【ファンキー通信】買収金額ってどんなふうに決まるの?

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 1兆7000億円。僕らのような一般ピープルには到底手にすることができないような大金ですね。でもこの金額見覚えありませんか? そう、ソフトバンクがボーダフォンを買収したおおよその金額です。

 この買収するための金額ってどんなふうに決められるのでしょう? 果たしてこの1兆7000億円は高い買物だったのか、それとも安い買物だったのでしょうか。

 中小企業を中心に幅広いM&Aの仲介を担っている、日本M&Aセンターに詳しい話を聞いてみました。

 「上場企業の場合は、市場で取引される株価をベースに金額が決定されます。非上場企業の場合は、買収時の収益で決める場合、将来生み出すであろう利益で決める場合、そして総資産で決まる場合の3つのパターンがあります」(日本M&Aセンター・飯野さん)

 また、M&Aの場合には「経営権プレミアム」がつく場合もあります。これは株式を50%以上取得すれば、株主総会の普通決議を単独で可決し、取締役の選任等の議案を通すことができるというもの。買収した企業の経営に対し、大きな影響力を持つことになります。そのため、市場で取引される株価以上の価格で取引されることにもなるのです。

 「買収することは『時間を買う』というように表現されますが、今回のボーダフォン買収劇はまさにその通りでしょう。もともと携帯事業に参入するつもりだったソフトバンクが単独で携帯事業を行っていた場合、顧客の開拓や店舗などの設備投資に膨大な時間がかかっていたはずです」(同)

 また、買収される側にもメリットはあります。事業の先行き不安の解消や、後継者の問題などの解決方法として、買収先を探すということもあるのです。

 今回の場合、日本でのシェアが伸び悩んでいたボーダフォンにとっては、まさに渡りに船といったところ。お互いにとっていい話であり、まさにwin-winの関係に終わったといえるのではないでしょうか。

 金額はこうやって決められていたんですね。やっぱり庶民には遠い話のような気もするが・・・。とはいえ、僕ら消費者にとって気になるのは、携帯電話市場の行方。ソフトバンクは市場に革命をもたらすのでしょうか。(加藤克和/verb)