初の重賞タイトルを獲得したペイシャエス(撮影:下野雄規)

写真拡大

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・6/19 ユニコーンS(GIII・東京・ダ1600m)

 好位追走から馬群を割って伸びたペイシャエスが、セキフウの追撃をクビ差抑えて初の重賞タイトルを獲得しました。

 父エスポワールシチーはゴールドアリュールの代表産駒の一頭。現役時代にフェブラリーSやジャパンCダートなどGI(JpnI)を9勝し、引退後はダート向きの種牡馬として優れた成績を挙げています。とくに地方競馬での活躍ぶりは目覚ましく、今年の地方種牡馬ランキングで首位を走っています。代表産駒はヴァケーション(全日本2歳優駿)、イグナイター(黒船賞、かきつばた記念)。今回はJRAにおける初の重賞勝利でした。

 母方にサドラーズウェルズを持つエスポワールシチー産駒は、ショーム、マリオをはじめコンスタントに走っており、勝ち上がり率、連対率、1走あたりの賞金額とも、父の全体成績を上回っています。

 前走の青竜Sは道中2番手を追走したものの、オーバーペースだったため差し馬に呑み込まれる形で5着。今回はちょうどいい流れとなり能力を出し切ることができました。

◆今週の血統注目馬は?

・6/26 八ヶ岳特別(2勝クラス・東京・芝1800m)

 東京芝1800mに強い種牡馬はリオンディーズ。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した74頭の種牡馬のなかで連対率29.2%は第1位。登録馬エーティーソブリンは東京コースも芝1800mも初経験ですが、それだけに新味が期待できます。