大阪ふぐ文化の危機、10店舗以上を運営していたふぐ料理店が破産
宴会・インバウンド・鍋需要が消失、協力金6万円では採算とれず
2月17日に事業を停止していた(株)海山御坊(TDB企業コード:570380938、資本金5000万円、藤井寺市藤井寺1−19−5信光プラザビル306号、代表山形圭史氏)は、3月5日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。破産管財人には今枝史絵弁護士(大阪市中央区南船場4-3-11大阪豊田ビル、弁護士法人御堂筋法律事務所、電話06-6251-7266)が選任されている。
しかし、2020年に入り新型コロナウイルスの感染拡大を受けて宴会、インバウンド、鍋需要が消失し、冬場の繁忙期にも関わらず来店客が激減。2020年3月期の年売上高は約7億5400万円にまで落ち込み、約2900万円の大幅な赤字計上を余儀なくされていた。
同年3月にはロイヤリティなどの負担を減らすため東証2部上場のふぐ料理店とのFC契約を解約。独自ブランドの「戴天ふぐ」として運営し、不採算店舗の閉鎖を進めるほか、GoToキャンペーン需要の取り込みを行っていた。同時に金融機関へリスケを要請し、中小企業再生支援協議会の「新型コロナ特例リスケ」計画策定支援を受け再建に努めていたものの、第3波の到来で今年の冬場の集客見込みも立たないことから、今回の措置となった。
負債は2020年3月期末時点で約6億4300万円。
昨年9月には新世界の老舗「づぼらや」が閉店するなど、有名ふぐ料理店の閉店が相次いでおり、大阪の食文化が危機にさらされている。