《分裂》《解散》《クーデター》……。連日メディアに躍った文字。ご存じ、国民的アイドルグループ・SMAPによる一連の騒動だ。
 彼らは最初からスターだったわけではない。下積みから這い上がってきた。今でこそ日本の芸能界を代表するアイドルだが、そもそも彼らはどんな人物だったのか。そこで、デビュー前後から彼らを直接見てきた関係者たちに取材した。
 1996年に脱退し、オートレーサーに転向した森且行もわが道を行くタイプだった。
「近藤真彦は当時からカーレースとタレントの二足の草鞋をはいていた。森クンもそれができると思っていた。ところが、大きな誤算はオートレースがギャンブルだったこと。内緒でプロテストを受けていたのもメリー副社長の怒りを買った。未成年のファンが車券を買うことをおそれて、森クンが辞めることになったんです」(事務所関係者)
 森の脱退がトップアイドルに躍り出たばかりのSMAP最初の危機。しかし、このときも各方面に手を回して“SMAPブランド”に傷をつけず、さらに国民的アイドルへと階段を上らせたのは、ほかでもないIマネジャーだった。
 ある雑誌のインタビューで草なぎ剛は、5人の関係性をこう話している。
SMAPでは、中居くんと木村くんと慎吾が攻めのタイプで、僕と吾郎ちゃんが受け身という感じ》
 この言葉を裏づけるように、あるテレビ局関係者も言う。
「5人の中では、剛が潤滑油的な役割になっていますね」
 攻めのタイプでも、香取慎吾はどこか天然で天真爛漫だ。
「デビューから取材してきた印象では、香取クンがいちばん裏表がなかった。撮影の合間、どんなに忙しいときのインタビューでも嫌な顔をされたことがありません。ただ、さすがに睡眠時間が毎日2〜3時間のときは表情が疲れきっていて、つらそうでした」(前出・テレビ局関係者)
 香取の天真爛漫キャラには、こんなエピソードもある。
「天気のいい日に10階建てのビルの屋上で、香取クンのグラビア撮影をしたんです。そうしたらリクエストしたわけでもないのに、幅30cmくらいの縁に立って、歩いたりポーズをとったりしている。
 ただ、フェンスがないから下に落ちたら即死する状況。そこにIさんがやって来て“キャー! 慎吾やめて〜!!”って悲鳴を上げた。そうしたら香取クンはヒョイッと外側に飛び降りた。
 姿が見えなくなって、一瞬みんな凍りつきました。そしたらピョコッと顔だけ出して。実は、その下にはさらに幅50cmくらいの踊り場があった。“慎吾、いい加減にしなさい!”って、Iさんは涙声になっていました」(アイドル誌カメラマン)