【ファンキー通信】年代モノのウイスキーが販売禁止に!?
「ポジティブリスト制度」をご存じだろうか? これは食品に含まれるすべての農薬(残留農薬も含む)を規制し、どんな農薬でも、含有量が0.01PPMを超えていれば販売禁止にするという制度だ。平成15年の食品衛生法改正で導入が決定し、今年の5月29日からスタートする。
我々消費者からすれば、食の安全が確保されるので歓迎すべき制度であるが、もしかしたら「大好きな食品が、手に入りづらくなるかも・・・」という事態になってしまうかもしれない。
生鮮食品は、生産地や製造元に問い合わせればどんな農薬を使用しているのか、またその濃度はどれぐらいなのか、ということが明確になるが、何十年も前から貯蔵されているウィスキーなどの洋酒については、農薬の記録が残っていない場合が少なくないのだ。
ウィスキーは蒸留酒なので農薬が残りづらいと言われているが、もしも輸入する段階の検査で検出され、販売禁止になってしまったら、業者が大ピンチに陥るだけでなく、木樽で熟成させたあの香りと味をたしなむことができなくなる恐れもある。「年代モノのウィスキーが突然、超高級酒に!」なんて事態になってしまったら、PSE法導入の時のような騒ぎになってしまうのでは? 日本洋酒輸入協会の関係者の話によると、
「食品関連企業は農薬の検査体制の整備を進めているし、こちらでも事前に説明会などを開催しているので、大きな騒ぎになることはないと思います。ポジティブリスト制度に向けて、ウィスキーの輸入業者やメーカーが具体的にどのような対策をしているかについては存じ上げませんが、何十年も前に使われた農薬を調べるとなると、専門の機関に頼まなくてはならず、手間やコストはかかるでしょうね」
5月の酒税改正に伴って、大手メーカー各社はウィスキーの値下げを発表しているが、ポジティブリスト制度に対応するための検査にかかったコスト分を価格に上乗せ、「結局値下がりにならないじゃん!」なんてことにはならないだろうか?
「それはなんとも言えませんね・・・。企業によって対応も違うと思いますし」(同関係者)
厚生労働省は、「ポジティブリスト制度スタートまでに瓶詰めされた製品は適用外」という緩和措置をとっているが、ウィスキーの場合は瓶詰めする前段階、どれだけ樽で熟成させたかどうかがカギになる。高温で蒸留した際に農薬が消えてなくなっていることを祈りたい。(遠藤麻衣/verb)
■関連リンク
ポジティブリスト制度
我々消費者からすれば、食の安全が確保されるので歓迎すべき制度であるが、もしかしたら「大好きな食品が、手に入りづらくなるかも・・・」という事態になってしまうかもしれない。
ウィスキーは蒸留酒なので農薬が残りづらいと言われているが、もしも輸入する段階の検査で検出され、販売禁止になってしまったら、業者が大ピンチに陥るだけでなく、木樽で熟成させたあの香りと味をたしなむことができなくなる恐れもある。「年代モノのウィスキーが突然、超高級酒に!」なんて事態になってしまったら、PSE法導入の時のような騒ぎになってしまうのでは? 日本洋酒輸入協会の関係者の話によると、
「食品関連企業は農薬の検査体制の整備を進めているし、こちらでも事前に説明会などを開催しているので、大きな騒ぎになることはないと思います。ポジティブリスト制度に向けて、ウィスキーの輸入業者やメーカーが具体的にどのような対策をしているかについては存じ上げませんが、何十年も前に使われた農薬を調べるとなると、専門の機関に頼まなくてはならず、手間やコストはかかるでしょうね」
5月の酒税改正に伴って、大手メーカー各社はウィスキーの値下げを発表しているが、ポジティブリスト制度に対応するための検査にかかったコスト分を価格に上乗せ、「結局値下がりにならないじゃん!」なんてことにはならないだろうか?
「それはなんとも言えませんね・・・。企業によって対応も違うと思いますし」(同関係者)
厚生労働省は、「ポジティブリスト制度スタートまでに瓶詰めされた製品は適用外」という緩和措置をとっているが、ウィスキーの場合は瓶詰めする前段階、どれだけ樽で熟成させたかどうかがカギになる。高温で蒸留した際に農薬が消えてなくなっていることを祈りたい。(遠藤麻衣/verb)
■関連リンク
ポジティブリスト制度