LD元経理社員が証人で出廷
ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元社長、堀江貴文被告(33)の第4回公判が12日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれ、粉飾決算が行われたとされる2004年9月期のLDグループ全体の予算策定責任者だったLD元社員が検察側証人として出廷した。
証言によると、元社員は03年秋にLDグループ全体の04年9月期予算を策定する際、営業利益を7−8億円と算出。初案の段階だったのでファイナンス事業分が入っていなかったが、堀江被告は「そんな(に少ない)はずない」と組み直しを指示。その後、イーバンクとの提携交渉も決裂して、予定していた10億円の売り上げも見込めなくなった。
そのため、元社員はライブドアファイナンス元社長、中村長也被告に相談。株式交換による企業買収で発行する自社株を投資ファンドで売却した売り上げが18億円ほど見込めると言われ、それを予算に組み込んだ。元社員は「自分たちで発行した株をまた買い取って売却することに違和感を感じ、公にするのはまずいと思った」という。
また、同日午後にはライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)の前身バリュークリックジャパン元社長が、検察側証人として出廷した。
証言によると、バリュー社は04年中間期時点で赤字(営業利益・経常利益とも)になっており、7月上旬にLD本社で堀江被告にその旨を報告。堀江被告はとても不機嫌そうに「それじゃあ買収した意味がない。うちでいくらでも利益をつけるから黒字にして」と話し、元社長は“粉飾しろ”ということだと理解した。そのため、社内にいたLD元取締役、宮内亮治被告に相談したところ、「堀江に話をつけてくる」と言われ、第2四半期だけを黒字にすればいいことになったという。
反対尋問で弁護側は、堀江被告への報告時に宮内被告は海外出張中だったことや、その時いたとする社員がまだ入社前だったことなど、不自然な点を追求したが、バリュー社元社長は証言を変えなかった。
元社長は宮内被告ら4人の公判にも証人として出廷しており、「LDの利益を上げるためにおもちゃにされた」などと証言している。
この日、堀江被告はダークスーツに紺色のネクタイ姿で法廷に現れた。目の前の証言台で元社長が「われわれが(買収されて)ヒルズに来ても、堀江被告とは食事もしたことがない。完全に無視されていた」と話すと、堀江被告はそれは違うと言わんばかりに苦笑いしていた。【了】
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証言によると、元社員は03年秋にLDグループ全体の04年9月期予算を策定する際、営業利益を7−8億円と算出。初案の段階だったのでファイナンス事業分が入っていなかったが、堀江被告は「そんな(に少ない)はずない」と組み直しを指示。その後、イーバンクとの提携交渉も決裂して、予定していた10億円の売り上げも見込めなくなった。
また、同日午後にはライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)の前身バリュークリックジャパン元社長が、検察側証人として出廷した。
証言によると、バリュー社は04年中間期時点で赤字(営業利益・経常利益とも)になっており、7月上旬にLD本社で堀江被告にその旨を報告。堀江被告はとても不機嫌そうに「それじゃあ買収した意味がない。うちでいくらでも利益をつけるから黒字にして」と話し、元社長は“粉飾しろ”ということだと理解した。そのため、社内にいたLD元取締役、宮内亮治被告に相談したところ、「堀江に話をつけてくる」と言われ、第2四半期だけを黒字にすればいいことになったという。
反対尋問で弁護側は、堀江被告への報告時に宮内被告は海外出張中だったことや、その時いたとする社員がまだ入社前だったことなど、不自然な点を追求したが、バリュー社元社長は証言を変えなかった。
元社長は宮内被告ら4人の公判にも証人として出廷しており、「LDの利益を上げるためにおもちゃにされた」などと証言している。
この日、堀江被告はダークスーツに紺色のネクタイ姿で法廷に現れた。目の前の証言台で元社長が「われわれが(買収されて)ヒルズに来ても、堀江被告とは食事もしたことがない。完全に無視されていた」と話すと、堀江被告はそれは違うと言わんばかりに苦笑いしていた。【了】
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