FBIが内部で使用していた「各メッセージアプリに要求できるデータのリスト」がインターネット上に公開されました。公開されたリストの対象アプリには日本で広く利用されているLINEも含まれており、FBIがLINEから入手できる個人情報の内容が分かる内容となっています。

Document Detail - Property of the People

https://propertyofthepeople.org/document-detail/?doc-id=21114562

FBI Document Says the Feds Can Get Your WhatsApp Data -- in Real Time - Rolling Stone

https://www.rollingstone.com/politics/politics-features/whatsapp-imessage-facebook-apple-fbi-privacy-1261816/

公開されたリストは、ニュースサイトのRolling Stoneと非営利団体のProperty of the Peopleが入手したFBIの内部文書で、iMessage・LINE・Signal・Telegram・Threema・Vibeer・WeChat・Wickrといった9種類のメッセージアプリから合法的に得られる情報の種類がまとめられています。また、リストの上部には「合法的なアクセス方法(LAWFUL ACCESS)」と記されています。



リストによると、FBIがLINEから入手できる情報は以下の通り。FBIが捜査令状を取得し、ユーザーがエンドツーエンド暗号化を有効化していない場合は、「最大7日分のメッセージ」が取得可能とのこと。ただし、「写真」「ムービー」「位置情報」などの情報は取得できないとされています。また、事件の容疑者または被害者の場合「プロフィール画像」「表示名」「メールアドレス」「電話番号」「LINEのID」「その他の登録情報」を入手できるとされています。



Appleが提供するメッセージアプリのiMessageを利用している場合は、LINEよりも多くの情報を入手される可能性があります。リストによると、FBIは裁判所からの許可を得ることで基本的なユーザー情報に加えて「iMessageサービス全体で対象ユーザーについて行われた検索情報」をAppleから入手できるとのこと。加えて対象ユーザーがiMessageのデータをiCloudにバックアップしている場合は、「iMessageで送受信されたメッセージ」を含む対象ユーザーのバックアップデータへのアクセスをAppleに要求できるとされています。



上記のようにLINEやiMessageからは多くの情報を入手できますが、一方でFBIが情報を入手するのが困難なメッセージアプリも存在します。例えば、プライバシー性能をアピールするSignalはユーザーの登録日時と最後のログイン日時しか提供しないとされています。



リストを入手したProperty of the Peopleの業務執行取締役を務めるライアン・シャピロ氏は「プライバシーは民主主義にとって不可欠です。FBIが私たちの情報を監視し、私たちの日常生活の詳細を容易に掘り起こせる現状は、私たち全員を脅かし、権威主義的な支配への道を開きます」と述べています。