Twitterの収益の柱である広告収入の不振が指摘される中、Twitterの経営陣が業績不良とみなしている分野や重要でないと判断した分野の人員整理を進め、これにより広告やマネタイズを担当する部門の従業員約40人が削減されたと報じられています。

Musk Lays Off Twitter Engineers Working on Advertising, As Ad Revenue Shrinks - The Information

https://www.theinformation.com/articles/musk-lays-off-twitter-engineers-working-on-advertising-as-ad-revenue-shrinks

Elon Musk Lays off Even More Twitter Employees

https://gizmodo.com/elon-cuts-costs-by-laying-off-the-people-who-make-money-1849955413

Laid-Off Twitter Workers Remain in Limbo Over Severance Packages - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-01-05/laid-off-twitter-workers-remain-in-limbo-over-severance-pay

ニュースサイト・The Informationによると、Twitterはイーロン・マスク氏による買収から少なくとも4回目の大規模な人員削減に着手しており、今回のレイオフでは主にデータサイエンスとエンジニアリングの分野で働く従業員40人が対象になったとのこと。テクノロジーメディアサイト・Gizmodoに情報を提供した関係者は、特に製品ソフトウェアエンジニアリング、マネタイズ、広告予測チームが最も大きな影響を受けたと話しました。

このうち広告予測チームは、機械学習を活用してTwitterユーザーに配信する広告の最適化を行ったり、広告アルゴリズムを開発したりする業務を担っていました。そのため、広告分野におけるエンジニアリングの専門知識を持つ人材がいなくなれば、Twitterの広告事業を最適化する機能は一層危うくなる可能性があると指摘されています。

事実として、マスク氏がCEOに就任して以来Twitterの広告事業は苦戦を強いられています。Twitterからマスク氏の方針を懸念した広告主が離れていることが明らかになっているほか、大手広告代理店も顧客に広告の出稿の見直しを推奨していると報じられており、既にゼネラルモーターズやユナイテッド航空といった有名企業がTwitterでの広告を一時的に停止することを発表しています。こうした動きの影響で、FIFAワールドカップカタール2022により盛況が見込まれていた広告収入が社内予想を80%下回ったことが報じられました。

Twitterのワールドカップ関連広告収入が予想を80%も下回っているとの報道



Twitterの売上の90%を占める広告収入の減少を受けて、Twitterは2019年から全面的に禁止してきた政治的な広告を解禁することを発表しました。これに加えて、Twitterは本社のオフィスの家賃を滞納して賃料の見直しをオーナーに求めるなど徹底したコスト削減を断行しており、従業員の福利厚生もその対象となっています。

経済メディア・Bloombergの報道によると、2022年11月に一斉解雇された従業員には当初「3カ月分の退職金が提示されました。これは法的に要求されているよりも50%も多い額です」とマスク氏がツイートしていたにもかかわらず、退職金の支払いは2カ月分、つまり法律で義務づけられている最低額でストップしてしまっているとのこと。その後Twitterからは何の音沙汰もなく、元従業員は残りの追加分の退職金や、COBRAと呼ばれる健康保険についての案内を受け取っていません。

Gizmodoはこうした法的な問題についてTwitterに問い合わせをしましたが、同社にはもうメディア対応を担当する広報部門がないため、連絡しても一切反応がないとのことです。