借金500万円、ギャンブルだけで返済チャレンジ!27歳無職の挑戦記

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―[負け犬の遠吠え]―

ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。
それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。

「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後、短かった闘いを振り返り、喫緊の金策のアイディアを綴っていく当連載。

最終回を見届けられるのが先か、借金で破滅するのが先か……すべては犬次第だ。

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◆第1回 プロローグ〜フィリピンのカジノで借金500万になるまで

 人は夢を見る。

 目標を持つ。指針を決める。挑戦をする。

 その姿は美しく、挑戦の過程をなぞった物語が書かれたりすることもある。野球選手になりたい高校球児、プロを目指すミュージシャン、恋をする人々……。

 そして挑戦の終わりは物語の終わりだ。夢を叶えられた者、叶えられなかった者、別の幸せを見つけた者。物語は終わり、彼らの幸せを切に願う。

 僕は貯金残高を見る。知らない番号からの電話を取る。早く金を払えと言われる。

 この連載は、挑戦に失敗した人間の「その後」の話だ。物語が終わっても人は生き続けている。地獄の地面スレスレを低空飛行しながら。

 去年の7月に5年間勤めた会社を退職し、自由人となった僕は、今年で27歳になる。雪に埋もれた東北の田舎町から上京してきて9年。東京の毒気を浴びながらも慎ましく生きてきた。長い間勤めた会社を辞める理由も「飽きたし、疲れたから」。ある日突然糸が切れたように働く気が失せ、辞めるための準備を着々と進め、退職願いを提出した。

 仕事を辞めた瞬間の爆発的な達成感は格別だった。何かを辞める時の興奮や満足感は始める時の比ではない。大学を中退した時、バイトをバックれた時、そして長く働いた会社を辞める時。

 突然手に入れた自由は人の気を大きくする。

 今の僕なら……

 今の僕なら、全財産カジノに持っていって大勝ちして、一生働かなくて済む生活を手に入れられるかもしれない……!

 去年の7月のことだ。僕は退職した1週間後にフィリピンのカジノにいた。持って行ったのは現金で200万円と、枠が合計で300万近くあるクレジットカードたち。(クレジットカードでカジノのチップが買える。眼から鱗のライフハックだ)

 1ヶ月フィリピンに滞在した。カジノは豪華で、ラグジュアリーで、デカかった。拙い英語で様々な人と交流した。100万勝つ日もあれば、その逆で100万負ける日もあった。日本では味わえない刺激の数々。これが自由…これが異国…これがマンゴー…。

 そこに生きる人々の生命力と赤道直下の太陽を浴びながら心を洗い、カジノで遊び散らかした。

 楽しかった時間はあっという間に過ぎ、ちょうど1ヶ月後に予約していた飛行機で帰国する。

 帰りの電車は鈍行を選んだ。安いから。

 家に帰り、耳に残っていた雑多な喧騒の記憶が薄れると同時に現実が押し寄せる。

 1ヶ月間カジノで負けに負け、420万の借金を作っていた。

 僕の物語は終わった。

◆終了しても人生は続く

 終わった人間はそこで消滅するわけではない。僕もこの通りまだ生きているし、生活を続けている。そこから半年間、日雇いのバイトを繰り返し、足りなかったら他から借り、返済し続けていた。毎月の返済は25万円にも及び、家賃も含めるとアルバイトだけで40万近く作らなければならず、借金を返すために働く地下労働者と同じ生活をしていた。金が入ってもすぐに返済に充てられるので、日本円はペリカと同じ虚構のものではないかと疑っていた。

 はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る

 博打で作った借金なので完全に自業自得だったが、半年かかっても増えていく一方の借金を見て思う。