樟南、春の雪辱晴らす

樟南・浜屋

 春の鹿児島大会決勝で対戦した際は、神村学園が19安打13得点と猛打を浴びせて圧勝だった。夏前の前哨戦で再び神村学園が勝つのか、それとも樟南が雪辱するのか、夏を占う上でも注目の一戦だった。

 樟南の先発はエース浜屋 将太(3年)。必勝を期した先発だったが3四死球に2つの暴投、押し出しで先制点を献上し、満塁から7番・橋本 将太郎(3年)に走者一掃の三塁打を浴び、4点を先行される。

 またしても樟南は神村学園の軍門に下るかと思われたが、神村学園の先発左腕・青柳 貴大(2年)の出来も今一つ。ヒットと2つの四球で満塁となり、5番・上栗 大聖(3年)のピッチャーゴロに打ち取って本塁フォースアウト。一塁転送で併殺と思いきや、悪送球で1点を献上した。この後連続四球で2点目を献上し、2番手・満田 亮(2年)にスイッチ。8番・浜屋にも四球で1点差となった。

 2回、浜屋は立ち直り、無失点。その裏樟南は、先頭の1番・今田 塊都(3年)が二塁打で出塁し、3番・折尾 昂靖(2年)のライト前タイムリーで同点に追いついた。4番・河野 勝丸(3年)はセンターオーバー二塁打で続く。神村学園はここで3番手にエース高山 大河(3年)を投入した。

 四球で満塁となり、6番・宮下 賢(2年)はサードゴロに打ち取られたかに思われたが、本塁悪送球で勝ち越し点を挙げる。8番・浜屋にもライト前の2点タイムリーが飛び出し、この回4点を挙げて樟南が一気に主導権を取り返した。

 2回以降、浜屋は安定した投球で神村学園打線に追加点を許さなかった。5回は二死一二塁からレフト前ヒットを打たれるも、レフト・吉内 匠(3年)からの好返球で刺し、好プレーで盛り上げた。打線も4、6、8回と下位打線が粘って追加点を挙げた。

 2回以降、攻守に精彩を欠いた神村学園だったが、9回に4番・田中 梅里(3年)が、この回からマウンドに上がった畠中 優大(3年)からレフトスタンドにソロホームランを放ち、意地をみせた。

(文=政 純一郎)

注目記事・2016年度 春季高校野球大会特集