三鈴が入居していたビル

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 (株)三鈴(TDB企業コード:982017781、資本金5000万円、東京都品川区西五反田7-22-17、代表大島宏史氏ほか1名)は、9月30日までに事後処理を小島啓弁護士(東京都千代田区内幸町2-1-4、三宅坂総合法律事務所、電話03-3500-2793)へ一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1963年(昭和38年)11月に創業、70年(昭和45年)3月に法人改組。20〜30代前半の女性をターゲットとした婦人服・服飾雑貨の企画、製造及び販売を手がけ、トップス、アウター、ボトムス、スカート、ワンピース、バッグなど幅広い製品を自社ブランドで取り扱い、「Rew de Rew(ルゥデルゥ)」19店舗、「LD prime(エルディープライム)」3店舗、「DADA(ダダ)」5店舗(内1店舗は期間限定店)の計27店舗を運営していた(2021年7月時点)。 
 また、近年は自社オンラインショップ「Platinum Label」を中心にEC事業も手がけ、2020年10月には雑貨ブランド「ZOYA」を立ち上げていた。業績のピークとなる97年3月期には年売上高約142億3300万円を計上していた。

 しかし、アパレル不況下で業容は年々縮小を余儀なくされ、2008年10月に4℃グループ傘下に入ったのを皮切りに、2016年4月にはRIZAPグループ、2020年3月には東証マザーズ上場のITbookホールディングスと親会社が次々に代わる事態となった。この間、赤字店舗や不採算事業の整理、親会社のIT技術を活用したEC販売の強化など事業構造改革に努めたものの奏功せず、2020年3月期の年売上高は約25億円にとどまっていた。
 コロナ禍もあって2021年3月期の年売上高は約9億8900万円と一段と落ち込み、債務超過に転落。今年8月にはIT企業の子会社となっていたが、今回の事態となった。

 負債は2021年3月期末時点で約6億6000万円。