マレーシアとシンガポール両政府が19日に両国を結ぶ高速鉄道を2026年までに実現することで覚書を交わしたことに対し、中国では受注に向けて自信を示す報道が相次いで見られる。(イメージ写真提供:(C)Sakarin Sawasdinaka/123RF.COM)

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 マレーシアとシンガポール両政府が19日に両国を結ぶ高速鉄道を2026年までに実現することで覚書を交わしたことに対し、中国では受注に向けて自信を示す報道が相次いで見られる。

 インドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画では中国側がインドネシア政府に債務負担や担保の供与を求めない破格の条件を提示したことで価格競争力を高め受注に成功したが、さらに中国メディアの中華鉄道網はこのほど、「中国高速鉄道のハード面における実力は本物」であるとし、熾烈な受注競争も恐れる必要はないと主張した。

 記事は、中国政府が自国を中心とした経済圏の確立に向け、「一帯一路」構想を推進しており、その枠組のなかで高速鉄道の輸出が推進されていると紹介、すでに多くの国と鉄道事業で協力を行っており、「中国の鉄道技術はまさに飛躍的な発展を遂げ、一部の高速鉄道技術はすでに世界をリードする水準となっている」と主張した。

 続けて、中国高速鉄道の建設にかかるコストや速度は他国に比べて圧倒的な競争力を持つとしたうえで、「高効率かつ低コストの中国高速鉄道は競争において有利である」と主張。また、設計から建設、運行、維持管理にいたるまでワンストップで高速鉄道サービスを輸出できる点も強みであると指摘したうえで、マレーシアとシンガポールの高速鉄道計画をめぐる受注競争は極めて熾烈だが、「中国高速鉄道のハード面における実力は本物であり、何も恐れる必要はない」と主張した。

 記事は、中国高速鉄道の「ハード面における実力」は本物だと自画自賛を繰り広げているが、安全な運行を管理することや、高速鉄道の建設後に現地にどれだけの経済発展をもたらせるかというプランも重要ではないだろうか。どれだけ性能が良くても、運行面でのミスがあれば重大な事故につながることは言うまでもない。開業以来、安全な運行を続ける新幹線はハード面はもちろん、ソフト面の実力も本物だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Sakarin Sawasdinaka/123RF.COM)