Apple関連のリークで知られるBloombergのマーク・ガーマン氏が、Appleがの複合現実(MR)ヘッドセットである「Reality Pro(仮称)」が2023年春に発表する予定だとウワサされていたのが、さらに延期して2023年6月に開催すると目されている開発者向けイベント・WWDCでお披露目される予定になったと報じています。

Apple Pushes Back Mixed-Reality Headset Debut Two Months to June (AAPL) - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-02-15/apple-pushes-back-mixed-reality-headset-debut-two-months-to-june



Apple’s mixed reality headset will reportedly debut at WWDC - The Verge

https://www.theverge.com/2023/2/15/23601588/apple-wwdc-vr-ar-mixed-reality-launch-rumor

Apple headset announcement delayed until WWDC

https://9to5mac.com/2023/02/15/apple-headset-release-date-delayed/

Appleが開発中のMRヘッドセットは「N301」というコードネームで開発されており、視線追跡(アイトラッキング)やカメラを用いた手の動きの追跡(ハンドトラッキング)が可能で、外部端末なしにiOS風のUIを操作するAR・VR対応デバイスだと報じられています。Appleはすでに「Reality One」や「Reality Pro」などの名称を商標出願していることが報じられており、価格3000ドル(約39万円)前後と見られているこのデバイスが「Reality Pro」という名前で販売されるのではないかとみられています。

AppleのMRヘッドセット「Reality Pro(仮称)」は視線や手の動きの追跡、3DのiOSライクなUI、Mac外部ディスプレイ機能など搭載か - GIGAZINE



ガーマン氏によると、AppleはこのMRヘッドセットを2022年6月に発表する予定だったのが2023年1月に延期し、さらに2023年春の新製品発表イベントで発表する予定に延期したとのこと。しかし、ソフトウェア・ハードウェアで生じている問題を解決するために、2023年6月までの延期が決まったそうです。

AppleはWWDCの開催時期をまだ発表していませんが、毎年6月の上旬に開催しています。ガーマン氏によると、Appleの元ハードウェア部門主任で2021年からAppleのAR・VRプロジェクトを監督する立場にあるダン・リッチオ氏は、MRヘッドセットのハードウェア面・ソフトウェア面両方に残っている問題を解決するために取り組みへの関与を強めているとのこと。

ただし、Appleの社内では、MRヘッドセットへのコストがかさみすぎており、すでにVRで大きなコストを出しつつも成功をおさめているとは言い難いMetaの二の舞になるのではないかと懸念する声もあがっているそうです。特に開発プロジェクトに関わったエンジニアの中には、Appleが何の確証もなく新しい市場に飛び込もうとしているのではないかと心配している者もいるとのこと。一方で、スマートウォッチのシェア1位を握って成功をおさめたApple Watchのように、Apple製MRヘッドセットがMRデバイス市場で最初の成功例となるかもしれないという意見もでているそうです。

なお、Appleの広報担当者はガーマン氏のコメント要請に応えず、返答はなかったとのことでした。