【J1開幕直前クラブガイド】テーマは攻撃のガンバ復活…名伯楽レヴィー・クルピの下、奪還を《ガンバ大阪》

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▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第13弾はガンバ大阪を紹介する。

◆新章へ【ノルマ:ACL出場権争い】
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▽2017シーズン、常勝を至上命題とするチームとして許されない失態を晒したG大阪。昨年限りで5年間の長谷川健太政権に終止符を打ち、今シーズンからかつてセレッソ大阪を率い、「若手育成」と「攻撃的スタイル」に定評のあるレヴィー・クルピ監督に命運を託す。チームとして再建段階だが、目標は『奪還』というチームスローガンのとおり、タイトルの獲得。とはいえ、確信を持てる要素が少ない現状だけに、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内が当面の目標になりそうだ。また、「優勝するチームは最後まで攻撃の姿勢を貫く」と新体制発表会見で語ったブラジル人名伯楽が、前任の色に染まった守備偏重のチームに攻撃的な自身の色をどう落とし込んでいくかも見どころの1つ。プレシーズン期間の対外試合で3分け1敗という成績からもわかるとおり、手探り状態でのシーズンインだが、レヴィー・クルピ新監督と共に新章を始めることになる。

◆不安多き補強動向【補強達成度:D】
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▽レヴィー・クルピ監督の招へいを早々にまとめ、MF矢島慎也やDF菅沼駿哉といった実力者を獲得するまで順調だったが、それ以降で即戦力級の加入者はなし。将来を見据えた補強だけを考えれば、複数クラブの関心を集めたFW中村敬斗の争奪戦を制するなど上々の出来だが、トップチームにおいて心許ないのが実情だ。中でも、昨年も改めて課題を露呈した絶対的な点取り屋の確保に未だ至っていない点はイメージが悪く、海外に旅立ったMF井手口陽介に代わる守備的MFの補強もなければ、センターバックの控えも一抹の不安を抱える。ただ、チームは指揮官が選手の見極めに充てるとしたキャンプ始動後、DFペ・スヨンを期限付きで放出して外国人枠を確保。今後、どのタイミングで、どのようなアクションを起こすのか注目が集まる。【IN】

GK谷晃生(17)←ガンバ大阪ユース/昇格

DF山口竜弥(18)←東海大相模高校/新加入

DF松田陸(18)←前橋育英高校/新加入

DF菅沼駿哉(27)←モンテディオ山形/完全

MF福田湧矢(18)←東福岡高校/新加入

MF芝本蓮(18)←ガンバ大阪ユース/昇格

MF矢島慎也(24)←浦和レッズ/完全

FW白井陽斗(18)←ガンバ大阪ユース/昇格

FW中村敬斗(17)←三菱養和SCユース/新加入

【OUT】

GK藤ヶ谷陽介(36)→引退

GK田尻健(24)→ツエーゲン金沢/期限付き延長

DF金正也(29)→ベガルタ仙台/完全

DFペ・スヨン(19)→ギラヴァンツ北九州/期限付き

MF嫁阪翔太(21)→グルージャ盛岡/完全

MF井手口陽介(21)→リーズ・ユナイテッド(イングランド)/完全

MF中原彰吾(23)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き満了

MF内田達也(26)→東京ヴェルディ/完全

MF二川孝広(37)→東京ヴェルディ/期限付き延長

FW郡大夢(20)→東京ヴェルディ/期限付き満了

FW赤崎秀平(26)→鹿島アントラーズ/期限付き満了

FW呉屋大翔(24)→徳島ヴォルティス/期限付き

FW平尾壮(21)→アビスパ福岡/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手
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DF初瀬亮(20)

2017シーズン(J1) 19試合出場0得点▽キープレーヤーは、キャンプから好アピールが続くDF初瀬亮だ。G大阪ユース出身の初瀬は、両足から遜色なく繰り出されるキック精度が魅力のサイドバック。だが、キャンプ中における練習試合でのプレーエリアを見る限り、レヴィー・クルピ監督の下、サイドバックに加えて、インサイドハーフでの出場も増加しそうだ。ブラジル人名伯楽は、既に「重要な選手になってくる」と初瀬をキーマンに指名済み。かつてC大阪でMF香川真司らの才能を見いだしたレヴィー・クルピ監督の下、どう“クルピ・チルドレン”の仲間入りを果たしていくか刮目しておきたい存在だ。

◆2018シーズンの予想布陣[4-2-3-1]
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GK:東口順昭

DF:オ・ジェソク、三浦弦太、ファビオ、藤春廣輝

MF:矢島慎也、今野泰幸、ファン・ウィジョ、遠藤保仁、倉田秋

FW:長沢駿▽今シーズンからの新任ということで選手の起用法を含めて読めない部分が多く、フォーメーションにおいても[4-3-2-1]、[4-2-3-1]を基本線に試行錯誤の段階だ。中でも、激選区はストライカーの位置。グロインペイン症候群で出遅れるFWアデミウソンの状況もあり、争いは混沌と化している。また、井手口の退団に伴い、手薄な守備的MFの位置においても、年齢的にフル稼動の厳しいMF今野泰幸に続く選手を擁立できていない。さらに、MF遠藤保仁の起用法においても気になるところ。一方で、今シーズンからU-23との線引きがなく、キャンプで好アピールが続いた17歳の中村や、MF市丸瑞希ら有望株の起用法もポイントに。即戦力級の加入者が少ない状況だけに、チームの今シーズンを占う上で、若手の台頭は必須事項になるに違いない。