英ベッドフォードで行われた退役軍人トム・ムーアさんの葬儀で、ひつぎを運ぶ陸軍ヨークシャー連隊の兵士ら(2021年2月27日撮影)。(c)Joe Giddens / POOL / AFP

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【AFP=時事】新型コロナウイルスの流行下で医療従事者のために多額の寄付を集めて世界的な英雄となり、同ウイルスに感染して亡くなった英退役軍人のトム・ムーア(Tom Moore)さん(100)の葬儀が27日、執り行われ、その様子がテレビで放送された。

 葬儀はイングランド中部ベッドフォード(Bedford)の火葬場で、ムーアさんの家族により小さな規模で行われた。

 英国旗に包まれたひつぎの上にはムーアさんの制帽と剣がのせられ、第2次世界大戦(World War II)中にムーアさんが所属した部隊の後身、英陸軍ヨークシャー連隊(Yorkshire Regiment)の兵士6人が、これを運んだ。

 近くの英空軍基地から第2次世界大戦時の航空機が火葬場上空を飛行し、兵士14人が弔銃を発射した。その後、葬送のラッパが鳴り響くと、1分間の黙とうがささげられた。

 肺炎の治療を受けたムーアさんは新型コロナウイルスの検査で陽性と判定され、今月2日に亡くなった。

 昨年4月には、自身の100歳の誕生日を前に、医療従事者らのために寄付を募ろうと自宅の庭を100往復し、3300万ポンド(約49億円)近くを集めた。

 勲章付きのブレザーにレジメンタルタイ姿のムーアさんが、前かがみになりながらも歩行器を使って軽快に歩く姿は、暗い世の中では希少な明るいニュースとなった。

 昨年夏にはエリザベス女王(Queen Elizabeth II)からナイトの爵位を授与され、葬儀が行われた27日には、ムーアさんの出生地であるイングランド北部ヨークシャー(Yorkshire)のキースリー(Keighley)にある戦没者記念碑に、女王からの花輪がささげられた。

 葬儀は遺族の希望と新型コロナウイルス対策の規制に基づいて、親族のみで行われ、娘2人、孫4人、義理の息子らが参列した。遺族が用意したオンライン記帳には、数千件のメッセージが寄せられた。

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