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●積極的に摂りたいのは魚介類と小魚

「年齢を重ねると骨密度が低くなって、骨折しやすくなる」といった趣旨の話は、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。ただ最近は、どうやら年配の人に限った話ではなく、若い人にも骨密度低下の魔の手が忍び寄っているようだ。

昔は「一日1本の牛乳を飲んでいれば大丈夫」なんて風潮もあったが、大人になると乳製品の摂(と)りすぎはコレステロールなど別の心配が出てくる。さらに「体質が合わない」「アレルギーがある」などの問題を抱える人も少なくない。では、どのような方法でカルシウムを補えばいいのか。管理栄養士の板橋里麻さんに伺った。

○簡単レシピで手軽にカルシウムを

「骨密度を高めるにはカルシウムの補給が大事なのですが、積極的に摂りたいのは魚介類。特に小魚などはカルシウムを多く含んでいるだけでなく、カルシウムの吸収を高めるたんぱく質も多く含まれています」と板橋さんは話す。

スナック感覚で食べられる小魚もいろいろな種類が売られているため、小腹が空いたときのおやつに食べるのもいいかもしれない。さらに、桜えびやしらすなどを意識して料理に利用するのも方法の一つだ。

とはいえ、「これらを日常的に食べるには、料理のレパートリーが多くないと難しそう……」と感じる人もいるはず。そんな心配を吹き飛ばしそうな簡単なメニューを板橋さんが教えてくれた。

「しらすはフライパンにごま油を熱して、大根の葉っぱ、ごまなどと一緒にしょうゆを加えて炒っておくと、3〜4日冷蔵庫で持ちます。これはご飯のお供や混ぜご飯に最適。ほうれん草のおひたしに加えたり、納豆や卵焼きに加えたりしてもおいしくいただけます」

桜えびは丸ごと活用することで、カルシウムを最大限に摂りこみたいという。

「桜えびは殻ごと食べられるので、殻のカルシウムまでしっかり摂取できます。さらに旨味が強いので、スープに入れるといいダシが出ます。塩焼きそばやチャーハンの具材にしてもおいしいですよ」

定番メニューにひと加えするだけなら簡単だし、料理にそれほど自信がなかったり、毎日忙しかったりする人も活用できそうだ。

○カルシウムとビタミンDの良好な関係

そんなカルシウムの吸収を促してくれるのがビタミンDだ。紫外線を浴びることで体内で生成されるため、不足する心配はあまりなさそう。だが、キノコ類や魚類に多く含まれていることは覚えておいて損はないだろう。

●イソフラボンとカルシウムを一度に摂取できるフォー

また、女性は更年期になって女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少すると、骨粗しょう症を招きやすくなる。予防のためには、大豆食品などに多く含まれているイソフラボンの摂取を意識することも大切。イソフラボンを有効活用するためには、腸内環境をよくすることも心掛けたい。

○乳製品を使わなくてもクリーミー

さらに板橋さんお勧めのカルシウム強化メニューも教えてもらった。それがこの「桜えびとしらすの豆乳のフォー」だ。

魚介類と豆乳を合わせたクリーミーなフォーは、乳製品は一切使っていないがカルシウムはたっぷり。女性に発症率の高い骨粗しょう症はカルシウムの補給も大切だが、女性ホルモンのバランスも深く関係してくる。

大豆を原料とする豆乳に含まれるイソフラボンは、ホルモンバランスの乱れからくる骨粗しょう症を予防する効果が期待できる、女性の強い味方。桜エビやしらすなど、カルシウムの多い食材と合わせて摂るのがお勧めだ。

○桜えびとしらすの豆乳のフォー

材料(1人分)

フォー 50g / 桜えび 5g / 豆もやし 適量 / 生しらす 20g / パクチー 適量 / ラー油 お好みで

A(水 150ml / 豆乳 150ml / 鶏がらスープ 小さじ1 / ナンプラー 小さじ1 / 塩 適量 / こしょう 適量 / しょうが 少々)

つくり方

1. 小鍋にAと桜えびを加え、加熱する。桜えびの香りが出てきたら、もやしを加えてさっと加熱する。

2.フォーをゆでる。

3.器に1と2、生しらす、パクチーを盛りつける。お好みでラー油を加えて完成。

調理時のポイント

■フォーがないときには、そうめんでもOK

■ナンプラーが手に入りにくい場合はしょうゆでも可能

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