コーチも“口出し禁止”の1時間 鷹・藤本監督が設ける“自主練タイム”とその狙い
藤本監督が重視する「自分で考えてやる1時間が大事」
ソフトバンクは2日、宮崎春季キャンプ2日目を行った。キャンプ初日から若手が積極的なアピールを見せる中で、藤本博史監督は選手の自主性に任せた練習時間を設け、球団の課題となっている世代交代を推し進めるための“改革”第1弾に取り組んでいることを明らかにした。
全体練習が終わると、野手陣が1人、また1人と室内練習場へと入っていく。各々が自身の考え、意志のままに練習を行う時間。藤本監督は「(午後)5時からは選手の好きな時間に当てさせてくれ、とコーチに言っている。コーチが指導するのではなく、選手が自ら練習できるように、と」と、その狙いについて説明した。
ここ数年、特に野手の世代交代の必要性が叫ばれてきているソフトバンク。ベテランの松田宣浩は38歳、主砲の柳田悠岐も33歳になった。レギュラーで最も若いのは25歳の栗原陵矢だが、他の面々は30歳前後から30歳オーバーと“高齢化”が進んできている。若手の台頭を促すために、藤本監督が重視したのが、自ら考えて取り組む自主性だった。
5時から6時までの1時間はたとえコーチであっても“口出し禁止”。各自が行う練習を遠目に見守り、その時にコーチが見て感じたことのフィードバックは、翌日以降などに行うようにしているという。指揮官は「自分で考えてやる1時間が大事。コーチを捕まえてもいいんですよ、捕まえてティーを投げてくださいというのもいい。待機しているわけですから」と、選手個々が思うように時間を使ってほしいと言う。
「体が疲れていて帰るのもいい、感覚がよかったからもうちょっと打ってから帰ろうでもいい、悪かったからもう1回やろうでもいい。こういう気持ちが1番大事だと思うんです。続けていきたいし、浸透していけばいい」。2月28日までのキャンプ期間中は継続して、この“口出し禁止”の1時間を続けるつもりの藤本監督。ここから、新たなソフトバンクを担う若手が台頭してくることを期待したい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)