北欧デザインはシンプルでカラフルでオシャレで、日本でも大人気ですね。なかでも、マリメッコはその代表格と言っても過言ではありません。今年70周年を迎えるマリメッコのかわいさを、北欧ライフスタイルに詳しいルミコ・ハーモニーさんがご紹介します。

祝70周年。マリメッコの人気の柄とアイテム




<Unikko(ウニッコ/ケシの花)柄 リネン>

●マリメッコとは?



Marimekko(マリメッコ)は1951年より続く、フィンランドのデザインハウスブランドです。目にするだけで力が湧くような大胆なプリントと色使いで、生活をオシャレに彩ってくれると大人気。
フィンランド語でmekko(メッコ)はワンピースの意味です。マリは人の名前なので、マリメッコとは「マリのワンピース」という意味合いです。


<Unikko(ウニッコ/ケシの花)柄 マグカップ>

なかでも有名なデザインは、この花柄のUnikko(ウニッコ)です。Unikkoはフィンランド語でポピーという意味です。フィンエアーの機体にもプリントされたりもしています。


<Unikko(ウニッコ/ケシの花)柄 マグカップ/Kaksoset(カクソセット/双子)柄 奥マグカップ>

アニバーサリーを記念して登場したUnikko(ウニッコ/ケシの花)柄マグカップセットも登場。
大好評販売中のブラック×ホワイトに加え、レッド×ピンクが登場してますよ。

●デザインにそれぞれ込められたストーリー




<Silkkikuikka(シルッキクイッカ/カンムリカイツブリ)柄  ファブリック>

犬がのぞいているカーテンのデザインは、Silkkikuikka(シルッキクイッカ)という名前で、「カンムリカイツブリ」という水鳥の意味です。水鳥が降り立つ湖の水面を思わせるフリーハンドで描かれたような波のデザインです。

大小合わせて18万個の湖がある国と言われるフィンランドでは、湖はとても身近な存在。北欧は自然享受権といってだれしもが自然を楽しむ権利が認められており、サウナの後に湖に飛び込んだりして楽しむことができます。


<Marikylä(マリキュラ/マリ村)柄 ファブリック/Marikylalaiset by Jenni Tuominen:マリメッコ創設者アルミ・ラティアが構想した理想郷Marikylaに住む個性豊かな村人たちをイメージして、Jenni Tuominen(イェンニ・トゥオミネン)が3種類のキャラクターをデザイン 手前置物>

こちらは、Marikyllä(マリキュラ)という名前で「マリ村」という意味です。花畑でゆっくり過ごしていると馬がやってきて、お友達と丘の上でピクニック。たくさんの愛と幸せがつまった「マリ村」が描かれています。
幸せとは、居場所があること、温もりを感じること、寄り添う仲間がいること、愛すること、思いやること、そしてありのままの自分でいること。そのすべてが幸せということです。


<Karhuemo(カルフエモ/母熊)柄 手前マグカップ/Joonas(ヨーナス/男性の名前)柄 マグカップ蓋/RASYMATTO(ラシィマット/ぼろぼろのラグ) ボール>

2021年スプリングコレクションで描かれた植物柄に熊の親子が描かれたデザインKarhuemo(カルフエモ/母熊)柄。オリジナルのスケッチに描かれた花や葉っぱの中に熊の親子が描かれています。けたたましい足音とともに疾走する母親熊、そして地面をみつめながら立ち上がろうとする小熊が見てとれます。
フィンランド人にとって熊は神聖なもので森の王様のような存在だったりもします。熊の呼び名は、カルフをはじめとして20種類以上もあるそうですよ。

●なによりも女性が主役



また、マリメッコというブランドが特異な性格をもっているのは、なにより女性が主役という点にあります。マイヤ・イソラからマイヤ・ロウエカリまで歴代のスターデザイナーはみな女性。創業者のアルミ・ラティア、前CEOのキルスティ・パーッカネンと、経営者として伝説的な辣腕をふるったのもことごとく女性でした。

「マリのドレス」というブランド名が示すように、マリメッコは立ち上げ当初から「自立した女性の魅力」をテーマにしていて、それをちゃんと女性の力でつくっていることに大きな個性があります。ジェンダーギャップがまだまだ激しいと日本は指摘されていますが、ロールモデルとしても参考になりますね。

自然や抽象的な概念をモチーフに、大胆な色使いと絵柄でありながら、圧倒的なその存在感で雰囲気をオシャレにまとめてくれるマリメッコのデザイン、いかがでしたでしょうか? 長くて暗くて寒い冬がある北欧ならではの、おうち時間を演出するために考え抜かれたデザインは今マストバイですね。

<取材・文/ルミコ・ハーモニー>