岸田首相、次に目指すのは「子ども予算倍増」消費税15%で10兆円ゲット! 森永卓郎氏も「消費税上げないなんてウソばかり」
岸田文雄首相は、従来、DGP比1%の大枠があった防衛費を、2%まで増やすことを決めた。まさに倍増だが、問題は財源確保に1兆円強の増税が必要なことだった。これには各所から反発の声があがったものの、12月16日、安保関連3文書が閣議決定したことで議論は終了。防衛費は、2023年度からの5年間で43兆円規模になる。
だが、ここに来て、さらなる増税の可能性が指摘されている。
「次に狙われるのは、『子ども予算』だとされています。岸田首相は2022年1月、衆院予算委員会で『将来的に子ども予算の倍増を目指したい』と語っており、2023年夏には『骨太の方針』で当面の道筋を示すと表明しています。
ただ、財源に関しては議論が進んでおらず、岸田首相が消費税増税に踏み切るのではないか、といった報道も出てきました」(政治担当記者)
1997年に3%から5%、2014年に5%から8%、2019年に8%から10%へと、徐々に引き上げられてきた消費税。2019年、IMF(国際通貨基金)は増えていく一方の社会保障費をまかなうため、2030年までに日本の消費税率を15%に上げる必要があると提言している。
消費税1%につき約2兆円の税収が確保できるとされるため、仮に15%になれば、単純計算で約10兆円が手に入ることになる。
はたして、岸田首相が消費税増税に取り組む可能性はどの程度あるのか。経済アナリストの森永卓郎さんがこう語る。
「岸田総理がこのまま居座れば、おそらく消費税増税に踏み切るでしょう。今回の防衛費増税に関しても、政府の税制調査会で『消費税を上げろ』と言った委員がいましたからね。
財務省は一貫して『消費税は社会保障の財源です』と言い続けていますから、消費税を増税しても防衛費には使えません。しかし、子育て支援は社会保障ですから、消費税を増税してもまったく問題ないんです。
IMFが『増税すべき』と考えているのかというと、実態は違います。IMFが日本に提言を出すときは、必ず日本の財務省と協議しています。ですから、実態は、財務省の役人がIMFを使って、自分たちの意向を書かせているんです。
IMFは、増税を繰り返せば経済がダメになることを認識していて、基本的には『もう増税はやめよう』という姿勢。にもかかわらず、財務省は強い意向で消費税を上げようとしています。
ただ、昨年度の国民負担率、つまり税金と社会保険料が国民所得に占める比率は48%まで来ている。10年前は39%でしたから、昔は4割取られていたのがいまはもう5割近いということです。
今回の防衛費増税を入れると、50%を突破することは間違いありません。それなのに、さらに消費税を上げれば、もう国民生活の破壊以外のなにものでもありません」
森永氏によれば、「財務省は国民生活がどうなろうと構わない」と考えているという。
「財務省は、消費税を1円でも1%でも上げ続けたい。国民の所得がゼロになったって構わない。そんな宗教的な思い込みのようなものを持っているんです。
ジャーナリストの長谷川幸洋さんは『岸田首相は財務省に “洗脳” されている』なんて書いてますが、言い方はともかく、かなり正確に事態を捉えていると私は思っています」(森永さん)
2021年9月におこなわれた自民党総裁選の討論会で、「(消費税は)10年程度上げることを考えていない」「すぐに増税で財源を埋めることは考えていない」と発言した岸田首相。
だが、森永さんは「岸田首相の発言はウソばかり」と切り捨てる。
「直近で言っても、岸田首相は防衛費の財源について『所得税の増税はしない』と断言していました。しかし、直後に復興特別所得税を組み合わせた案が検討され、実現してしまいました。岸田首相の言葉はウソばかりで、とうてい信用できるものではありません」
「聞く力」を謳ってきた岸田首相だが、実際は「財務省の話を聞く力」だったようだ。このままでは、消費税が上がるのも遠い日のことではなさそうだ。