後楽園ホールで行われたプロテスト、スパーリングを行う那須川天心【写真:浜田洋平】

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那須川天心がプロテスト合格、スパー相手の南出仁も絶賛「強いっすね。速いっす」

 キックボクシング界の“神童”那須川天心が9日、東京・後楽園ホールで日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに合格した。プロ格闘家としての実績を評価され、B級(6回戦以下)で実施。スパーリング、シャドー、筆記試験などを終えた。スパー相手を務めた南出仁(セレス)は「プロの洗礼を浴びせようと思ったけど、強いっすね。速いっす」と絶賛した。

 那須川はヘッドキャップと14オンスのグローブを着け、3月20日に日本バンタム級タイトルマッチを控えている同級1位・南出とスパーを実施。3ラウンドでジャブの差し合いやボディーワークなどキレのある動きを披露した。スピードで相手を翻弄し、クリーンヒットを許さず。潜在能力の高さを見せた。

 南出は「プロの洗礼を浴びせようと思ったけど、強いっすね。速いっす。とにかく速い。速いと想像していたけど、想像以上だった」と落胆。「ジャブも、足さばきも速いし、カウンターの鋭さもある。全てが速い。自分もスピードは自信を持っているけど、速かった」と驚いた。

 スパー相手のオファーには即答したという。「自分にも意地とプライドがあるし、記者もたくさん来るのがわかっていた。『プロの洗礼!』と書いてほしかったけど、ダメでした(笑)。貴重な経験でした」。南出陣営のセレス小林会長も「速いし、パンチに対する反応が素晴らしい」とし、こう続けた。

「キックボクシングから来る選手はスタンス、重心の乗せ方に癖があるんですけど、それを直すのが大変。(那須川が)短時間で対応しているのはセンス抜群。センスの塊だと感じました。協会長の立場としては、スーパースターが来てくれたことが嬉しい。明るい話題。何より華がありますよね。それは持ちたくても持てないもの。これであとは強ければ必ず人気が出るでしょう。

 ボクシング界を背負っていく逸材だと思います。将来的に世界王者を狙っていると思いますし、その可能性は十分。上にいってどういう試合をするか楽しみです」

 昨年6月の格闘技イベント「THE MATCH 2022」(東京ドーム)でK-1王者・武尊に5-0の判定勝ち。格闘技47戦無敗(キックボクシングは42戦)のままプロボクシングに転向する。今後は数々の世界王者や名ボクサーを生んだ名門・帝拳ジムに所属。4月に6回戦でボクシングデビューする。

 那須川は「(パンチを)もらわないことを一番意識した。日本ランク1位の選手とやれて自信になりました。これで本気度が伝わったかなと。甘く見るなという人もいると思うけど、ボクシングを舐めているわけじゃない。尊敬しているし、注目してくれたら」と振り返った。

(THE ANSWER編集部)