングやAlexaによる音声操作にも対応
チューニング機能もアップデートしており、スピーカーを設置した場所に自動最適化する機能「Trueplayチューニング」はiOSアプリのほか、新しくAndroid対応のSonosアプリからも利用できるようになりました。Androidデバイスの場合、TrueplayはEra 300の内蔵マイクを使います。iOSデバイスの場合はスピーカーの内蔵マイクによるQuick Tuning、またはiPhone/iPadのマイクを使用し、部屋を移動しながらより高精度にチューニングするAdvanced Tuningを選べます。
使い勝手の面では、本体のフロント天面にボリュームスライダーを設けており、指でなぞると直感的に音量調整や楽曲スキップ操作ができます。また音楽再生は独自の「Sonos Voice Control」により音声で操作可能ですが、発売時点では英語・フランス語のみに対応。日本語対応は未定です。ただし、IoTスマートホームの音声操作はビルトインするAmazon Alexaから行なえます。
1本でステレオ再生が楽しめるEra 100
Era 300はドルビーアトモスによる空間オーディオ再生に対応していますが、スタンダードモデルのEra 100は単体でステレオ再生が楽しめるスマートスピーカーです。
本体には2つの高音域用トゥイーターを正面向きに角度を変えて搭載。さらにSonos Oneよりも本体の背丈を少し高くして、25%サイズを大きくしたウーファーが深みのある中低音域を再現します。
本体には最新のオーディオ用プロセッサーと、機械学習処理をこなすCo-Neuralプロセッサーを搭載。音声操作ではSonos Oneよりも47%速い処理速度を実現しました。
Sonosアプリからは、iOSに加えてAndroidにも対応するTrueplayチューニングが可能。Era 100もまたSonosのサウンドバーやサブウーファーと組み合わせてシアター環境を作ったり、2台をペアリングしてステレオ再生を楽しんだりできます。Sonos Voice Controlによる本体の操作、およびスマートホーム機器のAmazon Alexaによる操作も可能。
BGMとして再生/音楽を聴き込むのどちらもいける1台
Era 100のサウンドを試聴したファーストインプレッションもレポートします。低音域の重心が低く、中高域はクールで華やかな印象。メロディの余韻がふわっと爽やかに広がります。コンパクトなルックスからは想像もできないほど、ジャズのベースラインを重厚に、またドラムスのビートを躍動感いっぱいに再現します。音楽のボリュームを上げても音像が破綻しない安定感も見事。底力が充実しています。1台でステレオ再生できるスピーカーなので、音像の立体感にも優れています。
BGM的に音楽を部屋に満たす、あるいは腰を落ち着けて好きな楽曲をじっくりと聴き込むスタイルのどちらにもフィットすると思います。
音質を徹底的に磨き抜いたEraシリーズに要注目
環境への配慮も見どころのひとつ。Eraシリーズはそれぞれ、環境に優しい素材を本体に採用しました。エンクロージャなどメインのパーツは再生プラスティックを採用。パーツどうしの接合は接着剤からビス留めに可能な限り変更しています。また消費電力、待機電力を抑える設計にもなっています。
今春はアップルのHomePod、アマゾンのAmazon Echo DotシリーズなどITテクノロジーメーカーのスマートスピーカーが出揃っています。その中で、Sonosのスマートスピーカーはオーディオブランドならではと言える音質の完成度が要注目です。音楽・映画をワンランク上のサウンドで楽しみたい方におすすめします。
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