美味しくなるのか!? “カレーにかけるための醤油”を、半信半疑で試してみた

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SMAPの中居くんは、とんかつにソースをかけないと聞いたことがある。もちろん醤油もかけないし、塩も付けない。そのままでいただくらしい。「まず、とんかつ自体を味わいたい」という意見を持ってるそうですが、個人的には「変わってる」という印象を禁じ得ません……。
とは言え何でもかんでも調味料をかけるのは、いかがなものか。例えば、カレーにソースをかける人。なんで!? カレー自体が美味しいのに、ソースをかけてブレさす理由は何! 正直、理解できませんよ。

……と思いきや、世の中にはこんなものまであるらしい。「ヤマエ食品工業株式会社」(宮崎県都城市)が今年の4月より発売している、『カレー専用みやこん醤油』。これ、その名の通りカレーへかけるために開発された醤油であります。
「同じ都城市にあるチキン南蛮カレーの名店『カレー倶楽部ルウ』のルウ王子と“何かコラボしたいね”と話し合い、カレー専用醤油の開発に着手しました」(ヤマエ食品工業・担当者)
ルウ王子とは、要するに「カレー倶楽部ルウ」店主のこと。同地が誇る人気カレー店と、明治4年創業“醤油の老舗”である同社がタッグを組んだわけです。

兎にも角にも、まずは「味」が気になるじゃないですか。カレーに合う醤油って、一体どんなテイストなのか?
「南九州特有の甘口醤油がベースになっており、これがカレーの辛さとバランスよく融合してまろやかになります。色々な種類の醤油を試食し、辿り着いた味です。粘度高めのジュレ状に仕上げました」(ヤマエ食品工業・担当者)
ジュレ状にした理由は、普通の醤油だとカレー全体に広がってしまうから。色々な味が楽しめるよう、あえて粘度を持たせています。

半年以上の開発期間を要し、完成にこぎ着けたという『カレー専用みやこん醤油』。興味深いので、私も取り寄せてみたいと思います! 実際にカレーにかけ、その効果を体感してみたい。
……はい、届きました!

パッケージにはルウ王子が写ってて愛らしいのですが、惑わされちゃいけない。果たして、本当にカレーと醤油は合うのか? 今回の目的は、それです。

ではまず、“カレー専用醤油”そのものを調査しましょうか。試しにボトルから注いでみると、醤油なのに確かにジュレ状でした。市販のとんかつソースより、粘度高め。そして、色は濃いめ。

指に付けて舐めてみると、塩味はかなり抑えめになっています。うん、甘い! でも、醤油の旨みは損なわれてない。これ、独特です。初体験と言っていいかもしれない。

ではいよいよ、この醤油をカレーにかけますよ! タラ、タラ、タラ、タラ、タラ……。滴り方は典型的な醤油のそれではなく、醤油とソースの中間と言ったところでしょうか。

こうして注がれた醤油をルウにかき混ぜ、いただきます!

……おぉ、なるほど。まず、カレーの味が濃厚になりました。“辛さ”が主なカレーのテイストに醤油のしょっぱさがプラスされ、両者が奇跡的に際立っている。これ、スイカに塩をかけるのと同じ現象かしら? 
そして注目したいのが、“カレー専用醤油”の持つ甘み。これのおかげで、カレーの本質がスポイルされません。醤油の塩味を抑えた効果と言えるでしょう。これらの要素が融合し、稀有なケミストリーが生まれています。

さてこの“カレー専用醤油”、一体どんな時に使うべきなのか。もしカレーのみで物足りなさを感じた場合、この醤油は強い味方になるでしょうね。では、カレーのみで満足した場合は? それでも、やはり活用してみる価値はあると思う。カレーの違った一面を体感したい“遊び心”の持ち主なら、ヘビロテ間違いなし。本質をブレさせず、絶妙なアクセントとして機能する調味料なんです。さりげなさは、サラダにマヨネーズをかける感覚と大差ない。

そんな『カレー専用みやこん醤油』は、「カレー倶楽部ルウ」店舗とヤマエ食品工業の通販サイト「江夏本店」にて購入することができます。価格は、648円(税込)。
「『美味しい』、『ビックリした』、『ありえないと思ったが、イケる』といった反響が、今までに寄せられております」(ヤマエ食品工業・担当者)

個人的に、最大の特徴は“甘み”にあると感じました。これが、間口を広げている。何せ、カレーだけでなく「チーズ」「アボカド」「揚げ物」「サラダ」等とのカップリングも推奨されているのだから。
とは言え、やはりこれは“カレー専用醤油”。カレーにかけると、一際高いケミストリーが生まれます。
(寺西ジャジューカ)