50代からの「片づけの極意」。集中するために大切な5つのこと
「時間をかけて片づけをしているはずなのに、部屋がすっきりしない…」なんてことはありませんか? 年齢を重ねると気力や体力が低下し、大がかりな片づけや掃除が大変になるため、片づけは集中して短い時間で終わらせたいもの。そこで、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせた、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さんに、片づけに集中するためのコツを教えてもらいました。
片づけ作業に集中するコツ5つ
毎日、不用品を捨てているのに、いっこうに部屋がきれいにならない。こんなふうに思うなら、片づけているつもりで、ただ、だらだらしているだけの場合があります。
このような、非生産的な片づけを繰り返さないために、片づけに集中するコツを5つ紹介します。
●1.関係のないことをしない
時間をかけているのに片づかないのは、片づけタイムに、片づけとは関係のないことをしているからです。とくに、次の3つは、片づけをしている気分になりがちですが、片づけではありません。なるべくしないようにしましょう。
(1) ものを移動させている
ものを片隅に寄せる、床の上に散らばっている雑誌の角を合わせて、そのまま放置する。これは、ものの場所を移動させただけですから、すぐにまた散らかります。不用品はしっかり捨てきりましょう。
(2) 思い出にふけっている
懐かしいものが出てくるたびに、いちいち思い出に浸らないでください。古い手紙を読む、昔撮ったプリクラ写真を眺めるなんてことをしていたら、時間がどんどんなくなります。思い出に浸りたいなら、別の時間にしましょう。
(3) 掃除をしている
片づけ中に汚いものが目について、その掃除を始めることがあります。たとえば、ドレッサーの引き出しの中を片づけているとき、髪がからまったブラシを見つけて、掃除を始めてしまうなど。ブラシをきれいにするのは、今の片づけが終わってからにしましょう。
●2.終わる時間を明確にする
片づけに限らず、作業をだらだらしてしまうのは、いつ終わるかが明確になっていないからです。今から15分だけやる、何時何分に終わる、と終了時間をしっかり決めれば、もっと集中できます。終わる時間を決めて、タイマーをセットしてから、片づけを開始してください。
●3.作業時間は短めに
片づけの時間が長引くと、途中でだれて簡単に気が散るので、作業時間は短めに設定します。おすすめは15分ですが、長くても30分以上ぶっ続けでやらないようにしましょう。
「今日は時間があるから、たくさん片づけたい」と思うなら、15分の片づけを一単位として、休憩をはさみながら何単位かやったほうが、はかどります。
15分片づけてみて、それでも途中で気が散るなら、もっと短い時間を一単位にしてください。
●4.ゴールを明確にする
作業を開始する前に、これからする片づけのゴールをしっかり意識すると、変な方向に流れにくくなります。
<15分の片づけのゴール例>
・バッグの中に入っているものを全部出し、ゴミを捨てる。バッグに入れなくてもいいものは所定の位置に戻し、バッグの中には入れるべきものだけを入れる。
・洗面所の引き出しの中から、もう使っていないコスメやサンプル、そのほかのゴミを全部捨てる。
・本棚一段から、もう読まない本を取り出し、古本屋に出すための段ボール箱に入れる。
いずれも、集中すれば、15分もかかりません。時間が余ったら、次の片づけのゴール設定に使いましょう。また、片づけに不慣れな人は、作業の流れを一度、紙に書くか、頭の中でシミュレーションすることをおすすめします。すると、実際の作業を手際よく進めることができます。
●5.気を散らすものを取り去る
片づけを始める前に、気を散らすものを取り除いておきます。気を散らすものは、外的なものと、自分の心の中にある内的なものがあります。
(1) 外的なもの
なるべく家族の邪魔が入らない時間に片づけをします。おすすめは早朝です。テレビやラジオを切り、スマホも機内モードにするか、通知音をオフにします。
(2) 内的なもの
片づけをしている最中に、ほかの用事を思い出し、そちらを始めてしまうのは、「自分の思いつき」という内的なもので気が散っている状態です。もし、ほかの用事を思いついたら、すぐにやらず、付箋やメモ帳に書いてください。15分の片づけが終わってから行っても、十分間に合います。
普段からちょっとした用事は早め早めに処理しておけば、片づけをしている最中に、「あ、あれをしなければ!」と思いついて、片づけの途中に始めてしまうこともありません。大きな気がかりがあるときは、そのままにしないで、解決するために自分でできることを始めておくと、ことあるごとに、脳内に心配ごとが浮かぶこともないでしょう。
●普段から集中できる生活を意識する
集中力をアップするために、普段から瞑想をしたり、静かに考え事をする時間をつくったりするのもおすすめです。また、用もないのにソーシャルメディアのタイムラインをだらだら眺めるのはやめてください。こまぎれの情報を追いかけてばかりいると、集中できなくなります。
マルチタスクではなくシングルタスクもおすすめです。脳が疲れていると、集中できないので、睡眠はしっかりとりましょう。