【今さら聞けない】タコメーターのレッドゾーンって何?

写真拡大 (全9枚)

エンジンの許容回転数を示す境界エリア

エンジンの回転数を表示するのがタコメーター。目盛りが付いていて、針の動きで今のエンジン回転がわかるものなのだが、高回転部分の文字や目盛りが赤くなっている。これがレッドゾーン。

タコメーターそのものが、実用車や低級グレードには付いていないこともあるけど、最近はATが主流で、それほど回さないからというのもあるのだろう。クルマ好きとしては、回転数を意識しながら走りたいし、アクセルの踏み加減を知ることもできるので、うまくスイートスポットを維持できれば、燃費にも好影響だったりする。

確かに目一杯アクセルを踏んで、レッドゾーンまで回すことはなくないかもしれないけど、レッドゾーンというのはそもそもなんだろうか。意味としては、エンジンを回しても問題ないですよ、という許容回転数のこと。

車種やエンジンの種類、味付けにもよるけど、6500回転から8000回転(単位はrpm)とかだろうか。バイクであれば1万回転超えは当たり前。F1では一時は2万回転弱だったりした。

ちなみにレッドゾーンの始まりの回転数はレブリミットといい、これを超えることはオーバーレブという。もちろん余裕は見ているので、超えたらすぐにエンジンが破損することはないけど、超えないに越したことはないし、リミッターが付いているので超えることはない。

ただし、MT車でのシフトダウンにおいてはオーバーレブを防ぎようがないので、悪しからずだ。

また性能的にも、エンジンの最高出力は基本的にレッドゾーン手前で発生するので、無理して回してもパワーは先細るだけで、意味はない。

では、レッドゾーンで回し続けると、破損するのはわかるのだが、具体的にエンジン内部はどうなるのだろうか。まず一番の問題がバルブ。吸気と排気のバルブが常に開閉しているのはご存じだろうけど、ここはスプリングで押さえつけていて、カムが押したときだけ開くという仕組み。まさにポコポコ閉じたり開いたりしている。

リズミカルに動いているのが、高回転だと閉じるのが間に合わなくなるなどしてしまい、ピストンとクラッシュ。バルブサージングという現象で、こうなると当然エンジンはオシャカだ。

またオイルの潤滑が間に合わず、油膜切れで焼き付きなども起る可能性も高まる。バルブのないロータリーエンジンのレッドゾーンはこちらの対策として決められている。

(文:近藤暁史)