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 コンビニスイーツの代表格といえば、やっぱりプリンではないでしょうか。美味しいのは言うに及ばず、ツルンと食べられてお腹に負担もかからないし、主原料の卵と牛乳によりたんぱく質も豊富。シンプルながらなんとも安心感のあるスイーツで、筆者もよく買います。ちなみに筆者が好きなのは、王道かつベーシックな昔ながらの美味しいプリンです。

 しかし、コンビニのオリジナルプリンは日進月歩。新作が次々と登場します。今は、ふわとろプリンからレトロな硬めプリン、さらにはパフェのようなデラックスなタイプもあって、まさにプリン戦国時代の様相を呈しています。

 ただし、筆者もそうですが、プリンは適当なコンビニで買って一個しか食べない、という人がほとんどだと思います。一体どこのコンビニのプリンが一番美味しいのか気になる…ということで、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップで、いま(9月上旬)売っているコンビニプリンを一気に買ってきて食べ比べてみました。

百花繚乱のプリンを総まくり!

全9種類。まさかこんなにあるとは…

 そんなわけで、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップを回って、プリンを買いまくり。その数9種類。予想より多い…。まずは商品名と数字的なデータを表にまとめたのでご確認ください。

9月上旬の各コンビニに売られていたものを購入してきました

 まず驚いたことに、各社2種類以上のオリジナルプリンを販売しているんですね。それだけプリンは人気ということでしょう。さらに商品名をよく見ると、共通するいくつかのキーワードがあります。 “とろける”、“レトロ”、“昔ながら”、そして“スフレ”です。

 例えば“スフレ”に注目。ファミリーマートの「ふわしゅわスフレプリン」(278円)は、プリンの上にスフレをのせたスイーツで、2018年に登場するやいなや大ヒットを記録したプリンです。その形状に似たタイプがミニストップの「チーズスフレプリン」(275円)です。どちらが美味しいか非常に気になるところではありますが、これらは一般的なプリンとは違うデラックスタイプなので、最後に番外編として紹介します。

コンビニによって、色も大きさも千差万別

 まず、フタを開けて並べてみると、限りなく白に近いものから濃い黄色のものまで、色味がまったく違うことがわかると思います。とくに四角くて茶色い左上のものは、セブンイレブンの「特濃卵のレトロプリン」(224円)です。

 また、右上のカップに入った茶色いプリンは、ローソンの「くず粉プリン 特濃ミルク」で、きな粉の色です。プリンと名前がついていますが、卵は使っておらず、ミルクとくず粉でできているとわかったので、せっかく買いましたが、今回は選外としました。

とにかく黄色味が強いプリン対決

黄色が濃いセブンの「窯焼きとろ生カスタードプリン」は、表面が薄焼き卵のように膜になっている

 まずは、プリンの色の濃さに注目してみます。ひときわ黄色いのがセブンの「窯焼きとろ生カスタードプリン」(192円)。表面は薄焼き卵のようになっています。

 その次に濃いのは、同じくセブンの「きみだけのプリン」(193円)です。こちらは卵黄とミルクだけで作ったプリン。どちらもセブンイレブンが出しているのも面白いところです。

セブンイレブンの「きみだけのプリン」は、卵黄とミルクで作っているそうです

 色の濃さから、味わいも濃厚な卵のコクを期待しますよね。実際、どちらも卵感が強くてまろやかなのですが、コクでいうと、「きみだけのプリン」のほうが濃厚。ただし食感がちょっと違って、「窯焼きとろ生カスタードプリン」は、表面はパリッとしていますが、下部はとろとろ。一方、「きみだけのプリン」は、それに比べると全体的に硬めです。

 王道のプリンが好きな筆者としては「きみだけのプリン」のほうが、ベーシックで真面目な美味しさをしっかり感じられて高評価。しかもカロリーが139kcalと、今回買ったプリン中、ダントツでヘルシーなのも嬉しいところです。

ふわとろ&なめらかプリン対決

左がファミリーマートの「窯出しとろけるプリン」(149円)。右はミニストップの「とろけるカスタードプリン」(150円)

 続いてふわとろ対決。エントリーしたのはファミリーマートの「窯出しとろけるプリン」(149円)とミニストップの「とろけるカスタードプリン」(150円)。プリンのカップを持ち左右に揺らすと、中のプリンがふるふると揺れます。つまり、平成時代に一世を風靡したなめらかでゆるい食感にこだわるプリンです。

 この2つ、見た目もとてもよく似ています。スプーンですくうと液状に近くなる、まさにとろとろ&半生タイプですが、ふわとろ度が高いのは、ファミリーマートの「窯出しとろけるプリン」でした。

 食べてみると、なめらかで舌の上でとろけていく感じは一緒。ただ、ファミマの「窯出しとろけるプリン」のほうがコクが濃厚。それに比べるとミニストップの「とろけるカスタードプリン」はやや薄めで、水っぽさも感じました。

 ほんのちょっとの差なのですが、こういうのは比較して初めてわかることですね。というわけで味わい的にはファミマに軍配。ただし、カロリーはファミマが209kcalあるのに対し、ミニストップは172kcal。ダイエット中ならミニストップのほうが吉です。

人気の硬めプリン対決

硬めプリンたちはスプーンですくっても、形がはっきり残る

 続いて硬めのプリン対決です。先ほどのふるふるなめらかプリンとは対象的に、プリン自体がかっちりしているタイプ。人気再燃中の昭和系プリンの流れを組むやつです。これは2つありました。セブンイレブンの「濃厚卵のレトロプリン」(224円)とローソンの「昔ながらのカスタードプリン」(185円)です。

 セブンの「レトロプリン」は、卵豆腐や絹ごし豆腐よりも硬く、木綿豆腐に近い密度の高さ。「昔のプリンってこんなに硬かったっけ?」と思ってしまうほど硬く、イタリアンプリンに近い。しかも下にスポンジ生地が敷かれており、「昔のプリンはスポンジが入ってたっけ?」と、疑問符がダブルでついてしまいました。うーん、硬いのはいいとしても、プリンにスポンジはいらない気がします。

 一方、ローソンの「昔ながらのカスタードプリン」は、セブンほど硬くありませんが、全体の中では群を抜いてしっかりした食感で、とろとろ半生とは一線を画します。口の中で上顎と舌で挟むと、まさに「プリン!」とした弾力があり、筆者が思うプリンらしさが感じられて美味しかったです。

最終結論! 最強に美味しいプリンはどれ?

ローソンの「昔ながらのカスタードプリン」(185円)。スプーンですくってもしっかり形状維持。カラメルソースは優しい味わい

 最近のプリンの傾向として、なめらかタイプと硬めのレトロタイプの二極化が進んでおり、人によってそれぞれ好みがあると思います。筆者の場合、冒頭でも述べたとおり、プリンといえば、やはり卵と牛乳を生かしたまろやかで適度に硬めの王道タイプが好み。もちろん、カラメルソースとプリンの馴染み具合も大事です。

 そう考えていくと、最近スイーツの美味しさに定評のあるセブンが結局は美味しいんでしょ? などと思っていたのですが…。違いました。

 最強のプリンは、ダントツでローソンの「昔ながらのカスタードプリン」(185円)。絶妙な硬さ、そしてまろやかなコク、さらにカラメルソースの優しい味わいも◎。パッケージは地味ですが、これが群を抜いて美味しいと思いました。みなさんもぜひ食べてみてください。王道系が好きな人はきっと気にいると思いますよ。

 最後に、番外編としてスフレプリンも見ていきましょう。

【番外編】スフレプリンはどっちが美味しい?

左がファミリーマートの「ふわしゅわスフレプリン」(285円)、右がミニストップの「チーズスフレプリン」

 スフレプリンは、ファミマとミニストップの対決です。もともとはファミマが出してヒットした商品ですが、どちらもプリンの上にクリーム、その上にチーズスフレという構成になっています。

 まずはスフレの食感。ファミマはふわふわできめが細かく繊細です。一方、ミニストップのスフレは少し密度が高めでやや硬めで粗い感じ。味わいも、ファミマのほうがチーズの味が濃厚。つまり、スフレ自体は断然ファミマが美味しいです。

左がファミマ、右がミニストップ

 続いて下にある生クリーム。これは、味に大差がありませんが、ミニストップのほうが量が多め。そして肝心の土台のプリン。食感は、ファミマがとろとろなめらか系、ミニストップは、少しぷるんとした硬めのプリンです。

 総合的に評価すると、全体的なバランスからして、ファミリーマートの「ふわしゅわスフレプリン」のほうに分があります。半生のとろけるプリンと生クリーム、スフレの繊細なふわしゅわ感といったすべての要素に一体感があって、完成度高し。

 というわけで、コンビニ4社のプリン食べ比べレポートでした。

(撮影・文◎土原亜子)