不倫謝罪会見を行った原田龍二('19年)

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「ゲス不倫」と呼ばれたベッキーをはじめ、東出昌大や瀬戸大也、時をおきすぎた記者会見で大きくミソをつけた「多目的トイレ不倫」のアンジャッシュ・渡部建など、立ち位置のスタンスを大きく揺るがすのが芸能人の不倫騒動。

【写真】原田龍二の謝罪会見、会場はこんなことになってた!

 そんな中、不倫騒動発覚後に、信じられないくらい活躍しているのが俳優の原田龍二だ。

なぜ、こんなにも早く復帰できた?

 原田といえば、2019年5月、妻子がいながらインスタグラムのDMで知り合った複数のファン女性と不倫をしていたことが、週刊文春の報道で発覚。しかも自家用車の中で、10分程度でコトをすませていたというなんとも情けない目撃報告から、「4WD不倫」「10分不倫」などと揶揄されたものだった。

 舞台など、キャンセルとなった仕事はいくつかあったものの、特に芸能活動を休止することなく、コンスタントに仕事を受け続けた原田。そして、『絶対に笑ってはいけない』シリーズ(日本テレビ系)の2019年大みそかの特番にも、無事(?)出演。

 その後もテレビやCM依頼、連載企画などが引きも切らず、“文春砲命中後最速”とも言われるほどの驚異の回復ぶりを見せている。

 挙句の果てに12月21日には、31日間すべてが全裸というカレンダー『原田龍二 毎日反省 日めくりカレンダー』(扶桑社刊)を発売する。“全裸俳優"ともいわれている原田が、自身の反省を糧に日々を生きるための教訓を紹介。毎日、身も心もさらけ出した彼の直筆による言葉が並ぶ。

「原田さんの場合、人柄もあるでしょうが、記者会見をすぐ開くなど、対応の早さもあったからでしょう。あまりバラエティー番組に出演しない俳優さんならまだしも、お茶の間の人気者的な売り方をしている芸能人は、自分のキャラクターを出した状態で早めに釈明の会見をしたほうが、世間は納得する。その好例だと思います。

 反対に、企業的な謝罪方法や、弁護士同伴など、型にはまった会見をすると違和感を感じられてイメージが悪くなってしまう可能性が高いのです」(危機管理ジャーナリスト)

 そんな原田の復帰ぶりには、立役者と言われている存在がいる。彼の個人事務所の社長兼マネージャーである森卓一さんだ。原田とは30年近い付き合いで、独立して事務所を構えてから2020年でちょうど10年になったという。

二人三脚だったからこそ、やってこられた

 もともと役者をしており、有名俳優の付き人をしていたこともあるという森さん。俳優業に見切りをつけた後は、マネージャー一筋でやってきた大ベテランだ。なお、最近では千鳥の『相席食堂』(朝日放送系)をはじめとして「出たがりのユニークなマネージャー」として、世間にも認知され始めている。

「龍二がやりたいということをやらせてやる、のがポリシー」という森さんが、あの不倫騒動前後の模様を、初めて克明に証言してくれた。

「日曜日に原田の自宅に文春の記者がやってきて、(不倫の有無を)直撃したんですよ。その日に原田から記者の名刺を受け取って翌日、連絡をし、記事の内容を聞いたものの、教えてはもらえませんでした。結局、水曜日に文春の早刷りを見て、ことのすべてを知りました。

 それは焦りましたよ。やってしまったことはしょうがないけど、仕事先にどう謝ったらいいか。龍二と話をし、『つらいかもしれないが、原田龍二は逃げ隠れしないまっすぐな人間で今まで来たので、記者会見を開こう』と。龍二も納得しました。

 水曜日にはニッポン放送のラジオ番組のレギュラーがあったのですが、局の外には早刷りで知った各社の記者たちが龍二にコメントをとろうと出待ちをしていました。

 まだ文春が発売されていないため、発言はさせず、集まって来た記者たちには金曜日に、(原田が司会でレギュラー出演している生放送の番組)『5時に夢中!』(TOKYOMXなど)の放送後にTOKYOMXの会議室で記者会見を行う旨を伝えました。水曜日から記者会見の直前まで、いろんなところからひっきりなしに電話がかかってきて、さすがに大変でした。

 ウチは基本、何ごとにもNGなしなんで、記者会見についても当然、取材NG媒体などもないためウエルカムにしたら、100社以上、200人くらい集まってしまった。あまり広くない会議室だったからすごいことになっていましたね。

 記者から『会見は何時までですか?』という質問が飛んだので『質問が終わるまでやります。でも朝までは勘弁してください』と返事したら、どこかの局の音声さんが『そんなにいられるか!』とツッコんできて、ドッとウケけたんですよね。

 傍から見ていて、聞いている記者たちが原田の回答にびっくりしていたことが印象的でした。『ここまで答えるんだ』みたいな感じで驚いていた。いつでも全裸になれるのが原田龍二なんでね。隠すわけないじゃないですか(笑)」

 よく言われている芸能界の組織の理論としたら、大きな事務所にいた方が安心・安全なはず。“真逆の二人三脚だったからこそ、やってこられた”と森さんは語る。

「なにがよかったって、ウチは二人きりで、すぐ話し合える距離にいるということ。これが大きな組織だったらこうはいかないでしょう。いい意味で行きあたりばったりなんです。あと、龍二の直感についていっているだけ」

不倫騒動は「忘れさせないように」

 このように、原田に絶対的に信頼を置いている森さん。初めて原田に会ったころの場面を、いまでも鮮明に覚えているという。

「スカウトされたての原田はとてもぶっきらぼうでね。挨拶するときもブスっとしていた。でも、新人って誰にでもペコペコするものだから、逆に新鮮に見えたんです。それから少しして、現場の近くの駅で偶然、反対側のホームにたたずんでいる龍二を見かけたんだけど、なんともいえないオーラがあってね。思わず見とれてしまったんですよ。そのとき、こいつのよさを伸ばす! って、心に誓いましたね。

 実際はとても礼儀正しいいいやつで。元々ヤンチャだから(笑)、上下関係の大切さが身についている。見た目とは裏腹にお笑いが大好きで、お笑いをやりたいと。会えば会うほどいろんな魅力があることがわかってきて、やりたいことをやらせてやりたいな、と思うようになりました。

 その後、独立を決めて、龍二に相談したら『森ちゃん辞めるんなら俺も辞める。一緒についていく』と。まだ辞めてどうするかも考えていなかったのに。うれしかったですね」

 当の原田にも話を聞くことができた。

「僕は直感はあるけど、スケジュールとかお金の管理とか全然できないので。森ちゃんに全部任せてるんです。だから余計な心配することなく、いろんなことができた。森ちゃんがいるから、まさに気持ちよく全裸でいられるんですよ」

 全裸になりすぎて、マイカーでいらぬこともしてしまったわけだが……。これに対し森さんは、

「(あの騒動は)忘れさせないようにしています。あのせいで、周囲のみんなに迷惑をかけてしまったわけだから。むしろ、みんなが気を遣って言わなくなるほうが困るんですよね」

 と、ベテランマネージャーらしい見解を見せる。

 今回のカレンダーも、50を過ぎた中年男性が一糸まとわぬ姿を31日間という、芸能界史上に残りそうな衝撃的なコンセプトだ。ためらいはなかったのか。

「いや、あるわけないでしょう(笑)。原田の可能性しか引き出さない企画じゃないですか」(森さん)

 当の原田龍二もこう続ける。

「今回のカレンダーには、なによりうちの妻が喜んでいるんですよ。『原田龍二の集大成じゃない』って。むしろ、脱ぐ仕事のオファーがまだ来ること自体がありがたい。このカレンダーを飾って、ひとりでも多くの人が『こんなことやって〜』と笑って元気になってくれたらうれしい。そして、こういう仕事をおもしろがって取ってきてくれる森ちゃんには感謝しかないですね」

 森さんをはじめ、人に恵まれたのが、原田の復帰力につながったのかもしれない。

原田龍二 毎日反省 日めくりカレンダー