ふだん使いの食材で!簡単おいしい薬膳七草粥で正月明けの身体をリセット【お米の魅力、ご飯の味力vol.14】
身体にうれしい!森下流・薬膳七草粥
この時期のお粥といえば、食べ過ぎや飲み過ぎで疲れた胃腸を労わってくれる七草粥がお馴染みですね。ただ「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の春の七草を用意するのは意外と面倒です。
そこでふだん使いの食材で簡単に作れて、身体が喜ぶおいしいお粥を、薬膳料理人に教えてもらいました。
教えてくれた人
和学薬膳博士、予防医学食養生士、薬膳食療法専門指導士。“食と健康”をテーマにしたおいしい和薬膳料理で人気のお店「ソラマメ食堂」を営むかたわら、ワークショップなどを通じて薬膳の魅力を伝えることにも熱心に取り組んでいる。昨年6月に結婚、ご主人の東村恒人(ひがしむら つねと)さんと二人三脚で毎日、愛情あふれる料理を生み出している。
森下流・薬膳七草粥のレシピ
調理時間:20分
森下流・薬膳七草粥の狙いは、年末年始の慌ただしさで疲れた身体を労わり、冬の寒さに打ち勝つためのパワーを補給すること。そして、ふだん使いの食材でおうちで無理なく簡単に作れて楽しめる点が魅力です。
材料(1人前)
・米……50g(洗米をしておく、浸水は不要)
・水……700cc
・実山椒……5~10g
・よもぎ茶……3g
・かぶら……適量
・かいわれ大根……適量
・せり……適量
・クコの実……5~6粒
・松の実……5~6粒
・塩……適量
作り方
1. よもぎ茶をお茶袋に入れる
2. 実山椒は包丁の背などで叩いて細かくする
3. 鍋に水を入れて沸騰したら、1を加えて蓋をし、2~3分煮込む
4. よもぎ茶が色濃く出たらお茶袋を取り出す
5. お米と実山椒を入れる
6. 再び沸騰したら、鍋底からお米を剥がすようにかき混ぜる
7. そのまま中火で15分炊き込む(途中、ていねいにアクを取り除く)
8. 炊き込む間、蓋はしないでおく
※15分炊き込む(7・8)間に、以下(9~12)の作業をしておく
9. かぶらは皮を剥きサイコロ状に切る。葉はかいわれ大根とせりに合わせて5mm程度に切りそろえておく
10. かぶらを湯通しする
11. かぶらの葉、かいわれ大根、せりをまとめて湯通しする
12. 11を冷水でしめ、水気を切っておく
13. 炊き終えたら火を止め、塩で味を調える
14. 器に注ぐ
15. 10と12をトッピングする
16. 3分ほど湯に漬けてやわらかくしたクコの実と松の実をトッピングして完成
ふだん使いの食材で作る“冬のトラブル対策”お粥
「私たちの主食のごはん(お米)は身体のエネルギーチャージに最適です。よもぎ茶と実山椒は女性が悩まされる冷えの対策に有効ですし、野菜類は胃腸を守り、血の巡りも良くしてくれます。松の実は快適なお通じに役立ち、クコの実はスマホやパソコン疲れの目を労わってくれます。ふだん使いの食材でぜひ身体が喜ぶおいしいお粥を作ってみてくださいね」
森下さんならではの薬膳七草粥、身体にうれしい効能が満載ですね。せっかくの機会なので、この時期によくある身体のトラブル対策におすすめのお粥も3つ教えてもらいました。
1. 疲れた日はこの一杯!鶏ミンチと長芋のお粥
調理時間:20分
「心身の疲労回復に有効な鶏肉と長芋を使ったお粥です。特に長芋は身体にパワーを与えてくれるスーパーフードです。にんにくやこしょう、それにお酒は身体を温めてくれますし、ナツメは血を補い胃腸を守ってくれます。おいしく食べて疲れと寒さを吹き飛ばしましょう」
材料(1人前)
・米……50g(洗米をしておく、浸水は不要)
・水……500cc
・鶏ひき肉……50~60g
・長芋……50g
・三つ葉……適量
・にんにく……1片(潰しておく)
・ナツメ……1個(捻って味が染み出やすくしておく)
・粗挽きこしょう……適量
・日本酒……大さじ1杯
・塩……適量
作り方
1. 鍋に日本酒と鶏ひき肉を入れ、中火で酒炒りし、ほぐれたら水を加える
2. 1にお米を入れ、にんにくとナツメを加える
3. 沸騰したらごく弱火にし、鍋底からお米を剥がすようにかき混ぜる
4. 少し隙間を開けて蓋をし、30分炊き込む
5. 仕上がってきたら塩で味を調え、ナツメとにんにくを取り出し、すりおろした長芋を入れて3分中火で炊く
6. 火を止めて器に注ぎ、粗挽きこしょうをふりかけてナツメを戻し、三つ葉をトッピングして完成
2. 冷えがつらいときに!干しえびとニラのポカポカお粥
調理時間:20分
「冷え症で悩んでいる方におすすめのお粥です。干しえびとニラは身体を芯から温めてくれますし、しょうがやごま油にも温め効果があります。クルミは脳を活性化してくれますし、エイジングケアも期待できます。えびとニラ、そしてクルミはお互いの相性が抜群です。おいしく食べてしっかり温まってくださいね」
材料(1人前)
・米……50g(洗米をしておく、浸水は不要)
・水……500cc
・干しえび……10g
・ニラ……1/4束(粗めの小口切りにしておく)
・クルミ……3粒(細かく刻んでおく)
・しょうが……10g(薄細い千切りにしておく)
・太白ごま油……適量
・ごま油……適量
・塩……適量
作り方
1. 鍋に太白ごま油を入れ火にかけ、干しえびとしょうがを加えて香りが出る程度に炒める
2. 1に水を入れ、お米を加えて中火で炊く
3. 沸騰したら、ごく弱火にし鍋底からお米を剥がすようにかき混ぜる
4. 少し隙間を開けて蓋をし30分炊き込む
5. 仕上がってきたら塩で味を調え、ニラとクルミを入れ3分弱火のまま炊く
6. 器に注ぎ、ごま油を回しかけて完成
3. 二日酔いの朝に!しじみと梅干しのスッキリお粥
調理時間:20分
「ついつい飲み過ぎてしまう年始にぴったりなお粥です。しじみはアルコールで弱った肝臓を労わり、むくみを防いでくれます。梅干しは身体に溜まった毒素の排出を促し、大葉はさわやかな香りで気分をスッキリしてくれます。しっかり食べれば二日酔いから立ち直れますよ」
材料(1人前)
・米……50g(洗米をしておく、浸水は不要)
・水……800cc
・昆布……5g
・しじみ……10g(殻をきれいに洗っておく)
・梅干し……1個
・大葉……1~2枚
作り方
1. 鍋に水と昆布を入れて火にかけ、70℃くらいで昆布を取り出し、沸騰させる
2. 1にしじみを入れ、もう一度沸騰させてから弱めの中火にし、少し隙間を開けて蓋をし、2~3分炊く
3. しじみの味がしっかり出たらしじみを取り出し、お米と梅干しを加え、強めの中火で15分炊く(途中、ていねいにアクを取り除く)
4. しじみの身は殻から外し、トッピング用にする
5. 仕上がったら火を止めて器に注ぎ、4と大葉をトッピングして完成
作りやすいおいしいお粥で2022年も元気に過ごしましょう
薬膳料理人のアイデア満載の身体を労わるお粥レシピ、いかがでしたか。森下さんに教えてもらったお粥はどれもがふだん使いの食材で簡単に作れます。身体が喜ぶおいしいお粥を食べて、2022年も元気に過ごしたいですね。
取材協力
店舗名:日本酒と和薬膳 ソラマメ食堂
電話番号:06-6755-4460
最寄駅:大阪メトロ各線南森町駅 徒歩約5分JR東西線大阪天満宮前駅 徒歩約5分
郵便番号:530-0047
住所:大阪府大阪市北区西天満5ー11-3 河合ビル103
市区町村:大阪市北区
町域:西天満5ー11-3 河合ビル103
営業時間:ランチ11:30~14:00 火曜~金曜(売切れ次第終了)ディナー17:30~22:30
定休日:日曜・月曜