画像提供:株式会社日立製作所

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 遊園地にある人気の乗り物といったら・・・? そう、観覧車! その観覧車のような仕組みがエレベータに取り入れられるらしい。この方法だと現在よりも効率よく人を運べ、さらにスペースもあまりとらないと、いいことばかりなんだとか。でも、それって一体どんなエレベータなの・・・!?

 このエレベータを開発しているのは日立製作所。輸送力を向上する新技術として、この観覧車のような仕組みの「循環式マルチカーエレベータ」の基本駆動技術を開発。通常のエレベータ2基分のスペースで多数の乗りかごを循環させて運行する方式で、リング状の昇降路を形成する。内部では6〜8台の乗りかごを2台1組として、3〜4組を独立して動かすことができ、外部に設置したモーターを使って観覧車のように循環させる。この方法だと、輸送力を保ったまま昇降路の面積を最小化して、ビルのオフィスや住居スペースを広げられるという。

 6台の乗りかごを2台1組として4本のワイヤーロープでつなぐことで、それぞれを独立して運行できるようにした。1台の乗りかごが停止しても、ほかの乗りかごは影響を受けにくい仕組み。(ただし、2台1組のため1台が停止すればもう1台も停止する)これにより乗りかごの停止頻度を低減、昇降路面積あたりの輸送力を従来の2倍以上に向上できるという。

 ここで一つの疑問が・・・。観覧車のようになっているということは、一番上と下の部分でくるっと回るってことですよね〜。エレベータがそんな動きしても大丈夫なの??

 「その通り。一番上と下の部分では少しだけ横移動するんです。ですからその部分だけスピードを緩めるようにする予定です。今までのエレベータにはない動きですからね。また、このエレベータはこれ単体で使用するのではなく、通常のエレベータなどと組み合わせて利用することで、大きな効果が得られるものだと考えています」(担当者)

 なるほどぉ〜、これでエレベータホールでの朝の混雑も軽減されるというわけだ。現在のところは、実物の10分の1サイズのプロトタイプを試作し、2つの昇降路のあいだを移動する際の乗り心地、乗りかごの制御などを検証中。できるだけ早い時期に実用化を実現させたいとのことだが、私たちもどんな乗り心地なのか、早く乗ってみたいですよね!(石橋夏江/verb)