エンゼルスの大谷翔平【写真:AP】

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「ハンク・アーロン賞」最終候補に入った大谷翔平、米記者が推薦

 米大リーグ・エンゼルス大谷翔平投手は、傑出した打者に贈られる「ハンク・アーロン賞」の最終候補7人に入っている中、米記者が受賞を後押しする「3つの理由」を紹介している。

 各リーグで傑出した打者をファン投票などで選ぶ同賞。大谷はア・リーグの7人に選ばれており、投手としてノミネートされたのは初めてだった。受賞すれば1999年の同賞創設以降初の快挙。過去にはサミー・ソーサ、バリー・ボンズなどレジェンドが名を連ね、日本人はいない。

 今季は打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁。米スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」などに寄稿するエバン・デサイ記者が、「ショウヘイ・オオタニがハンク・アーロン賞受賞に値する3つの理由」と題した大谷の記事を執筆した。米スポーツメディア「ファンサイデッド」に掲載。1つ目に「理由1.打者としての多才さ」を挙げ、こう説明している。

「これだけの本塁打を打って、これだけの打点をあげ、リーグ最多の三塁打を記録することなんで誰ができる?」

 続けて同記者は「理由2.ア・リーグ最速のベースランナー」とし、「誰が単打から二盗を決める? 誰が本盗できるだろうか?」と投げかけた。8月31日の本拠地ヤンキース戦でホームスチールに成功。飛び抜けた実力が評価された。さらに「理由3.エンゼルスのラインナップが酷い時でも彼はかっ飛ばす」と3つ目の理由を説明している。

米記者はチーム事情を指摘「大谷の成績が落ちたのは偶然ではない」

「ショウヘイ・オオタニはエンゼルスからラインナップの面で助けられることはなかった。マイク・トラウト、アンソニー・レンドン、ジャスティン・アップトンの全員が負傷した。オオタニの数字はシーズン終盤に向けて少し落ちたのは、彼の後ろの打者が離脱していったことと重なるのは偶然ではない」

 打線では主砲の同僚たちが離脱したことで、大谷に対する相手の攻めも厳しくなったことを指摘。「オオタニの次の打者が酷かったため、相手は彼を歩かせ始めた。バリー・ボンズの待遇を受けたが、それより悪かった」「最後の3試合で彼は11度歩いた。ボンズですらそれには及ばない。その期間、オオタニは3試合連続で3四球を受けた。ボンズ以来のことだ」と四球が増えたことにも触れた。

「それらの四球が彼の数字を向上するのを妨げたものの、それでも長打率とOPSではア・リーグ2位、本塁打数で3位になった」「(ハンク・アーロン賞候補者の中で)誰もオオタニのようにラインナップ面で負担を掛けられてはいない」

 48本塁打でタイトルを分け合ったロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手とブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.内野手も候補入り。それでも、同記者は大谷を「最強打者賞」に推している。(THE ANSWER編集部)