日米スカウト集結「佐々木朗希」大谷より上、江川より下
高校球界における過去の “怪物” は数知れず。だが、岩手県立大船渡高校の佐々木朗希投手(17)は、なぜこれほど評価されるのか。日米合わせて27人ものスカウトが視察に集結した、岩手県大会3回戦で、7球団の現役スカウトを直撃した。
速球派に「制球難」はつきものだが、ソフトバンク・永井智浩スカウト・育成部部長は、「大型投手の弱点、四球で崩れるもろさが微塵もない」と欠点なしの評。
オリックス・上村和裕スカウトも、「外角低めの制球がよくなった」と声を揃える。
最速163kmの球速を150km前後に抑えた投球で、大会を投げ進めた点を、中日・中田宗男スカウトは評価。
「速球派が5、6割の力で投球をコントロールするのは非常に難しい。それができるのは天性の素質です」
さらに、「近い投手は伊良部秀輝。伊良部の球は強烈な印象が残ってるが、佐々木は勝るとも劣らない」と故人の姿を重ねる。
一方、ヤクルト・斉藤宜之スカウトは、大谷超えを断言。
「今春、骨密度などの検査を受けたとき、まだ大人の骨でない成長過程にあった。そのため、セーブして投げてきたそうだが、大谷翔平の高校時代よりも、完成度は高い」
巨人・柏田貴史スカウトは、「あの長身、あの手足の長さから、多様な球種を操れるというのは相当な能力」と話す。
阪神・平塚克洋スカウトは、「まわりのベテランスカウトたちが『異次元の投手。見たことがない』と言うので楽しみです」と胸をときめかせた。
最後に、匿名を条件に大ベテランのスカウトに聞くと……。
「うーん、江川には劣るかな……。やっぱり別格だった」
今後、“昭和の怪物” 超えに期待したい。
(週刊FLASH 2019年8月6日号)