医療法人社団医創会(TDB企業コード:960255427、東京都千代田区有楽町2-7-1、理事長矢崎雄一郎氏)は、12月21日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日監督命令を受け、同月28日に同地裁より再生手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は片山敦朗弁護士(東京都千代田区霞が関3-2-6、奥・片山・佐藤法律事務所、電話03-6550-8125)、監督委員には武井洋一弁護士(東京都中央区日本橋茅場町3-12-2、明哲綜合法律事務所、電話03-3527-2121)が選任されている。

 当社は、2009年(平成21年)4月に設立。個々の患者の免疫機能を生かした独自のワクチンをつくるテーラーメイドがん治療法「樹状細胞ワクチン療法」で知られるがん免疫療法専門クリニックであり、ジャスダック上場のテラ(株)より技術ノウハウの提供、建物、設備などの転貸、貸与を受けて、東京都、名古屋市、神戸市などで「セレンクリニック」を運営。2011年3月期には年収入高約14億8900万円を計上していた。

 しかし、財務面では債務超過の状況が続いていたほか、テラに対して長期にわたる継続的対価および転貸料の不払いが発生、2018年12月には取引関係を解消していた。人事刷新や店舗移転など体制変更による立て直しに努めていたが、2020年3月期の年収入高は約8億円にとどまり、欠損計上により累積損失も拡大、厳しい資金繰りが続いていた。

 負債は債権者約29名に対し約1億1000万円。

 なお、一部のクリニックは他社へ譲渡されている。

※理事長名の「崎」の字は、右上の「大」が「立」になっている異体字(通称「たつさき」)です。