売却先はタイか中国か ミランと本田の今後が、今週末から動き出す?
来季の指揮官は誰になるのか、10番を背負うMF本田圭佑の処遇はどうなるのか…。クラブ売却問題に揺れるミランは、来季の姿がまったく思い描けない状態だ。だが、今週末から、事態が動き始める可能性がある。
1986年からミランのオーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニ氏は、以前からクラブの株式売却を検討している。これは周知の事実だ。交渉相手は、タイの実業家ビー・タエチャウボル氏と、リチャード・リー氏を中心とする中国の投資グループの2者だと言われる。
タエチャウボル氏が経営する投資ファンドのスポークスマンは22日、同氏が26日にミラノ入りすることを明らかにした。その目的は、「ミラン株の過半数をすぐに取得する」ことだ。
これまでタエチャウボル氏は、ミラン株の20%ほどを取得した後、さらに45%を取得することで、経営権を握ると報じられてきた。その総額は5億ユーロ程度に上るのではないか、というのが現地の見方だ。
だが、イタリア各メディアによると、中国の投資グループはベルルスコーニ氏に対し、さらに魅力的な条件を提示しているようだ。こちらは6億ユーロを出す準備があるとも言われており、ベルルスコーニ氏は当然、より高額のオファーに傾くことが予想される。具体的な日程は明らかになっていないが、中国側もミラノで再び交渉を行うとされている。
すでにタエチャウボル氏と事前合意に至っているとの報道もある。これは違約金条項を盛り込んだ本気度を感じさせるものであるらしく、今回の交渉で取引が成立しなかった場合、ベルルスコーニ氏は5000万ユーロを支払わなければならないらしい。この話が事実だとしても、中国からのオファーがそのマイナスを埋めて余りあるものならば、ベルルスコーニ氏が違約金を払ってでもタエチャウボル氏との交渉を凍結する可能性はある。
つまるところ、新オーナー候補のイタリア入りを数日後に控えた段階でも、ミランのクラブ売却がどう転ぶかは、まだまだ不透明だということだ。すなわち、来季以降のクラブとチームの運営もまた先が見えないということを意味する。
実際、現地で報じられるミラン売却後の首脳陣の顔ぶれも、毎週末のスタメン予想のごとく、メディアによってまちまちだ。長らく移籍市場でらつ腕を振るってきたアドリアーノ・ガッリアーニと、現オーナーの娘であるバルバラ・ベルルスコーニの両CEOが留任するという報道もある。一方で、レジェンドであるパオロ・マルディーニ氏が入閣するために、ガッリアーニ氏は退任に追い込まれると主張するメディアもある。
運営サイドの顔ぶれが決まらなければ、現場の顔ぶれが決まらないのは当然だ。フィリッポ・インザーギ現監督の下でチームはシーズン終盤戦に集中しているが、その先があるのかは分からない。むしろ、監督交代があるとの見方が大勢を占める。
ただし、見えているのは監督が代わるだろう、ということだけだ。クラブ幹部以上に、新監督候補の顔ぶれは多彩だ。現レアル・マドリー監督カルロ・アンチェロッティ、現イタリア代表監督アントニオ・コンテ、ドルトムントを今季限りで離れるユルゲン・クロップ、サンプドリア退団が濃厚なシニシャ・ミハイロビッチ、ロベルト・ドナドーニ、ジャンピエロ・ベントゥーラ、エウゼビオ・ディ・フランチェスコ、マウリツィオ・サッリ…。メディアには次々と候補の名が上がるが、現時点で有力候補は存在しない。
監督人事が不透明なのだから、選手の顔ぶれがどうなるかも分からない。日本のスポンサーとの関係もあるだけに、本田圭佑がわずか1年半で移籍することは考えにくいだろう。だが、背番号10がどういった扱いを受けるかは断言できない状態だ。
“助っ人”でありながらシーズン途中からゴールを決められていない本田には、現地で厳しい声も上がっている。これまでもクラブOBが辛口の評価をしたことがあったが、レジェンドであるマルディーニ氏が入閣した場合、影響は大きいのだろうか? GOALイタリア版のガイア・ブルネッリ記者は、こう話す。
「ミランは本田を売ったりはしないと思う。おっしゃるとおり、マーケティング面とアジアのマーケットを考えると大きな価値があるから。もしガッリアーニが出て行くとしても、本田は残ると思う。多くの人が、本田は背番号10にふさわしくないと考えている、という見方は正しい。もしミランがトッププレーヤーを買ったら、背番号を変えられることはあるかもしれないけれど…。でも来年もミランに残ることは間違いない」
本田がミランの背番号10をまとい続け、獅子奮迅の活躍を見せてミランを復活に導けば、日本のサポーターにとってこれほどうれしいことはないだろう。だが、今のミランは、まだすべてが不透明すぎる。
1986年からミランのオーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニ氏は、以前からクラブの株式売却を検討している。これは周知の事実だ。交渉相手は、タイの実業家ビー・タエチャウボル氏と、リチャード・リー氏を中心とする中国の投資グループの2者だと言われる。
これまでタエチャウボル氏は、ミラン株の20%ほどを取得した後、さらに45%を取得することで、経営権を握ると報じられてきた。その総額は5億ユーロ程度に上るのではないか、というのが現地の見方だ。
だが、イタリア各メディアによると、中国の投資グループはベルルスコーニ氏に対し、さらに魅力的な条件を提示しているようだ。こちらは6億ユーロを出す準備があるとも言われており、ベルルスコーニ氏は当然、より高額のオファーに傾くことが予想される。具体的な日程は明らかになっていないが、中国側もミラノで再び交渉を行うとされている。
すでにタエチャウボル氏と事前合意に至っているとの報道もある。これは違約金条項を盛り込んだ本気度を感じさせるものであるらしく、今回の交渉で取引が成立しなかった場合、ベルルスコーニ氏は5000万ユーロを支払わなければならないらしい。この話が事実だとしても、中国からのオファーがそのマイナスを埋めて余りあるものならば、ベルルスコーニ氏が違約金を払ってでもタエチャウボル氏との交渉を凍結する可能性はある。
つまるところ、新オーナー候補のイタリア入りを数日後に控えた段階でも、ミランのクラブ売却がどう転ぶかは、まだまだ不透明だということだ。すなわち、来季以降のクラブとチームの運営もまた先が見えないということを意味する。
実際、現地で報じられるミラン売却後の首脳陣の顔ぶれも、毎週末のスタメン予想のごとく、メディアによってまちまちだ。長らく移籍市場でらつ腕を振るってきたアドリアーノ・ガッリアーニと、現オーナーの娘であるバルバラ・ベルルスコーニの両CEOが留任するという報道もある。一方で、レジェンドであるパオロ・マルディーニ氏が入閣するために、ガッリアーニ氏は退任に追い込まれると主張するメディアもある。
運営サイドの顔ぶれが決まらなければ、現場の顔ぶれが決まらないのは当然だ。フィリッポ・インザーギ現監督の下でチームはシーズン終盤戦に集中しているが、その先があるのかは分からない。むしろ、監督交代があるとの見方が大勢を占める。
ただし、見えているのは監督が代わるだろう、ということだけだ。クラブ幹部以上に、新監督候補の顔ぶれは多彩だ。現レアル・マドリー監督カルロ・アンチェロッティ、現イタリア代表監督アントニオ・コンテ、ドルトムントを今季限りで離れるユルゲン・クロップ、サンプドリア退団が濃厚なシニシャ・ミハイロビッチ、ロベルト・ドナドーニ、ジャンピエロ・ベントゥーラ、エウゼビオ・ディ・フランチェスコ、マウリツィオ・サッリ…。メディアには次々と候補の名が上がるが、現時点で有力候補は存在しない。
監督人事が不透明なのだから、選手の顔ぶれがどうなるかも分からない。日本のスポンサーとの関係もあるだけに、本田圭佑がわずか1年半で移籍することは考えにくいだろう。だが、背番号10がどういった扱いを受けるかは断言できない状態だ。
“助っ人”でありながらシーズン途中からゴールを決められていない本田には、現地で厳しい声も上がっている。これまでもクラブOBが辛口の評価をしたことがあったが、レジェンドであるマルディーニ氏が入閣した場合、影響は大きいのだろうか? GOALイタリア版のガイア・ブルネッリ記者は、こう話す。
「ミランは本田を売ったりはしないと思う。おっしゃるとおり、マーケティング面とアジアのマーケットを考えると大きな価値があるから。もしガッリアーニが出て行くとしても、本田は残ると思う。多くの人が、本田は背番号10にふさわしくないと考えている、という見方は正しい。もしミランがトッププレーヤーを買ったら、背番号を変えられることはあるかもしれないけれど…。でも来年もミランに残ることは間違いない」
本田がミランの背番号10をまとい続け、獅子奮迅の活躍を見せてミランを復活に導けば、日本のサポーターにとってこれほどうれしいことはないだろう。だが、今のミランは、まだすべてが不透明すぎる。