明石商・中森俊介(左)と早大・早川隆久【写真:松倉雄太、編集部】

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高校生216人、大学生158人の提出はいずれも史上最多

 2020年の「プロ野球志望届」の提出は12日、提出期限を迎えた。高校生に新たな「プロ野球志望届」の提出者はおらず、提出者は216人となり、大学生は新たに9人が提出し、こちらも史上最多の158人に。志望届の提出が始まった2004年以降で、計374人も最多となった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でセンバツ、選手権と春夏の甲子園がともに中止となり、各地方大会が相次いで中止となり、大学野球の春のリーグ戦も中止や短縮開催となった2020年。スカウトの活動も大きく制限され、特に高校3年生たちの進路には様々な影響を及ぼした。

 これまで高校生で最も提出者が多かったのは2019年の139人、大学生は2018年の127人。今年はそのどちらも上回り、最も多くの学生たちが志望届を提出することになった。そこでここでは、プロ志望届を提出した高校生、大学生の中でドラフト1位候補となりそうな注目株をピックアップしてみたい。

【高校生】
○中森俊介(明石商)
 最速151キロを誇る高校球界トップクラスの右腕。計4度の甲子園出場を誇り、大舞台も経験済み。変化球のキレを鋭く、ドラフト1位指名が確実視される。

○来田涼斗(明石商)
 中森と共に世代を代表してきた強打者。高校通算34本塁打を誇り、逆方向へも強い打球を放てる。脚力も武器の1つで走攻守を兼ね備えたスラッガーだ。

早大の早川、近大の佐藤らは複数球団の競合か

○高橋宏斗(中京大中京)
 最速153キロを誇る剛腕。カットボール、ツーシーム、スプリットなど変化球も多彩だ。当初は進学が基本線だったものの、慶大のAO入試に不合格となり、プロ志望へと方針を転換した。

○山下舜平大(福岡大大濠)
 こちらも最速153キロを誇る剛腕投手。中森や高橋とは違い、変化球がカーブのみと、完成度はまだまだ。裏を返せば、無限のポテンシャルを秘めており、スケールの大きさを感じさせる。

【大学生】
○伊藤大海(苫小牧駒大)
 大学2年時から侍ジャパン大学代表に選ばれてきた最速155キロの本格派右腕。6種類の多彩な変化球を操り、制球力も高い。リリーフ適性も見せており、即戦力として高く評価されている。

○早川隆久(早大)
 最速155キロの世代No1左腕。球速だけでなく多彩な変化球も持ち、ドラフト1位指名は確実と見られている。貴重な左腕でもあり、果たして何球団が競合するかもドラフトでの注目ポイントだ。

○佐藤輝明(近大)
 今年のドラフトでも最注目選手の1人で世代No1のスラッガー。「糸井嘉男2世」の呼び声高く、力強いスイングで打球を捉える。一塁、三塁、外野をこなし、複数球団の1位指名が見込まれる逸材だ。

○木澤尚文(慶大)
 最速155キロを誇る本格派右腕。140キロ台のカットボールを武器とし、先発、リリーフどちらの適性も感じさせる。上位指名候補に挙がり、1位指名される可能性も。

○入江大生(明大)
 最速153キロの本格派右腕。身長187センチの長身を誇り、角度のあるボールを武器とする。明大からは今季、広島で大活躍する森下暢仁がプロ入りしており、先輩に続けるか。

○牧秀悟(中大)
 侍ジャパン大学代表の中軸を任された強打者。走攻守で高いレベルを誇り、遊撃、二塁と内野の要を守る。内野が補強ポイントにあがる球団にとってはドラフト1位候補にあがる選手か。(Full-Count編集部)