イタリアでぐんぐん評価を高めている冨安。その市場価値は30億円を超えているという。 (C) Getty Images

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 インターナショナルウィークも終わり、セリエAは4月3日に再開する。冨安健洋が所属するボローニャは、ホームに首位インテルを迎える大一番だ。
 
 日本代表戦で帰国していた冨安だが、ビッグマッチでももちろん先発出場が予想されている。シニシャ・ミハイロビッチ監督のチームにおいて、冨安はすでに必要不可欠な存在だ。

 イタリア紙『Corriere dello Sport』は2日、「トミヤスは2500万ユーロ以上の価値」との見出しで、日本代表DFの市場価値は約31億3000万円超だと報じた。

 今シーズンの冨安は本職のCBにコンバートされたが、昨年末から主戦場を再びサイドに戻した。特に右SBとして高く評価されているが、ミハイロビッチは最終ラインのあらゆるポジションをこなせる万能性に賛辞を寄せている。

『Corriere dello Sport』紙は「その無限のポテンシャルから、イタリアのあらゆるビッグクラブが注目したのは不可避だった。プレミアの複数の重要なクラブにとっても同じだ」と伝えた。

「だが、真の宝石を手中にしていることをよく分かっているボローニャが、トミヤスを手放すのは、彼の真の価値にとことん見合った正しい金額の場合だけだ。それはまた、(技術部門幹部の)ワルテル・サバティーニとリッカルド・ビゴンは、ただ利ざやを得られるというだけで手放すのは大罪ですらあると分かっているからでもある」

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 守備の国イタリアで飛躍を続ける冨安だが、加入2年目でゴールも3得点挙げている。昨季のミラン戦では、ペナルティーエリア外から左足で強烈な一発を叩きこんだ。今季のアタランタ戦では、飛び出してきたGKを越える巧みなループシュートを決めている。

これらのゴールを「DFというより質の高いプレーをつくり出せるMFらしい」と評した同紙は、「ボローニャはまだ正式に評価額を出していない」と報道。そのうえで、「だが2500万ユーロ以下にならないことは確実」と伝えた。

 冨安がその市場価値を高め続けている理由のひとつは、22歳と若く、さらなる伸びしろがあるからだ。ミハイロビッチはしばしば、日本人である冨安に「狡猾さ」が足りないと指摘している。

 だが、記事は「監督も時に指摘したように、マークが甘すぎるときや、もっと狡猾さが必要なときもある」としつつ、さらなる成長に太鼓判を押した。

「だが、トミヤスがより『イタリア的』に、もっと決定的な存在となるのは時間の問題でしかない」

 シーズン後の去就が注目される冨安だが、まずは今シーズンの残り試合に集中しなければならない。ロメル・ルカクらを筆頭に、リーグ最多得点を挙げているインテル攻撃陣を抑えることができれば、冨安の価値はまたさらに上がるはずだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部