日本一長い在来線「山陰本線」。京都から山口まで5府県にまたがるこの路線は、普通列車で乗り通すとどれくらいかかるでしょうか。

乗り通せるのか? 山陰本線

 2022年7月現在、日本一長い在来鉄道路線は「山陰本線」です。起点は京都駅、終点は下関駅の一つ手前の幡生駅。京都・兵庫・鳥取・島根・山口の5府県にまたがり、その距離は673.8km(ほか長門市〜仙崎間の支線あり)に及びます。
 
 そんな長大な山陰本線、青春18きっぷで乗り通すと、どれくらいかかるのでしょうか。


山口県内の山陰本線の列車。キハ40系がまだまだ現役(乗りものニュース編集部撮影)。

 結論からいうと、山陰本線を1日で乗り通すことはできません。京都駅5時31分発の始発から乗ると、次のような乗り継ぎになります。

京都→園部(京都府)→福知山(京都府)→豊岡(兵庫県)→浜坂(兵庫県)→鳥取(鳥取県)→倉吉(鳥取県)→米子(鳥取県)→出雲市(島根県)→益田(島根県)

 益田駅到着時点で20時49分。ここで列車が途切れます。山口県に到達できずに1日を終えることになるのです。

 逆に、下関発5時39分の始発で京都方面へ向かうと、終着は福知山駅23時12分。なんとか京都府へ入ることができます。これは、益田駅から米子駅まで、約4時間半をかけ島根県内を一気に抜ける列車が効いています。

 県別で見ると特に長いのが島根県と山口県で、それぞれ、県内を抜けるのに4時間以上かかると見た方がいいでしょう。

 山陰本線は歴史的にも、地域ごとに、山陽側とを連絡する路線(陰陽連絡線)と一体で建設され、それらをつなぎ合わせるようにして成立しました。特に島根・山口県内では海沿いを走る区間も多いので、のんびり途中下車しつつ、陰陽連絡線と組み合わせて列車旅を楽しむのがよいかもしれません。

 ちなみに、かつては東北本線(東京〜青森)の739.2kmが日本最長でしたが、新幹線開通で盛岡以北がJRから分離されたため、東北本線は東海道本線に次ぐ3位になっています。