自身4度目となるヨーロッパ・ゴールデンシューを獲得したメッシ。家族やライバル、未来などについて多くを語った。

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 昨シーズンのリーガ・エスパニョーラで37ゴールを挙げたバルセロナのリオネル・メッシは、現地時間11月24日にヨーロッパ・ゴールデンシュー(欧州シーズン得点王)を受賞した。レアル・マドリーのクリスチアーノ・ロナウドと並ぶ通算4度目の受賞だ。

 もちろん、メッシは受賞を喜んでいる。だが、それ以上に彼が大事にしているのがチームの勝利だ。イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』のインタビューでメッシは、「とても素晴らしい賞だけど、いつも言っているように僕が優先するのは個人賞ではない」と述べた。

「(個人賞よりも)チャンピオンズ・リーグ(CL)やリーガでまた優勝したい。それが僕の一番の目標だから。ただ、こういうトロフィーを自宅に飾れるのは素晴らしいことだけどね」

 チームのトロフィーをめざすのは、来年のワールドカップでも同じだ。メッシはライバルとなる優勝候補を問われると、現世界王者のドイツをはじめ、ブラジル、スペイン、フランスの名を挙げた。

 そして、世界王者の称号の前に目標となるのが欧州王者のタイトル。CLの優勝候補についてメッシは、

「今はマンチェスター・シティが最強のチームだと思う。あと、パリ・サンジェルマンもね。ただ、やはりマドリーを忘れるわけにはいかない。バイエルンとも最後まで争うことになるだろう」と答えている。

 だが、宿敵マドリーは今シーズンのリーガで苦戦しており、バルサとは早くも勝点10差がついている。それでもメッシは、ライバルの危機が「一時的なものでしかないよ」と警戒を緩めていない。

「チームや選手のレベルを考えると、マドリーがこのまま低空飛行を続けるとは思えない。シーズンの最終局面では、結局彼らとすべてのタイトルを争っている気がするよ」

 チームだけでなく、マドリーはエースのC・ロナウドもリーガで1得点とスランプに陥っている。近年のバロンドールを分け合ってきたライバルの不調により、来年のメッシの受賞は確実のような気もするが、メッシ自身は、そうは考えていないようだ。

「いまのフットボール界には、バロンドールを受賞できる優秀な選手がたくさんいる。この数年は僕らふたりが受賞してきたけど、ネイマールやキリアン・エムバペ、ルイス・スアレスといった選手も有力なバロンドール候補さ」

 ただ、近年のサッカー界をけん引してきたのがメッシとC・ロナウドであるのは間違いない。C・ロナウドは以前、いつかメッシとは友人関係になるかもしれないと口にしたが、はたしてメッシはどう考えているのだろうか。

「友情は同じ時間を過ごし、互いを知ってこそ作られるもの。いまの僕らにそうした関係はない。授賞式でたまに会うだけで、話をする機会だってそこしかない。僕らの間はすべてうまくいっているけど、僕らの人生はあまり交差していない」

 その一方で、メッシの人生に大きな影響を与えたのは、アントネッラ夫人との間に生まれた子供たちだ。子供の誕生ですべてが大きく変わったというメッシは、普通の家庭と同じように子育てをしていると明かした。その子供たちから一緒にサッカーをしようと求められることは、普段はあまりないという。

「(2歳の)マテオのほうはたまにあるかな。(5歳の)チアゴはもう自分のチームに入って練習に行っているんだ。でも、一緒にプレーしてくれと頼まれることはない。ふたりとも右利きだしね」

 家族の間でサッカーが話題になることも少ないというメッシだが、30歳になったこともあってか、引退後について何度か家族で話したことはあるという。だが、まだとくに決めてはいないと明かした。

「いまは正直分からないけど、監督はおそらくやらない。それはずっと言ってきた。僕にはそのフィーリングがないんだ。これから考えが変わるかもしれないけど、まだ僕には何年も残されているし、まずは様子を見よう。キャリアの終わりが近づいたら、何かしら決めるよ」