内藤  由貴子 /

写真拡大

心の大掃除の仕方は?

2017年も、もう終わり。御用納めとなって、年末の慌ただしさの中でも、大掃除は欠かせません。
仮に十分、きれいにしきれなくても少なくても意識だけは。そう思っている人は多いでしょう。

新年を迎えるスペースがスッキリすれば、確かに気持ちも、スッキリして新年を迎えられます。

その後、一年を振り返り、来る新年の豊富など、イメージしたいところです。
でも「あれ?なんだか、モヤモヤ、そんな余裕ない…」と言う人がいましたら、心の大掃除の必要性大です。

今の時期、テレビではお掃除洗剤のCMが盛んですが、心の洗剤は、教えてくれません。

忙しいこの時期に放っておいたあのこと、このことをスッキリさせたくて、セラピストに相談に駆け込む方も案外、多いです。
でも、そんな時間、もう残ってないという人のために、
この年末、まだ間に合う「自分でできる年末、心の大掃除の仕方」をお伝えします。


イライラが残る人に

まず試していただきたいのが、この方法。
準備は、新聞紙でもいいので、紙を筒状にしたもの。使わないで巻いたまま仕舞ってあった今年のカレンダーなどは、最適ですね。ただし、金属が付いていたら、外してください。
もうひとつは、クッションです。古めのもので、構いません。

察しの良い方は、お分かりですね?
そう、叩いてください。思い切り、気が済むまで、やっちゃってください。
よくボクシングのサンドバッグを叩いたらストレス解消できそう、気持ち良さそう、と言う人がいますが、そんな方にもこの方法は、オススメです。

気をつけていただきたいのが、他の人がいない時にやること。
叩いている姿を人に見られると「大丈夫?」と心配されます。
それに、人目を気にして本気で叩けなくなっては、意味がありません。

やるなら「もういい、スッキリした!」と思うまで徹底的にやってください。
大掃除ですから、一度で足りなければ、二度でも三度でも。翌日でも。

やってみるとわかりますが、最初はそれほどでなくても、だんだん心の奥から何かわけがわからないものが沸き上がってくるように感じることも。

イライラの元が怒りであるとは限りません、わけわからないものは、抑えていた感情などですから、やっと表に出ようとしているのです。

そこで止めると、せっかく表に出ようとしているそのわけわからないものを未消化なまま、また戻すことになります。

そこは、本当にスッキリするまで、叩いて下さい。そのわけわからないものの正体は、何かの感情ですが、それがある理由を知る必要はありませんし、わからないでしょう。

意外な副作用がでることがあります。
それは、涙が出てくること。

例えば、叩くうちに誰かの顔が思い浮かび、その人に向かって何かを言いながら叩いている人も出てくるでしょう。
「アイツ、許せねぇ」、「何で私のこと、わからないの」「何であいつを評価されるのに、私がダメなの」、「何で私じゃなくて、彼女なの」とか…。

この場合、相手の顔を思い浮かべて、叩いているようですが、責めているのはその人ではなく、結局、自分になっていきます。

表に出ているのが怒りのようで、実は自分への怒りや悲しみ、自分を否定する気持ちがあることはよくあることです。もしも、叩くうちに自分が辛くなるようでしたら、次の方法を試してください。


出さない手紙を書く

クッションを叩く方法で、誰かを思い浮かべてしまうなら、その人に対して出さない手紙を書きましょう。

叩く方法をスルーした人でも、今まで言いたいことがあっても言えなかった人には、この方法は有効です。

「出さない手紙」は、言いたいことを手紙に書いても、出さない、渡さないので、言いたいことを書き放題できます。

なんだかスッキリしなかった理由は、
心の奥に、表現したいけれどできなかったことが、滞っていているから。
つまり表現ができずに「心が便秘」して詰まっていると思ってください。

ネガティブな内容では、その人に言いたい文句、苦言、どんなに傷つけられたのかわかって欲しい、とか何でもアリです。
ここでは、読まれないことを前提にして書きますので、どんなに感情をぶつけるような表現を使っても、問題ありません。

一方で、言えなかったお礼、感謝の気持ち、お詫び、もしかしたら告白したかったのにできなかった思いなど、そんな気持ちも、言えないまま心に秘めている人も、この方法が有効です。

それから、もちろんですが、今年のできごとに限ったことではありません。

子供の頃、傷つけられたり誤解をされたままの言動の相手、特に多いのは親。 教師、同級生などに、言いたいことが言えなかったまま胸に抑え込んでいる場合も、ぜひやってください。「あなたのせいで、こうなった、と恨みを書くのはいかがなものか…などは脇に置いて、この際、思わず出てきた気持ちはとにかく書いてみることです。

それから、すでに亡くなってしまい、直接話すことができなくなって、上に書いたような心残りがある人にもやってください。特に「これを伝えておきたかった…」と思う人にも、この方法が使えます。

出さない手紙、内容によっては書きながら辛くなる人もいます。今まで向き合えなかった気持ちが表に出てくるからです。
イライラも上司が相手だと思ったら、上司に父親を投影していた、母の姿を見ていたというように、隠れて出てくることもあります。

感情や気持ち、思いは、自分の胸にとどめていると、心が便秘して、自分が何を感じているのかも気づけなくなることがあります。


手紙を書くと、その感情や気持ちは、紙の上の文字になって物質化されます。
見えない思いは処理するのが難しいですが、物質化されたあなたの思い、気持ちは、処分できます。

思いっきり、びりびりに破くこともできれば、シュレッダーにかけるのもOK、環境が許せば燃やすのもアリです。
目に見える処理ができます。

もしも、それだけではスッキリしないのなら、何度でも書いて下さい。そして、書いたことを読み直したら、処分してください。

これが、心の大掃除になります。


とことん書ききったら、成長した自分に会える

スッキリするまで手紙を書けたら、おそらく客観的に距離感を持って、その相手との状況を見つめることができてくるはず。
少し超えた視点でその状況を理解できるようになれば、スッキリを超えて、癒されます。

なぜなら、相手への理解が生まれ、赦せるようになる場合も。
そうなったら、何よりの癒しになります。

特に親に対しては、それができると、ずいぶん違ってくるでしょう。

今年のドラマは、冬ドラでも、母子密着など、母が重い話をこちらのコラムでも3月に書きました

そして、この秋ドラでも、キャスティングが井上真央さん、及川光博さん、仲間由紀恵さん…と豪華で内容も良かったのですが、やや地味な印象だった「明日の約束」というドラマも、
母が重いというテーマが含まれました。

親は、処理できなかった感情の相手としては、大きい存在であることが多いです。
おそらく、ドラマのテーマになることも、これからもあるでしょう。

手紙を書く内容について、自分を責める必要はありません。素直な気持ちを相手にぶつけるつもりで、書くうちに、客観的に状況が見えた時、
自分の意識も変わって、成長していることに気づけるのではないでしょうか。

新年に備えるとは、そういうことでもあります。

なお、自分でやって辛くて処理しきれないことに気づいたら、無理せず、セラピストやカウンセラーの力を借りてくださいね。

私はフラワーフォトセラピストなので、お花の写真を使って感情の表現を手伝います。トップに挙げた写真は、「怒り」に気づくことと解放を手伝います。


どうぞ、良いお年をお迎えください。数は少なかったですが、今年もお読みいただき、ありがとうございました。