学生から高齢者まで、多世代が交流できる街を目指して、東京都中野区内で進められている「江古田(えごた)の杜プロジェクト」についての記者発表会が、2017年12月12日、同地に建設中の「リブインラボ」で行われた。

「リブインラボ」は、プロジェクトの中で食堂・レストラン機能やイベントスペース、キッズルームなど多機能を担う施設。今回の発表会では、「リブインラボ」の運営事業者が発表され、食堂・レストラン機能を担う事業者から、ランチタイムにあわせて、定食がふるまわれた。


リブインラボ外観CG

笑顔と暖かさを 「サービス業として」の食堂を目指す

「江古田の杜プロジェクト」は、都市再生機構(UR)と積水ハウス、総合東京病院が進めているプロジェクト。学生、ファミリー世帯、高齢者まで様々な年齢層向けの複数の賃貸・分譲マンションをメインとした、「多世代により育まれる持続可能な地域」を作ることをコンセプトにしたエリアマネジメントプロジェクトだ。隣接する「江古田の森公園」の自然や、総合東京病院などと合わせ、緑、防災、多世代・子育て、健康・スポーツの4つのテーマを軸に開発が進められている。

その中の「リブインラボ」は「まちのリビング」として、食堂・レストラン、イベントスペースといった居住者の交流の場をはじめ、付帯施設として子育て世代向けの認可保育所や学童クラブ、コンビニなどもあり、災害時には防災拠点ともなる多機能施設となっている。今回の発表会では、食堂・レストラン機能を担う事業者サニーテーブルの紹介が行われた。


リブインラボ内観イメージ


左から積水ハウスの宮島一仁部長、サニーテーブルの高橋滋会長、積和不動産の小山健取締役

サニーテーブルは、レストラン「Casita(カシータ)」を青山などに展開する企業で、会長の高橋滋氏は発表の中で以前にフィリピンのリゾートで受けた「名前を呼ぶ」というサービスに感銘を受けて、笑顔や暖かさを含めた「サービス業」としてのレストランをコンセプトとして始めたことを語り、

「地域密着型のダイニングで、何度もお見えになる方が多くなる。人を感じないビジネスが多いなかで、また行きたくなるような、飲食業ではない、サービス業の空間を作りたい」

と、江古田の杜プロジェクトで実現したいことについて述べた。


サニーテーブルの高橋会長

試食会では、同社が運営する飲食店「青山食堂」の定番メニューであるハンバーグとから揚げの定食が提供された。



このメニューがそのまま提供されるのか、提供メニュー内容については今後運営方針を詰めていく中で調整していくというが、提供された定食はボリュームのあるメイン2品に加え、サラダ、小鉢、みそ汁にデザートもついており、学生寮や医療従事者向け住宅に住む自炊の時間が取りにくい人々にとってもアピールできる内容となっていた。

2006年に始まった「江古田の杜プロジェクト」は、17年4月には総合東京病院B棟が竣工しており、今度は18年2月に分譲マンション、8月に賃貸マンションと続き、10月にまちびらきを予定している。