【インタビュー】岸田教団&THE明星ロケッツがアルバム『Super Pro Max Ti』をリリース! 実働半年の2021年を岸田&ichigoが振り返る
【詳細】他の写真はこちら
2021年12月22日にアルバム『Super Pro Max Ti』をリリースした岸田教団&THE明星ロケッツ。本作は久しぶりの新曲「TRIGGER」に加え、2021年10月に開催された<岸田教団&THE明星ロケッツ LIVE TOUR 2020“厳かに祭典”>のライブ音源が収録されている。ツアーのほか、4月にはライブハウスでの新曲公開レコーディング、10月にはベストアルバム『異世界転生したらベストアルバムでした。』をリリースした2021年を、メンバーの岸田とichigoに振り返ってもらった。
「いい加減ちゃんとする」いい流れに向かえた2021年
――まずは2021年を振り返っていただこうと思うのですが、今年はなんといっても10月に『異世界転生したらベストアルバムでした。』のリリースがあったというところが大きかったかなと。
岸田 今年の前半は、バンドとしてはほとんど何もしていなくて(笑)。
ichigo 4月のライブハウスレコーディングくらい?
岸田 そうそう。実働半年だから総括と言われても半分くらいしか振り返ることができないし、『転ベス』は大きいとも言えるんですけど、出てしまえば所詮ベスト盤ですから(笑)。
――とはいえ濃い2021年だったのかなとは思うのですが、いかがでしたか?
岸田 次の年に向けて、これから頑張る人たちが助走している感じ(笑)。助走感が半端ないです。
――ichigoさんはどうですか?
ichigo 私は完全に育児に追われていて、あっという間に時が過ぎましたね。でもそれで自分の可能性が広がったというか、「やれる……私も案外頑張れるやん!」と思いました。
――そういった意味でも、バンドとして次のフェーズに向かういい流れができた1年だったのかなと思います。
岸田 それに関しては本当にそうで。ただ、「いい加減ちゃんと(活動)する」と言ったほうがこのバンドらしさがあるかな(笑)。
ichigo ここ2年はコロナで色んなことが思うようにはできなかったので、来年はできる限り色々やってみたいなという気持ちがあります。この間も「来年は同人活動したいよね」っていうことを話していました。
岸田 コミケがないと人はやる気を失うんですよ。
――たしかに同人活動をする人にとってコミケの存在は大きいですね。今年の年末には本当にひさびさに開催されますし。
岸田 大きな声では言えないんですけど、自分たちで設定した締切より、コミケの締切のほうが大事なんですよ(笑)。だって俺の一存でコミケの日程は動かないんで。
ichigo はははは(笑)。
岸田 これまではコミケがあっての活動だったので、コミケがなくなるといまいちペースが掴めないというか。生き方を惑います。
――<岸田教団&THE明星ロケッツ LIVE TOUR 2020“厳かに祭典”>は、開催されましたが、歓声があった以前のライブと比べて、ステージに立ったときの感触に違いはありましたか?
岸田 演奏中の感触はそこまで変わらなかったですね。演奏しているときって自分たちの出す音が大きすぎるというのもありますが、ただ、MCでしゃべるときはさすがに違いを感じました。空気感が掴みづらいというのは、正直ありました。
ichigo 私はみんなに歌ってもらったりコミュニケーションを取ったりする楽曲をやるとき、染み付いているパフォーマンスをぐっと堪えないといけない場面がありましたね。でも、「私が歌うから任せとけ!!」っていう気持ちをみんなが受け取ってくれたので、それはよかったですし、こういうライブなりのエモさは感じました。
――サビのシンガロングのときにichogoさんが「任せて!」って言った「GATE 〜それは暁のように〜」は特にエモかったですね。
ichigo 絶対に今しか作れない空気感だなと思いました。
――僕はZeppの公演を観させていただいたのですが、先ほど岸田さんがおっしゃったように、ド頭から音がすごく大きくて銃撃戦でも起こったのかと思って(笑)。
岸田 基本的には、ドラムのみっちゃんを音を最大限活かすというのはありまして、そこに合わせて、ギターの音量も決まってくるのですが・・・このツアーのアクリルパネルで囲ったみっちゃんは、とにかくすごかったですね。あと、細かいところでも、だいぶよくなりましたね。みっちゃん、ドラムのセットを買うと音が悪くなっていくらしいんですよ。最初はきれいに伸びていたのにどんどん音が詰まってきて、気がついたら鳴らなくなってる。そういう現象が半年くらい経ったら起こるって言っていて、最近その原因がついにわかったんです。
――なんでしょう?
岸田 みっちゃんって常人の3倍の汗をかくから、金属パーツに汗が入り込んでパーツが錆びてしまうみたいで。「特にスネアがやばくて、タムとかは大丈夫」って言っていたんですけど、その理由も「体からの距離が遠いか近いか」。だから部品を全部外して錆びを取ってグリスを塗ったら直ったらしいんですよ(笑)。
ichigo たしかに、スネアは汗でびしゃびしゃになっとるんよね。
――10年以上活動してきてついに気づいた(笑)。
岸田 工場に持っていっても原因がわからなくて、結局部品の交換でしか対処できなかったですもん。「こんなに部品交換したら新品買うのと同じやんか!」ってくらい交換して。
ichigo そうだね(笑)。私も1つ気づいたことがあって。今回のステージから岸田にモニターの耳中を作ってもらったんです。今までは自分の声がうるさすぎて耳中が飽和して、聞こえにくいから声を出しちゃう、声を出すと力が入って体が固まって、声が悪くなったり詰まっちゃったりする、っていう悪循環になりがちだったんですけど、耳中の改善によって余計な力を入れずに歌うことができて。喉も疲れにくかったですし、力を抜いて歌うと声がもっと大きくなることがわかりました。
「今になって10年間ふわっとやってきたことによる恩恵を受けられました」(岸田)
――色んなものが改善されて、だんだんと達人の域に近づいていくような感じですね。
ichigo ロックバンドの達人ではありたいですね。キャリアを積んでこそ見せられるものがないと、若い人たちからところてんのように押し出されるばかりなので。40歳を目前にここ何年かは「こんなんじゃいつまでバンドができるかわからんな」と思っていたんですけど、今回のライブでいい力の入れ具合がわかったおかげで「まだまだいけるな」という気持ちになれましたし、効率がよくなりました。
――久しぶりにああいうザ・ライブというものをガツンと見せつけられたのは非常に良かったです。セットリスト的にもガンガン攻めていくと言いますか。
岸田 セットリストは、はやぴ〜さんが考えているのですが、はやぴ〜さんが言うには、セットリストにはちゃんとストーリーがあるらしいです。「普通に考えればわかるだろう」と思っているらしくて詳細を教えてくれないので、我々にはちょっとよくわかんないけど(笑)。やってみた結果でわかるみたいな。
ichigo (はやぴ〜以外は)誰もよくわかってないよね。説明してくれないとわかんないよ(笑)。
――序盤からガッと攻めていって、東方パート、アニソンパートがあって、という部分で、ブロックごとの見え方がそれぞれにありましたよ。
岸田 多分意識されていると思います。多分ね(笑)。
――多分(笑)。さて、アルバム1曲目には新曲「TRIGGER」が収録されていますね。こちらは4月に行われた「岸田さんがライブハウスでレコーディング」するから生まれたものですね。
岸田 そうですね。公開レコーディンの企画を提案されて、「ライブハウスでレコーディングするから曲を書いてください」って言われて「あっ、はい」って(笑)。ただ企画が決まってから書いているぶん、それに適したものを作っています。
――実際にレコーディングしてみて、いかがでしたか?
岸田 かなり実験的な感じでした。先にマイキングだけはしておきましたけど、マイキングをなぜこうしているかの説明と、イコライジングしたりコンプをかけたりをお客さんの前でしながらやっていって。当然、ステージの上でレコーディングしたことなんてないので、不都合が起きるんですよ。楽器の音とスピーカーから出る音が混ざるので、今の音がどうなっているのかわからないという(笑)。めちゃくちゃ大変でした。でも、家に帰ってレコーディングしたデータを開いたら、思っていたよりちゃんとしていて「やっぱ人間の勘ってすげーな」と思いました。
ichigo うち(バンド)のレコーディングは普段から全員揃わないので、ボーカルの私としてはなんの不都合もなく(笑)。いつも通りでした。ボーカル録りは、後日、さすがに公開レコーディングというわけにはいかないので、スタジオでのレコーディングです。レコーディング模様も、岸田とどういった録り方をしているかの話しなども撮影し、収録されています。
――こういった新しい試み、岸田さんとしてはまたやってみたいものなんでしょうか?
岸田 2回目をやっても面白みがないと思うので、それはないかもしれませんね。
――なるほど。これが1つの貴重な体験になったわけですね。2021年はこのアルバムと冬コミで終わり、2022年は2月から<岸田教団&THE明星ロケッツ LIVE TOUR 2022「異世界転生したらライブハウスでした。」>がスタート、そして3月には<岸田教団が東方アレンジだけするライブ vol.1>もあります。
岸田 “厳かに祭典”をいい感じに終われた流れでまたいいライブができそうなので、今のうちにやっておこう、みたいな(笑)。
――まさにPro Maxに近づいている。
岸田 Pro Maxに近づいてます。
――最後に2022年の抱負をいただけますか?
ichigo 今はコンディションがかなりいいので、これをキープしてまた何か新しいことができたらいいなと思っています。
岸田 コンディションが悪いときなんてあった?
ichigo あはははっ(笑)。あんまりないね。「腰が痛い」とかじゃない?
岸田 歌的なコンディションはいつも問題ないじゃん。
ichigo 喉が強いのか、歌い方が適しているのかはわからないけど、喉はあんまり壊さないんで。まあ、2022年は風邪をひかないようにします(笑)。
岸田 抱負かぁ……。うーん。2022年は復活するんでリバサで無敵になります(笑)。
INTERVIEW BY 澄川龍一 TEXT BY 友安美琴
●リリース情報
『Super Pro Max Ti』
12月22日発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
価格:¥3,850(税込)
品番:GNCA-1606
※三方背BOX、トールケース
【通常盤(CD)】
価格:¥3,300(税込)
品番:GNCA-1607
<CD>
1.TRIGGER
2.ナイトウォッチ
3.感情 in the black
4.ハンゲツトウゲ
5.ワールド・エンド・エコノミカ
6.夏色ストレート!
7. nameless story
8.ストライク・ザ・ブラッド
9.GATE 〜それは暁のように〜
10.HIGHSCHOOL OF THE DEAD
11.Reboot:RAVEN
12.LIVE MY LIFE
13.Hack&Slash
14.EGOISTIC HERO
15.星空ロジック
※M2〜M15は<岸田教団&THE明星ロケッツ LIVE TOUR 2020“厳かに祭典”>より
<Blu-ray>
「岸田教団&THE明星ロケッツ”TRIGGER”ワークショップ」ドキュメントムービー
●ライブ情報
岸田教団&THE明星ロケッツ LIVE TOUR 2022
「異世界転生したらライブハウスアルバムでした。」
2022年2月11日(金・祝) HEAVEN’S ROCK Utsunomiya(VJ-2)
スタンディング ¥4,950(税込)
2022年2月13日(日) 神戸VARIT.
スタンディング ¥4,950(税込)
2022年2月20日(日) 横浜BAY HALL
指定席 ¥5,450(税込) / 条件付き指定席 ¥5,450(税込)
2022年3月6日(日) 福岡DRUM Be-1
立ち位置指定 ¥4,950(税込)
「岸田教団が東方アレンジだけするライブ vol.1」
2022年3月27日(日) 新宿BLAZE
指定席 ¥5,450(税込)
関連リンク
岸田教団&THE明星ロケッツ 公式サイト
https://kisidakyoudan.jp
岸田教団&THE明星ロケッツ 公式Twitter
https://twitter.com/kisida_info
岸田教団&THE明星ロケッツ 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCl7OsED7y9eavZJbTGnK0xg