「人知れぬ状況への転落」 香川真司、欧州での“波乱万丈”なキャリアに英紙注目
マンU退団後は本来の輝きを放てず、今年1月にギリシャ1部PAOKへ移籍
ギリシャ1部PAOKのMF香川真司はドイツの強豪ドルトムントで欧州でのキャリアを切り開き、名門マンチェスター・ユナイテッドへ引き抜かれるなど成功を収めた。
その後にトルコやスペインを渡り歩いた波乱万丈なキャリアを、英紙「デイリー・スター」が「奇妙なケース」と回想している。
3月17日に32歳の誕生日を迎えた香川。2019年3月以来2年にわたって代表から遠ざかっているとはいえ、日本人選手として欧州で最も成功した選手の一人だ。2010年に加入したドルトムントでブンデスリーガ2連覇に貢献し、12年に引き抜かれたマンチェスター・ユナイテッドでもプレミア制覇を経験している。
しかし、ユナイテッドではアレックス・ファーガソン元監督の引退が転機となり、後任のデイビッド・モイーズ(現ウェストハム)やルイス・ファン・ハールの下では出番を減らした。
14年にドルトムントへ復帰してからはユルゲン・クロップ監督やトーマス・トゥヘル監督の下で再びキーマンとして活躍したが、18年に就任したルシアン・ファブレ監督の就任後はレギュラーに入れず、出番を求めてチームを去ることを決断。
19年1月からトルコのベジクタシュ、同年夏にスペイン2部にレアル・サラゴサと渡り歩いたが、インパクトは残せず。20年10月にサラゴサを退団して約3カ月間無所属となった後、今年1月にギリシャのPAOKと契約した。日本からスタートし、ドイツ、イングランド、トルコ、スペインに続いてこれが6カ国目のリーグとなる。
成功と苦悩とを行き来する壮絶なキャリアを過ごしている香川について、英紙「デイリー・スター」は「香川真司の奇妙なケースと、マンチェスター・ユナイテッドのヒーローから人知れぬ状況への転落」との見出しで特集。これまでの経歴が紹介され、そのなかでもイングランドでのプレーした時期については「マンチェスター・ユナイテッドのファンは最高の香川真司を見ることはできなかった」と振り返っている。
同紙は「香川のキャリアは思うように進んではいないが、31歳(実際は32歳)の彼にはまだ時間があり、3カ国目のリーグタイトル獲得を目指している」と香川の再起に期待を寄せている。イングランドを去ってからすでに7年近くが経過したが、名門ユナイテッドでプレーした男の動向は今でも注目のトピックとなっているようだ。(Football ZONE web編集部)