不動産投資はまず「戸建て投資」から始めるべき その理由とは?
副収入や老後資金の準備など、資産形成の一環として「不動産投資」を考えている人は少なくないだろう。しかし、多くの元手が必要なのではないか、物件という大きな買い物をして失敗はしないだろうかと不安も尽きない。
そんな不動産投資に必要なものは「中長期的なプランニング」であり、「一歩ずつバランスよく買い進めること」として、「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」を組み合わせた「トライアングル不動産投資」を提唱するのが、「神・大家さん倶楽部」の創設者・木村洸士さんだ。
今回、初の著作『不動産投資は組み合わせが9割』(合同出版刊)を出版した木村さんに、その真髄についてお話をうかがった。
(新刊JP編集部)
■「トライアングル不動産投資」、最初に戸建てに挑むメリットとは?
――まずは本書を執筆した経緯や、何を伝えたいと思って本を書こうと思ったのかについてお話をお聞かせください。
木村:不動産投資は正しいやり方をすれば結果はちゃんとついてきます。そのことを多くの人に広めたいという思いがありました。
お金に対して不安を抱いている人は少なくないと思います。いつ働けなくなるか分からないし、老後の資金として「2000万円」必要とされているとも言われます。そういったお金の心配をカバーするのが投資です。ただ、投資に対するリスクであったり、怪しさを感じている人も多いですから、そういったイメージを拭えればと。
――おっしゃる通り、投資をしたときのリスクをまず考える人は多いと思います。損をしてしまうのではないかという。
木村:それはそうだと思います。私自身もチャレンジしたての頃は失敗しましたが、いろいろ試す中で、個人的には不動産投資は成功しやすいジャンルだと気づきました。現金を建物や土地に替えるだけですし、それを売ればお金が入ってきます。でも、成功しやすいはずなのに、成功できない人もいる。それはなぜかというと、やり方を知らないからです。
――木村さんは「トライアングル不動産投資」を提唱しています。これは「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」という3つのステップを繰り返す方法です。ポイントを教えてもらえますか?
木村:これまでの不動産投資は、「戸建て投資法」とか「新築アパート投資法」というように、(投資法を教えている)先生が得意なジャンルを絞って教えるということが多かったと思います。ですが、大家さんの立場で考えたときに個別(の投資法)でやっても、なかなか金額がスケールしないということが起こります。
では、規模を大きくしていくためにどうすればいいのか考えたときに、戸建てだけではなく、新築アパート、中古アパートの組み合わせが必要になります。そこで自分の中で辿り着いたのが本書で提唱した「トライアングル投資」でした。
ポイントは、まずは戸建てから始まり、新築アパート、中古アパートへと段階を上っていくことです。最初は戸建て、それもボロ戸建てです。安く購入して、安く修繕する。できるならばDIYでもいいでしょう。最初にかかる費用を抑えて、戸建てを貸し出す。そうすると家賃収入が入ってくるので、その状態で次は新築アパートに行きます。
新築アパートを購入する場合、金融機関からの融資が必要になりますが、そうなると返済が発生します。そこに不安を感じる人もいるかもしれないけれど、すでに戸建てで家賃収入があるはずなので、そこから賄うこともできるはずです。何よりも戸建てを通して、不動産投資の経験値を積んでいるはずなので、「最初は戸建て」というのは重要なポイントです。
――戸建ての次は、中古アパートではなく新築アパートなのが意外でした。
木村:戸建てで経験を積んでいるので、そのまま中古アパートに行くことも可能なのですが、実は新築アパートの方が、融資が出やすい傾向にあるんです。それに新築なら修繕なども必要ありませんからね。だから最初のステップとしては「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」がおすすめなんです。
もちろん、絶対このフローでないといけないというわけではありません。ただ、不動産投資に慣れていない人であれば、この進め方がおすすめです。
――不動産投資で家賃収入を得るというと、入居者がしっかり確保できるかどうかが大切だと思います。戸建て賃貸の需要は高いのでしょうか。
木村:そう思います。実は賃貸用の戸建ては数が少ないのですが、ファミリー層を中心に住みたいという人は多いです。アパートやマンションだとどうしても平米数や部屋数が限られてしまいますが、戸建てだと2階建て100平米のような物件もありますし、昨今のテレワークの普及から家で仕事をする人が増えるなかで、仕事部屋需要にも対応ができたりするんです。だから、地方や郊外の戸建ては貸し出したらすぐに埋まることが多いです。
一方、アパートは競合過多になっている部分があります。その意味でも、戸建ての賃貸は優位性がありますし、入居者がつきやすいという意味で、不動産投資の経験を積みやすいと思います。
――アパートはある程度経験を積んでから手を出したほうがいいのでしょうか?
木村:アパートだと高額なローンを組むことがほとんどだと思います。そうなると、実際にアパートを購入したときに、実はその物件の立地が悪くて需要が薄かったという事態になった時に、戸建ての段階で入居付けの経験があればなんとかなるかもしれません。
また、戸建てから新築アパートに進む際に戸建てを売却して資金を得る手もありますが、その売却も経験値になります。最初は手に入れた物件を売ることに怖さを感じると思いますが、戸建てで経験しておけば、意外とすんなり売却できるようになるんです。
実は私も最初はアパートに手を出したんです。でも、それで失敗をしてしまって。だからもし最初から不動産投資をやり直せるのであれば、戸建て投資から始めますね。
(後編に続く)
【関連記事】
親が「子どもは純粋だから嘘をつかない」という考えを捨てるべき理由
テクノロジーの発展で「往年のトリック」が生まれ変わる 結城真一郎インタビュー(2)
そんな不動産投資に必要なものは「中長期的なプランニング」であり、「一歩ずつバランスよく買い進めること」として、「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」を組み合わせた「トライアングル不動産投資」を提唱するのが、「神・大家さん倶楽部」の創設者・木村洸士さんだ。
(新刊JP編集部)
■「トライアングル不動産投資」、最初に戸建てに挑むメリットとは?
――まずは本書を執筆した経緯や、何を伝えたいと思って本を書こうと思ったのかについてお話をお聞かせください。
木村:不動産投資は正しいやり方をすれば結果はちゃんとついてきます。そのことを多くの人に広めたいという思いがありました。
お金に対して不安を抱いている人は少なくないと思います。いつ働けなくなるか分からないし、老後の資金として「2000万円」必要とされているとも言われます。そういったお金の心配をカバーするのが投資です。ただ、投資に対するリスクであったり、怪しさを感じている人も多いですから、そういったイメージを拭えればと。
――おっしゃる通り、投資をしたときのリスクをまず考える人は多いと思います。損をしてしまうのではないかという。
木村:それはそうだと思います。私自身もチャレンジしたての頃は失敗しましたが、いろいろ試す中で、個人的には不動産投資は成功しやすいジャンルだと気づきました。現金を建物や土地に替えるだけですし、それを売ればお金が入ってきます。でも、成功しやすいはずなのに、成功できない人もいる。それはなぜかというと、やり方を知らないからです。
――木村さんは「トライアングル不動産投資」を提唱しています。これは「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」という3つのステップを繰り返す方法です。ポイントを教えてもらえますか?
木村:これまでの不動産投資は、「戸建て投資法」とか「新築アパート投資法」というように、(投資法を教えている)先生が得意なジャンルを絞って教えるということが多かったと思います。ですが、大家さんの立場で考えたときに個別(の投資法)でやっても、なかなか金額がスケールしないということが起こります。
では、規模を大きくしていくためにどうすればいいのか考えたときに、戸建てだけではなく、新築アパート、中古アパートの組み合わせが必要になります。そこで自分の中で辿り着いたのが本書で提唱した「トライアングル投資」でした。
ポイントは、まずは戸建てから始まり、新築アパート、中古アパートへと段階を上っていくことです。最初は戸建て、それもボロ戸建てです。安く購入して、安く修繕する。できるならばDIYでもいいでしょう。最初にかかる費用を抑えて、戸建てを貸し出す。そうすると家賃収入が入ってくるので、その状態で次は新築アパートに行きます。
新築アパートを購入する場合、金融機関からの融資が必要になりますが、そうなると返済が発生します。そこに不安を感じる人もいるかもしれないけれど、すでに戸建てで家賃収入があるはずなので、そこから賄うこともできるはずです。何よりも戸建てを通して、不動産投資の経験値を積んでいるはずなので、「最初は戸建て」というのは重要なポイントです。
――戸建ての次は、中古アパートではなく新築アパートなのが意外でした。
木村:戸建てで経験を積んでいるので、そのまま中古アパートに行くことも可能なのですが、実は新築アパートの方が、融資が出やすい傾向にあるんです。それに新築なら修繕なども必要ありませんからね。だから最初のステップとしては「戸建て」「新築アパート」「中古アパート」がおすすめなんです。
もちろん、絶対このフローでないといけないというわけではありません。ただ、不動産投資に慣れていない人であれば、この進め方がおすすめです。
――不動産投資で家賃収入を得るというと、入居者がしっかり確保できるかどうかが大切だと思います。戸建て賃貸の需要は高いのでしょうか。
木村:そう思います。実は賃貸用の戸建ては数が少ないのですが、ファミリー層を中心に住みたいという人は多いです。アパートやマンションだとどうしても平米数や部屋数が限られてしまいますが、戸建てだと2階建て100平米のような物件もありますし、昨今のテレワークの普及から家で仕事をする人が増えるなかで、仕事部屋需要にも対応ができたりするんです。だから、地方や郊外の戸建ては貸し出したらすぐに埋まることが多いです。
一方、アパートは競合過多になっている部分があります。その意味でも、戸建ての賃貸は優位性がありますし、入居者がつきやすいという意味で、不動産投資の経験を積みやすいと思います。
――アパートはある程度経験を積んでから手を出したほうがいいのでしょうか?
木村:アパートだと高額なローンを組むことがほとんどだと思います。そうなると、実際にアパートを購入したときに、実はその物件の立地が悪くて需要が薄かったという事態になった時に、戸建ての段階で入居付けの経験があればなんとかなるかもしれません。
また、戸建てから新築アパートに進む際に戸建てを売却して資金を得る手もありますが、その売却も経験値になります。最初は手に入れた物件を売ることに怖さを感じると思いますが、戸建てで経験しておけば、意外とすんなり売却できるようになるんです。
実は私も最初はアパートに手を出したんです。でも、それで失敗をしてしまって。だからもし最初から不動産投資をやり直せるのであれば、戸建て投資から始めますね。
(後編に続く)
【関連記事】
親が「子どもは純粋だから嘘をつかない」という考えを捨てるべき理由
テクノロジーの発展で「往年のトリック」が生まれ変わる 結城真一郎インタビュー(2)