プロペラ逆!? 超異形民間機、英航空ショーに出現 その珍設計は高性能ゆえ?
翼の配置も結構すごい!
翼の配置&プロペラは後部に
2022年7月18日から開催されるイギリス・ファンボロー航空ショーで、イタリアのピアッジョ・エアロスペース(Piaggio Aerospace)社が、ターボプロップ・ビジネス機、P.180「アヴァンティ(Avanti)」シリーズの最新派生型「エボ(EVO)」などを展示します。この飛行機は、通常の民間用飛行機のなかではユニークな形状をしているのが特徴です。
P.180「アヴァンティ・エボ」(画像:Piaggio Aerospace)。
P.180「アヴァンティ」は一般的なプロペラ推進の「ターボプロップ機」とは異なったデザインを持ちます。通常、このクラスの飛行機は胴体中央部に主翼、最後部に水平・垂直尾翼を備え、エンジンはプロペラが機首側に配置されているのが一般的です。対し、「アヴァンティ」は、胴体最前に「カナード」とよばれる先翼、胴体やや後部に主翼、最後部に水平・垂直尾翼といった3対の翼配置を取ります。そして2基のエンジンは「プッシャー式」とよばれる、プロペラを後方側に備えるスタイルのものが採用されています。
なお、「アヴァンティ」シリーズ自体は1986年に初飛行していますが、そのユニークなデザインは、今回展示されている第3世代機、「アヴァンティ・エボ」に至るまで大幅な変更はありません。
公式カタログによると、今回ショーで展示されている「アヴァンティ・エボ」は、こういった独自設計により機体の抵抗を減らし、飛行効率を向上させることができるほか、プッシャー式エンジンの採用で、一般的のデザインよりもプロペラと客室の距離を稼げるため、2割ほど客室内の騒音を抑えることができるとのこと。とくに「アヴァンティ・エボ」は、高速性を最大の特長としており、その速度はターボプロップ機としては最高クラスの時速745km(402ノット)にもなるとしています。
ファンボロー航空ショーは22日まで開催され、その間「アヴァンティ・エボ」は、静態展示されるとのことです。