珍合コン「利きみかんコン」に潜入してきた。目隠しして品種を当てるとモテるのか
英語のできる人がペラペラと外国人としゃべってたり、野球のグッドプレイヤーがバッティングセンターでかっ飛ばしてたり、料理上手な人がみんなにごちそうを振る舞ってたり……。長所がポロッとこぼれ落ちる瞬間は、まぎれもなくモテポイントです。
そういえば先日、みかんの品種に詳しい人へスポットライトが当たる場へ行ってきたのですが。これって、モテにつながると思いますか?
「株式会社いろもの」(東京都渋谷区)は、月一回のペースで「利き○○」をテーマにした合コンイベントを開催しています。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』で「利き缶コーヒー」とか「利きタバコ」とかありますけど、あれをイメージしてみてください。
同社が昨年12月に開催したのは、その名も「利きみかんコン」。
まず、男女混合で4人一組にチーム分け(4チーム)されます。その後、目隠しした状態で6種類のみかんが差し出されるので、それらを食べて品種を当てるゲーム。こうしたくだりの中「違いのわかる異性」「目利きの利く異性」と出会ってしまおう! ……というコンセプトのようです。
同社代表の山田陵さんに、「利き○○コン」を始めた経緯を伺いました。
「2015年のクリスマス、完全に本気のテンションで街コンへ行ったんです。でも会場に入ると男性が85人で女性が15人くらいでした。男性料金は8000円くらいするんですが、ごはんはケータリングの一番安そうなのが30人分くらいしかなくて。2012年に『街コン』は流行語にノミネートされましたがサービスはそれから向上せず、今では斜陽になってると言えます。また日銭を稼ぐことを目的とした業者さんが多いのが現状なので、もっといいサービスを与えられたら……と考えました」(山田さん)
この日、まずはゲーム前に約20分間の準備タイムが設けられています。ここで自由にみかんを食べ、味を覚えてください。
ゲームのために用意されたのは「真穴みかん」、「有田みかん」、「西宇和みかん」、「華たちばな」、「興居島みかん」、「紅まどんな」の6品種。
「これ、すっぱいよ!」「俺、ダメだ。わかんねえなあ」と様々な声が参加者たちから飛びますが、是非ともここで目利きの腕を磨いていただきたい。実際、記者も全てのみかんを試食しましたが、それぞれの品種は明らかに異なります。甘さも違うし、酸っぱさも違うし、瑞々しさも違う。どのみかんがどんなテイストか体で察知したら、メモ等に書き込んでゲームに臨むといいでしょう。
でも、一つだけ明らかに他とは違う品種が混じってるのは何なのか。「紅まどんな」なるみかん、味云々以前の問題として大きさがボコンとでかいんですけど……。口に入れたら、絶対わかっちゃうはずですよ?
「全員がわかるような品種が混じっていると、それを軸にコミュニケーションがとりやすくなるんですね。答えが合わせやすくなり、会話が生まれます。あと、女性へのサービス問題としてわかりやすい品種を出題してあげると、相手チームとのコミュニケーションも生まれます。“絶対わかるもの”と“わかりにくいもの”が二極化するよう、あえて意識しました」(山田さん)
要するに、ゲーム内で“優しさ”を見せるタイミングも存在する。これは、まぎれもなくモテポイントでしょう!
こうした“予習”を踏まえ、総当りで3試合が行われました。出題と回答は、1試合1回ずつ。何度も言いますが回答者側は配布されたアイマスクを着け、何を食べるのかわからない状態で味わうことがルールです。
出題チームは4種類のみかんを選び、回答チームはどのみかんを食べたのか予想する。要するに、1ゲームにつき最大4ポイントが各チームに入る計算になっています。
いざ味見が始まると、出題チームからは「いい線行ってる!」「引っ掛けあるよ!」といったヒントが飛び、回答チームからは「わかった!」なんて歓声が上がりました。あと、みかんの剥き方に民度が表れてるのも合コンとしては重要ポイントですな……。
実はこの「利きみかん」、意外と難しいんです。なかなか当たりません。だってこの日、優勝チームが獲得したのは3ポイントのみだったんだもの。3ゲームもやったのに! ちなみに個人成績優秀者は、2ポイント獲得した方でした。
ゲーム後はみかんを食べながら、男女が自由に語らい合います。「面白かった」「俺、利きビールならいける!」なんて声が飛び交うなか「みかんって人生だよね」と妙に深げな台詞まで飛び出したのは、記者も笑ってしまいました。それ程までに充実感を覚えたのでしょうかね。
「利き○○」の一番の売りは、目利きのある人をその場で発見できるというシステム構造。でも、果たしてこれがイコールで「モテる」につながるのでしょうか……?
「正解を出すと、“きっかけ”にはなると思います。当てていらっしゃる人の方が注目を浴びますし、その場では主役にはなりやすいです。カッコ良く見えるかもしれないですしね(笑)」(山田さん)
他にも、“ゲーム性”を前面に押す切実な理由があるようです。
「“出会い”を前面に押し出しすぎると、意外と女性から敬遠されるんです。『がんばって出会いを求めてるのは恥ずかしい』という思いを実は多くの女性がお持ちなので、イベント性が前に出てくると参加していただきやすいんです。『楽しそうなことをしに行った結果、出会う』という構造ですね」(山田さん)
あと、引っ込み思案な人にも打ってつけ。通常の街コンだと会話が盛り上がらなくてお葬式状態になることも少なくないですが、「利き○○」のようなテーマ性があるとコミュニケーションが取りやすくなります。
そして、今後について。
「毎月、その時期の旬の果物とか食材をテーマに『利き○○コン』を開催しています。12月はみかんでしたが、11月は日本酒で、10月が白米でした。1月はいちごをテーマにしますし、2月はりんごを予定しています。あと、食べてるものもわからないくらい真っ暗闇の状態にし、会話だけで相手を選んでいただく『暗闇合コン』も行います。握手したり匂いを嗅いだり、視覚以外の五感を使って相手を選ぶシステム。お互いが両思いにならないと相手の姿が見れないルールにし、初デートで顔合わせするという流れです」(山田さん)
ちなみに同社が開催する「利き○○コン」、参加者の主な年齢層は27〜28歳だそう。この日潜入した記者は、普通の合コンよりかなりハードルが低い印象を受けました。ゲーム性によって何かが中和され、みんなそんなにがっついてなかったので。もちろん、帰り道などでスマートに連絡先を交換し合ってます。やることはやっている。
(寺西ジャジューカ)
そういえば先日、みかんの品種に詳しい人へスポットライトが当たる場へ行ってきたのですが。これって、モテにつながると思いますか?
みかんの品種をズバッと言い当て、「目利きの利く人だ」とモテてみたい!
「株式会社いろもの」(東京都渋谷区)は、月一回のペースで「利き○○」をテーマにした合コンイベントを開催しています。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』で「利き缶コーヒー」とか「利きタバコ」とかありますけど、あれをイメージしてみてください。
まず、男女混合で4人一組にチーム分け(4チーム)されます。その後、目隠しした状態で6種類のみかんが差し出されるので、それらを食べて品種を当てるゲーム。こうしたくだりの中「違いのわかる異性」「目利きの利く異性」と出会ってしまおう! ……というコンセプトのようです。
同社代表の山田陵さんに、「利き○○コン」を始めた経緯を伺いました。
「2015年のクリスマス、完全に本気のテンションで街コンへ行ったんです。でも会場に入ると男性が85人で女性が15人くらいでした。男性料金は8000円くらいするんですが、ごはんはケータリングの一番安そうなのが30人分くらいしかなくて。2012年に『街コン』は流行語にノミネートされましたがサービスはそれから向上せず、今では斜陽になってると言えます。また日銭を稼ぐことを目的とした業者さんが多いのが現状なので、もっといいサービスを与えられたら……と考えました」(山田さん)
わざとわかりやすいみかんを差し出し、“優しさ”をアピールするという手も
この日、まずはゲーム前に約20分間の準備タイムが設けられています。ここで自由にみかんを食べ、味を覚えてください。
ゲームのために用意されたのは「真穴みかん」、「有田みかん」、「西宇和みかん」、「華たちばな」、「興居島みかん」、「紅まどんな」の6品種。
「これ、すっぱいよ!」「俺、ダメだ。わかんねえなあ」と様々な声が参加者たちから飛びますが、是非ともここで目利きの腕を磨いていただきたい。実際、記者も全てのみかんを試食しましたが、それぞれの品種は明らかに異なります。甘さも違うし、酸っぱさも違うし、瑞々しさも違う。どのみかんがどんなテイストか体で察知したら、メモ等に書き込んでゲームに臨むといいでしょう。
でも、一つだけ明らかに他とは違う品種が混じってるのは何なのか。「紅まどんな」なるみかん、味云々以前の問題として大きさがボコンとでかいんですけど……。口に入れたら、絶対わかっちゃうはずですよ?
「全員がわかるような品種が混じっていると、それを軸にコミュニケーションがとりやすくなるんですね。答えが合わせやすくなり、会話が生まれます。あと、女性へのサービス問題としてわかりやすい品種を出題してあげると、相手チームとのコミュニケーションも生まれます。“絶対わかるもの”と“わかりにくいもの”が二極化するよう、あえて意識しました」(山田さん)
要するに、ゲーム内で“優しさ”を見せるタイミングも存在する。これは、まぎれもなくモテポイントでしょう!
意外に難しい。全然当たらない
こうした“予習”を踏まえ、総当りで3試合が行われました。出題と回答は、1試合1回ずつ。何度も言いますが回答者側は配布されたアイマスクを着け、何を食べるのかわからない状態で味わうことがルールです。
出題チームは4種類のみかんを選び、回答チームはどのみかんを食べたのか予想する。要するに、1ゲームにつき最大4ポイントが各チームに入る計算になっています。
いざ味見が始まると、出題チームからは「いい線行ってる!」「引っ掛けあるよ!」といったヒントが飛び、回答チームからは「わかった!」なんて歓声が上がりました。あと、みかんの剥き方に民度が表れてるのも合コンとしては重要ポイントですな……。
実はこの「利きみかん」、意外と難しいんです。なかなか当たりません。だってこの日、優勝チームが獲得したのは3ポイントのみだったんだもの。3ゲームもやったのに! ちなみに個人成績優秀者は、2ポイント獲得した方でした。
ゲーム後はみかんを食べながら、男女が自由に語らい合います。「面白かった」「俺、利きビールならいける!」なんて声が飛び交うなか「みかんって人生だよね」と妙に深げな台詞まで飛び出したのは、記者も笑ってしまいました。それ程までに充実感を覚えたのでしょうかね。
“がんばって出会いを求めてる人”に見えないシステム
「利き○○」の一番の売りは、目利きのある人をその場で発見できるというシステム構造。でも、果たしてこれがイコールで「モテる」につながるのでしょうか……?
「正解を出すと、“きっかけ”にはなると思います。当てていらっしゃる人の方が注目を浴びますし、その場では主役にはなりやすいです。カッコ良く見えるかもしれないですしね(笑)」(山田さん)
他にも、“ゲーム性”を前面に押す切実な理由があるようです。
「“出会い”を前面に押し出しすぎると、意外と女性から敬遠されるんです。『がんばって出会いを求めてるのは恥ずかしい』という思いを実は多くの女性がお持ちなので、イベント性が前に出てくると参加していただきやすいんです。『楽しそうなことをしに行った結果、出会う』という構造ですね」(山田さん)
あと、引っ込み思案な人にも打ってつけ。通常の街コンだと会話が盛り上がらなくてお葬式状態になることも少なくないですが、「利き○○」のようなテーマ性があるとコミュニケーションが取りやすくなります。
そして、今後について。
「毎月、その時期の旬の果物とか食材をテーマに『利き○○コン』を開催しています。12月はみかんでしたが、11月は日本酒で、10月が白米でした。1月はいちごをテーマにしますし、2月はりんごを予定しています。あと、食べてるものもわからないくらい真っ暗闇の状態にし、会話だけで相手を選んでいただく『暗闇合コン』も行います。握手したり匂いを嗅いだり、視覚以外の五感を使って相手を選ぶシステム。お互いが両思いにならないと相手の姿が見れないルールにし、初デートで顔合わせするという流れです」(山田さん)
ちなみに同社が開催する「利き○○コン」、参加者の主な年齢層は27〜28歳だそう。この日潜入した記者は、普通の合コンよりかなりハードルが低い印象を受けました。ゲーム性によって何かが中和され、みんなそんなにがっついてなかったので。もちろん、帰り道などでスマートに連絡先を交換し合ってます。やることはやっている。
(寺西ジャジューカ)