映画『初恋』歌舞伎町クリーンイベントが15日に行われ、窪田正孝、三池崇史監督が出席した。

本作の撮影の舞台となった新宿・歌舞伎町に恩返しをするため、新宿区へクリーンイベントを提案し、快諾頂いたことから実現した本イベント。快晴にも恵まれ、静けさ残る朝の新宿でイベントが開催された。まず初めに新宿区役所前で出発式を行い、吉住区長のご挨拶で幕を開け、主演・葛城レオ役を務めた窪田正孝、メガホンを取った三池崇史監督が『初恋』のタイトルロゴがあしらわれたウィンドブレーカーに身を包み登場すると、本イベントへご協力頂くボランティアの皆さんからは大きな拍手が巻き起こり、2人のサプライズ登場に涙を流す方もいた。

窪田は「おはようございます!お世話になった歌舞伎町を精一杯きれいにしたいと思います!よろしくお願いします。」、三池監督は「おはようございます。少しでもきれいに出来ればいいなと思います。よろしくお願いします。」とそれぞれ挨拶。そして参加者全員で「新宿歌舞伎町クリーンイベント、しゅっぱーつ!!」と元気よく声を合わせて清掃活動をスタートさせた。

清掃が始まると早速、お菓子の包み紙を見つけた窪田は「昨日はバレンタインデーだったからかな…!」とつぶやき、三池監督と顔を見合わせ、思わず笑いあっていた。ボランティアのみなさんや吉住区長と談笑しながら丁寧にゴミを拾い集める道中、窪田演じるレオがベンガル演じる占い師と出会う歌舞伎町弁財天に到着すると、窪田は「この地域のみなさんは撮影をしていても、慣れているのかそっとしてくれて、すごく演じやすかったです。」と撮影当時を懐かしんでいる様子。その後もクリーンアップにいそしみ、驚くほど綺麗になった歌舞伎町を後にし、一行は新宿区役所に帰還した。

ここで、会見へと移り、清掃活動に参加した感想を聞かれると窪田は「大それたことは出来ないかもしれないけど、こういった活動に参加出来て嬉しく思いましたし、街がきれいになるって良いことだなと思いました!」と答え、お世話になったロケ地への恩返しができ、感慨深そうな様子。三池監督は「撮影の時は上ばかり見ていたように思います。仕事の面で言ってしまうと、落ちているゴミにも一つの大事な風景のように感じてしまうんですが、こうして改めて足元に目を向けてみると、きれいにしたいなという気持ちが湧き、また違った歌舞伎町を見れたような気がしました。」と答えた。

話題は撮影当時のエピソードに及び、窪田が「この歌舞伎町で大森南朋さんを全力で殴ってしまったことが思い出ですかね…」と答えると、すかさず三池監督が「もっとクリーンなこと言ってよ!(笑)」とツッコミを入れ、会場からは笑いが起こった。一方の三池監督は「とても好きな空間で、撮影の時は歌舞伎町の住人として存在していたような気持ちでした。」と回想していた。吉住区長は「今日は本当にありがとうございました。この作品を広く知って頂けたら嬉しいなと思います。そして歌舞伎町をもっとロケ地として使って頂きたいですね。」と2人に感謝を述べていた。

さらに、本作の撮影が夜が多かったことから、昼間との印象の違いを聞かれると、三池監督は「帰る人もいれば、これからどこかへ出かける人が入り乱れている。そんな中でも時間が止まる瞬間があって、その気配がドラマチックでとても好きですね。」と答え、窪田は「夜の撮影とまた違って、昼はやっぱり青空で気持ちがいいですね!その反面まだ少し夜の名残があって、絶妙な2面性がある街だなと思います。」と答えた。

そしてマスコミからの質疑応答の場面になり、歌舞伎町での思い出を聞かれると、窪田は「19歳くらいのころ、新宿コマ劇場で三池監督の『座頭市』を観たことがとても印象に残っていますね。」と答え、三池監督は「助監督のころに本当に大変で泣いたこともあるけれど、とても居心地の良い場所。そのままの自分でいられる気がします。多様性のある人たちがたくさんいて安心しますね。」と答えた。さらに、三池監督が“夜を味方につける人”と言われているが、朝の監督はどうだったかと問われると、「サングラス姿に軍手とトングを持ってる姿が可愛かったです(笑)」と窪田が答えると会場からは笑いが起こった。

最後に掃除が好きだという窪田に、今後キレイにしたいものは何かとの質問に、少し悩みながら、「携帯の中身ですかね。電話帳とかは高校時代のままなので少し整理しようかなと…。」と言うと「あんまり友達いないでしょ!?」とまたも三池監督からツッコミが入り、「ほどほどにしたいと思います…!」と恐縮した様子で話し、10年ぶりのタッグでも変わらぬ息の良さを見せ、会見は終了した。

映画『初恋』は2月28日(金)より全国公開

(C)2020「初恋」製作委員会

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