FATEの本社ショールーム(帝国データバンク撮影)

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 (株)FATE(TDB企業コード:053001411、資本金4800万円、宝塚市山本野里1−1−51、代表川谷朋寛氏)は、6月11日までに実質的な営業活動を停止し、事後処理を河端亨弁護士(神戸市中央区楠町2−2−6 クスノキ壱番館2階、大倉山法律事務所、電話078-361-3456)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、2007年(平成19年)12月創業、2010年(平成22年)9月に(株)ティーロードの商号で法人改組した自動車販売業者で、2013年11月に現商号へ変更。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどの輸入車や国産スポーツカーなどの中古自動車を中心に新車も取り扱い、付随する塗装、板金、車検、保険代理業務などのほか、コンビニエンスストアのフランチャイズ店を2店舗展開していた。

 自動車販売事業に関しては、兵庫・大阪両府県の一般ユーザーを主要顧客としていたが、近時はインターネットサイトや自動車雑誌などからの照会もあって商圏は全国に及び、各地の整備工場と提携することでアフターサービスを展開。2018年9月にはショールームを備えた現本店へ移転し、展示販売を開始したことで業容を拡大、2015年8月期に約5億1200万円だった年売上高を2019年8月期には約48億4600万円にまで伸ばしていた。

 しかし、現本店取得資金に加え、ユーザーからの自動車買い取りを含む仕入れの拡大から運転資金が増加し、有利子負債が膨らむなか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響で来店客数が減少。2020年8月期は減収へと転じていた。

 さらに、2021年に入り、一部で不適切な会計処理を行っていたことが発覚し、2月までに代表者を除く役員全員が辞任。翌3月には取引金融機関に対して返済猶予を要請していたものの、協議は難航していた。従業員の退職が相次ぐなど動向が注目されていたところ手元資金が底をつき、今回の事態となった。

 負債は、2020年8月期末時点で約29億円。