人気フードクリエイターが伝授!おいしそうなわっぱ弁当を作るコツは「色」にあり!

わっぱ弁当を上手に作るコツは?寺井幸也さんに聞きました

あけましておめでとうございます。macaroni編集部の植松です。

年のはじめという時期は、とかく新しいことをはじめたくなるものですね。自分を高めようと思ったり、去年を反省して改善を考えたり。例に漏れず、実は私も新しいことをはじめました。それは、お弁当作り。

昨年のエンゲル係数が想定よりもだいぶ大きなものだったので、以前義母からもらって仕舞い込んでいた曲げわっぱを活躍させて、食費を節約することにしたのです。ただ、慣れない作業のせいか、毎回の仕上がりがどうもいまいちで……。色が悪いというか、見た目が汚いというか……。加えて、思っていたより面倒で、いつまで続けられるか、正直心配です。

そこで、人気フードクリエイターで、自身のお店「YUKIYAMESHI(ユキヤメシ)」でわっぱ弁当を販売している寺井幸也さんに、上手においしそうなわっぱ弁当を作るコツを訊いてみました。

「余分な水分を上手く逃してくれて、冷めたごはんもおいしく食べられる曲げわっぱ。杉や檜など木の風合いが食材を引き立て、見た目にもおいしく感じられる気がします。

毎日お弁当を作ると、日々自分の食事を考え、調整や制限ができるので、外食やコンビニ食よりもヘルシー。健康や美容のためにいろいろお金を使うより、毎日の食事に自分のエネルギーを投資するほうが費用面でもお得です。負担を覚えず続けられるなら、これはとても良い食習慣ですね。

わっぱ弁当に限らず、お弁当全般に言えることですが……、色、旬、質感を意識すると、自然と見た目でもおいしさを表現できますよ」

“5色”を意識する

「お弁当を詰めるときは、“5色”を意識すると見た目が華やかになり、栄養面のバランスも取れるようになります。

色の組み合わせに迷うなら、まず1品をその時期もっともおいしい旬の食材にするだけで、一年を通してお弁当のマンネリ化を防げます。旬の食材は、たとえばスーパーなら、売り出しになっている棚に並んでいることが多いです。まずはそれを手に取って、その他のおかずの色味を考えると良いでしょう」

「どうしても色味が足りないときは、糸唐辛子やごま、ハーブ類のパウダーなどを活用して、色を加えるのがおすすめです」

“質感”のコントラストで美しいお弁当に

「5色にこだわらず、1色や2色の食材を、質感を変えて用意する方法もおすすめ。素材そのものの色を意識して食材をカットしたり調理したりするだけで、同じ食材を使っても見た目は大きく変わります。

地味な茶色のおかずばかりだったとしても、ゴツゴツした衣感の揚げ物や、艶やかな照り煮、しっとりしたしぐれ煮やそぼろなど、調理法・素材を工夫すれば、シンプルながら食欲をそそるお弁当に仕上がりますよ」

冷めてもおいしいおかずにしよう

「見た目以外の部分で、初心者にぜひ意識してほしいことがあります。それは、お弁当は冷めた状態で食べるということ。

お弁当箱に詰めたおかずは時間が経つと固くなったり、味が薄く感じたり、余分な水分が出てきたりします。つまり、冷めてもおいしいおかずを用意する、これが大切」

「肉や魚などのたんぱく質は冷めると固くなりやすいので、麹に漬けたり、使う部位を工夫したりすると良いでしょう。お弁当おかずの定番・揚げ物も、水分が多すぎる食材は避けたほうが無難です」

気負わずラクしよう!前日のおかずをお弁当に

「お弁当作りが面倒だという話がありましたが、すべてのおかずを一から用意するのが億劫だという人は、前日の食事のために作った料理を1~2口分取り分けておきましょう。

『一から作ろう!』と気負っていてはお弁当作りは続きません。気張らず、ふだんの食事の一環のなかにお弁当作りを組み込んで、余った食材を使い切ったり、使いまわしたりしてください。日々のことだからこそ、ムダを省こうという意識をもつべきです」

最後に……まずはお気に入りのお弁当箱を見つけよう

「これからお弁当作りをはじめるなら、まずは自分好みなお弁当箱を探してみてください。曲げわっぱに限らず、お気に入りの品があれば、日々のお弁当作りが俄然楽しくなるはずです。

忙しい日々のなかで“自分のために何かをする”時間はとても素敵ですね。先にも言いましたが、日頃の食事とお弁当作りを上手につなげて、負担なく続けられると良いと思います。続ければ続けるほどコツをつかんで、上達していけるはず。自分や家族を大切にするための習慣として、できるだけ楽しみながら、お弁当作りに取り組んでみてはいかがでしょうか」

寺井さんからコツと心得を聞いて、私も少しは映えるお弁当を詰められるような気がしてきました。これからは“5色”をそろえることと“質感”を意識して、お弁当作りに励みたいと思います。

そして、義母には悪いのですが、改めて、自分の気分が上がるような曲げわっぱを探してみるつもり。毎日のことですから、少しでもモチベーションを上げて取り組みたいですもんね!

文・撮影/植松富志男(macaroni編集部)