約半月に渡ってサッカー界の注目を浴びたドンナルンマの去就問題。ハッピーエンドで決着するのか? (C)Getty Images

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 大騒動の末に、最後はハッピーエンドを迎えるのだろうか。ミランからの契約延長オファーを断ったイタリア代表GKのジャンルイジ・ドンナルンマが、最終的には延長に応じる決意をすでに固めているという。イタリアの『スカイ・スポーツ』が現地時間6月30日に報じた。
 
 ミランは6月15日、ドンナルンマの代理人であるミーノ・ライオラと会談した末に、選手サイドから契約延長オファーを断られたと発表。これにより、現行契約が2018年6月までのドンナルンマは、今夏ないし来年夏の移籍が確実になったと騒がれた。そして、レアル・マドリー、マンチェスター・U、パリSG、ユベントスなどが獲得に乗り出したと見られた。
 
 子供の頃からミラニスタで、3か月前にユニホームのエンブレムにキスをするほどの「ミラン愛」を示し、クラブから18歳には破格と言える500万ユーロ(約6億円)の年俸提示があったにもかかわらず、ドンナルンマがオファーを断ったことは、ミラン・サポーターを激怒させた。
 
 SNSでは名字とドルをもじった「Dollarumma」というハッシュタグが誕生。ポーランドで開催されたU-21欧州選手権の初戦では、一部のファンがドンナルンマに偽ドル札を投げつけたほどだった。
 
 しかし、国内外で大きな議論を呼んだ騒動は、すぐに新たな展開を迎える。ライオラ代理人とミランのマルコ・ファッソーネCEOが再交渉の可能性に言及。バカンス中にもかかわらず自宅に出向いてくれたヴィンチェンツォ・モンテッラ監督と話し合った父親のアルフォンソ氏も、残留に好意的なコメントを残した。
 
 親族との会談を終えた指揮官も、「私はドンナルンマの家族とも良い関係を築いている。彼らは私をコーヒーの席に招いてくれて、和やかな雰囲気で談笑したよ。ドンナルンマがミランでプレーし続けることを決意してくれると願っている。ミランにとって欠かせない存在だからね」と語った。
 
 そして6月25日、ミラン退団に前向きとされていたライオラ代理人が「U-21欧州選手権が終わったらミランと会う」と、再交渉を認めたのである。
 
 ドンナルンマは一連の騒動に心を痛め、悲しんでいたとされる。義兄はU-21欧州選手権中に涙も見せたと明かした。だが、少なくとも公の場で、ドンナルンマは本音を明かしていない。25日にはインスタグラムでクラブへの愛情と再交渉に言及したが、その後に「ハッキングされた」とアカウントを削除。翌日の会見でも、「動じていない」と強調しただけで、去就については言及しなかった。
 
 しかし、スカイ・スポーツによると、ドンナルンマはすでに契約延長という結論を出しており、「しかるべき人」にその意向を連絡済みという。加えて7月5日から高校卒業の試験が始まることもあり、週明けに予定されるクラブとの交渉にも出席しないとのことだ。会談にはライオラ代理人のグループとアルフォンソ氏が出席するという。
 
 これまでライオラ代理人は、マドリーやマンチェスター・Uへの移籍を後押ししていると言われていた。しかし、最終的には本人の意向が勝ったということか。
 
 7月5日はミランがミラネッロでプレシーズンキャンプをスタートさせる日でもある。そのためスカイ・スポーツは、5日までに決着がつくと予想した。それは、相思相愛だったミランとドンナルンマの蜜月関係が続くという決着なのだろうか。注目が集まる。