「なんだかやる気がしないなぁ」、そうつぶやいているだろうニートの数約64万人(厚生労働省調べ、2004年現在)。「やりたいことは別にあるんだけど・・・」といいながらアルバイトに精を出すフリーター約213万人(厚生労働省調べ、2004年現在)。

 本格化するニート・フリーター問題に対する対策の一環として、2006年度から新たな試みが。その名も「チャレンジ! ファームスクール」だ。農林水産省は長野「八ヶ岳中央農業実践大学校」および・茨城「日本農業実践学園」および「鯉淵学園農業栄養専門学校」で、3カ月〜半年の農業実習・授業・資格取得にむけての合宿を行う。え、もしかして、フリーターやニートが、農業の未来のホープになっちゃうってことですか?

 「現在農業では若い担い手が不足していることもあり、ファームスクールの試みとなりました。農業に興味を持つ若者もこれを足掛かりにして欲しいですね」(農林水産省担当者)

 現在、募集要項や説明会などの問い合わせも多く、初年度はこのチャレンジ!ファームスクールの研修プログラムを作ることに主眼が置かれる。

 「初年度は全体で120名の受け入れを予定しています。ちなみに、フリーター向け合宿研修は約6カ月、ニート向けは3カ月の期間です。全国に農業研修のプログラムが広がる第一歩になればよいのですが・・・」(同)

 フリーターとニートで研修期間の違いがあるのはどうして?

 「フリーターには、『即戦力』として、大型特殊自動車免許フォークリフトなどの資格取得などに向けて本格的な研修を行います」(同)

 受け入れ先のなかでも、フリーター向け研修を行う茨城県の鯉淵学園農業栄養専門学校は、半年のフィールドワーク中心で本格的なのだという。

 「農業とひと口にいっても、野菜から畜産、花の栽培など幅広いのです。体験を通して、自分が将来行いたい分野を知ってください。もちろん、農業が社会で成り立つ経営などの仕組みも学びます。意欲のある方に対しては、その後の進路まで相談に応じていきたいですね」(鯉淵学園 國府田さん)

 授業に大型特殊自動車免許などの資格試験などもプラスされるなど、かなり盛りだくさんな内容。6カ月どっぷり農業の世界に浸ることができる。

 「現在パートやアルバイトをしながら、将来農業をしてみたいなぁ〜と感じている人のチャレンジを期待しています。ものづくりの喜びを知りたい方や、農業への入り口がわからないと思っている方は是非どうぞ」(同)

 ちなみに、こちらの鯉淵学園では6カ月間の合宿費は、食費、宿泊費、授業料合わせて約60万円(費用は各学校により異なる)。環境が変わるだけで、心の変化が訪れる若者もいるのかも。フリーターやニートが農業の担い手になる日もそう、遠くないのかも知れませんね。(押木真弓/verb)