もちろん、選手たちにも非はある。誰も今のチームの状況を変えようと積極的に試みなかったし、誰もこのチームのリーダーになろうとはしなかった。そして誰も、苦労しているチームメイトに手を差し伸べようとはしなかった。「プロの手本」だとされている本田圭佑でさえも、何もできなかった。
 ウディネーゼ戦の後、インザーギ監督は就任以来、初めて厳しい言葉を吐いた。
 
「どん底にたどり着いた」
「皆、うわの空で頭はピッチになかった」
「こんな調子では、誰と対戦しようと負けるだろう」
「これからは、本当にやる気のある選手しかプレーさせない」
 
 そして、スタジアムからウディネの空港に向かうバスのなか、彼は選手たちの目を見ながら、ダメ押しのひと言を発した。
 
「お前たちは、ミランのユニホームを受け継ぐ者として相応しくない」
 
 この言葉に選手たちの何人かがキレ、かなり激しい言葉を監督に返した。こうして、インザーギと選手たちの溝は決定的なものとなってしまった。
 
 懲罰的な意味も込めての強制合宿も、両者の関係を修復する助けにはならない。多くの選手が、一日中ミラネッロにこもって一体、何の役に立つのかと反発した。もう目指す目標もないというのに、なぜ今さら?(ミランの公式サイトでは、合宿の期間は無期限と発表されている)
 
 バスのなかでインザーギが怒りを爆発させる前、彼の監督の地位は風前の灯にあった。ベルルスコーニ・オーナーが試合の結果に激怒し、インザーギをクビにするよう指示したからだ。しかし、ガッリーニの2度の電話がそれを思いとどまらせた。この時期になっての監督交代など、全く無意味だと説得したのである。
 
 オーナーが怒ったのも無理はない。90分間を通して、枠に飛んだシュートはたった1本だった。
 
 ミランの黄金時代の魂、インザーギを監督にすることで、選手たちにミラニスタとしての誇りを浸透させ、チームを復活させるという作戦は完全な失敗に終わった。今は新たな復活の方法を模索しなければならない。しかし、それを実行するのは別の監督、別のクラブ幹部、そしてもちろん他の選手たちだ。
 
 現在の所属選手で、来シーズンもミラネッロに残る選手は少ないだろう。ミランを去っていくだろう選手のなかには、この1月に大いなる期待をもって獲得したマッティア・デストロとアレッシオ・チェルチの名も見られる。彼らは今シーズンで、「最もがっかりさせられた」選手だった。