【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「ベルルスコーニ・オーナーが本田をミランに残したい理由とは?」
サン・シーロでの今シーズン最後の試合で、ミランはトリノに3-0で勝利した。
しかし、ミランにはもう何も目指すものはない。遅かれ早かれミランがこういう境遇に陥ることは以前から分かっていたが、それでもやはり虚しさは残る。
おまけに今のミランは、次の監督も、組織としての未来も不明なのだ……。
現在、シルビオ・ベルルスコーニ・オーナーは、『フォルッツァ・イタリア』の党首として選挙活動に余念がない――こちらの方でもあまり芳しい成果は上がっていない――。そのため、株売却問題においても進展はあまりない。
ビー・テチャウボン氏はタイと中国とアラブ首長国連邦の間を忙しく飛び回っているし、バックに中国政府が付いている中国系コンソーシアムも、今のところは(少なくとも表向きには)静かだ。
州選挙の投票日は5月31日。この日を過ぎれば、ベルルスコーニ・オーナーはまた多くの時間をミランのために避けるようになる。全ては6月1日に再始動を始めるということだろう。
しかし、それまでは何もかもが不透明な状態が続く。ベルルスコーニ・オーナーはミランの将来に関する発言を何度も繰り返し、ミラニスタを安心させようと試みているが、結局は今後、ミランの財布を握る人物に決定権があることは分かりきっている。
もうひとつ、ミランが再出発するために欠かせないのは、経験豊かで信頼できる監督の存在だ。ミランはここまで、クラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギという駆け出しの監督にチームを任せ、立て続けに失敗している――両者の失敗の原因は大きく異なるが、それでも失敗は失敗だ――。
この失敗は、2年連続でミランがひどい結果に終わったというだけでなく、チームの財政にも重くのしかかってきている。両監督の契約はどちらも2016年6月までなので、それまでは彼らに給料を払わなければならないのだ。
ミランはもう、監督で失敗することは絶対に許されない。新シーズンには、確な手腕を持つ、トップクラスのベテラン監督を招聘する必要がある。
レアル・マドリーと決別したばかりのカルロ・アンチェロッティを招くことができれば最高だが、その他にも候補の名前は挙がってきている。ヴィンチェンツォ・モンテッラ(フィオレンティーナ)、ウナイ・エメリ(セビージャ)、アントニオ・コンテ(イタリア代表)、ルチアーノ・スパレッティ(現在フリー)……。
監督が決まると、やっと選手の去就も決まってくる。監督というものは、自分のテクニカルスタッフの他に、自分らしい戦術というものも引っ提げてやってくる。例えば、インザーギなら4-3-3で、そのために彼は常に両サイドに優秀なアタッカーを欲していた。
しかし、チームを大きく改革する時にも、ベースとなる選手は必要だ。選手を全取っ替えしてしまったら、それこそ混乱して大変なことになってしまうだろう。
さて、ここからはベルルスコーニに非常に近い、ある人物から聞いた話だ。オーナーは彼に、新生ミランには「外国人選手の数は極力減らしたい」「できるだけイタリア人選手、それもアズーリ級の選手で固めたい」と語ったという。
そして、彼が今のチームで残したいと思っている外国人選手の名を3人挙げたそうだ。ディエゴ・ロペス、ジェレミー・メネーズ、そして本田圭佑だ。
オーナーが残したいと思っている、数少ない外国人選手のひとりが本田だった。なぜか?ベルルスコーニは、テクニカルで頭の良い選手が好きだ。また、礼儀正しくて高いプロ精神を持った人間も。これらは全て、本田が常日頃から見せているものである。
しかし、ミランにはもう何も目指すものはない。遅かれ早かれミランがこういう境遇に陥ることは以前から分かっていたが、それでもやはり虚しさは残る。
おまけに今のミランは、次の監督も、組織としての未来も不明なのだ……。
現在、シルビオ・ベルルスコーニ・オーナーは、『フォルッツァ・イタリア』の党首として選挙活動に余念がない――こちらの方でもあまり芳しい成果は上がっていない――。そのため、株売却問題においても進展はあまりない。
ビー・テチャウボン氏はタイと中国とアラブ首長国連邦の間を忙しく飛び回っているし、バックに中国政府が付いている中国系コンソーシアムも、今のところは(少なくとも表向きには)静かだ。
州選挙の投票日は5月31日。この日を過ぎれば、ベルルスコーニ・オーナーはまた多くの時間をミランのために避けるようになる。全ては6月1日に再始動を始めるということだろう。
しかし、それまでは何もかもが不透明な状態が続く。ベルルスコーニ・オーナーはミランの将来に関する発言を何度も繰り返し、ミラニスタを安心させようと試みているが、結局は今後、ミランの財布を握る人物に決定権があることは分かりきっている。
もうひとつ、ミランが再出発するために欠かせないのは、経験豊かで信頼できる監督の存在だ。ミランはここまで、クラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギという駆け出しの監督にチームを任せ、立て続けに失敗している――両者の失敗の原因は大きく異なるが、それでも失敗は失敗だ――。
この失敗は、2年連続でミランがひどい結果に終わったというだけでなく、チームの財政にも重くのしかかってきている。両監督の契約はどちらも2016年6月までなので、それまでは彼らに給料を払わなければならないのだ。
ミランはもう、監督で失敗することは絶対に許されない。新シーズンには、確な手腕を持つ、トップクラスのベテラン監督を招聘する必要がある。
レアル・マドリーと決別したばかりのカルロ・アンチェロッティを招くことができれば最高だが、その他にも候補の名前は挙がってきている。ヴィンチェンツォ・モンテッラ(フィオレンティーナ)、ウナイ・エメリ(セビージャ)、アントニオ・コンテ(イタリア代表)、ルチアーノ・スパレッティ(現在フリー)……。
監督が決まると、やっと選手の去就も決まってくる。監督というものは、自分のテクニカルスタッフの他に、自分らしい戦術というものも引っ提げてやってくる。例えば、インザーギなら4-3-3で、そのために彼は常に両サイドに優秀なアタッカーを欲していた。
しかし、チームを大きく改革する時にも、ベースとなる選手は必要だ。選手を全取っ替えしてしまったら、それこそ混乱して大変なことになってしまうだろう。
さて、ここからはベルルスコーニに非常に近い、ある人物から聞いた話だ。オーナーは彼に、新生ミランには「外国人選手の数は極力減らしたい」「できるだけイタリア人選手、それもアズーリ級の選手で固めたい」と語ったという。
そして、彼が今のチームで残したいと思っている外国人選手の名を3人挙げたそうだ。ディエゴ・ロペス、ジェレミー・メネーズ、そして本田圭佑だ。
オーナーが残したいと思っている、数少ない外国人選手のひとりが本田だった。なぜか?ベルルスコーニは、テクニカルで頭の良い選手が好きだ。また、礼儀正しくて高いプロ精神を持った人間も。これらは全て、本田が常日頃から見せているものである。